読書日記PNU屋 -10ページ目

松村進吉・丸山政也・鳴崎朝寝「エモ怖」

 

エモ怖 (竹書房怪談文庫)

 

  私は流行り言葉に疎くて【エモい】の意味が分からず、ググってみたところ『なんともいえないすてきな感情に揺さぶられる』ことを指すようだ。


  一見、ライトノベルとみまごうばかりに可愛い表紙だが、中身は不可思議なお話揃い。読む前はタイトルの印象から、恋愛や親子の情に限られたセレクションかな?と思い込んでいたが、そんなことはなかった(もちろんそれらが無いわけではないが、メインストリームではない、みたいな)。


  お気に入りを下記に。


歌声/のどかなようで、怪異のビジュアルはかなり不気味!


はねるさかな/怖いのに、なぜかほのぼのしてしまう。


連れてきた少年/涙…。


終点より先/物理法則を無視して近づく、怪異のありようにゾッとする。


憧れの延長線上/あり得たかもしれない未来だったのか、過去の亡霊か、平行世界の賜物なのか…。


祖父のこと/高齢化社会では、他人事ではない話。人の生き方とは…読んでいて、ズシッとくるものがあった。

加藤一 編著「恐怖箱 心霊外科」

 

恐怖箱 心霊外科 恐怖箱シリーズ (竹書房怪談文庫)

 

  超1出身者に、新たな書き手も迎えて送られる病院怪談アンソロジー。
  タイトルから、外科に限局した怪談なのか?と思いきや、病院のみならず、保健室や通院中の人の怪談まで幅広く収録されていた。


  印象に残った怪談を下記に。


カーテン/怪異よりもひとの反応が悍ましさ覚える一編。


ロシアンごみ箱/お茶目な怪異…なのかも??


流行怪/我が身に起きたらと思うと、グロすぎる…!


かれらのことー奇譚ルポルタージュ/引き込まれる謎。解かれないことで、一層余韻を残す。


ぼっかけてくる/稀有な才能かもしれない…。


痺れ/妙に納得してしまう、因果。


なれはて/呪いの迫力たるや!


巣くう/どうなってしまうのか、ハラハラしてしまった。


ファントム・ペイン/本書と同時発売の怪談四十九夜・断末魔収録の拙作と共通項があって興味深い。「幻の左」も併せて是非(宣伝)。

 

 

 

黒木あるじ編著「怪談四十九夜 断末魔」

 

怪談四十九夜 断末魔 (竹書房怪談文庫)

 

  もうシリーズも8冊目だそう。

  参加させていただいて手前味噌になるが、ほんとにレベルの高いアンソロジーであると思う。毎回、〆切前には青息吐息の私だが、見本誌は純粋な読み手として、一怪談ジャンキーに立ち戻って拝読している。


  印象的だった話を下記に。


つくね乱蔵/小川さんの願い  いずれにせよ異能持ちなのだから、ネガティブなことのみに使用するのはもったいない!


我妻俊樹/ブンブン 意味不明さと奇妙さとが際立つ作品。切りっぱなしのようなラストの余韻も良。


鷲羽大介/消えた僕 想いがそこに残っていたのだろうか…。


冨士玉女/アがなく 伝えたかったが伝わらなかった、忠告がやるせない。


川奈まり子/サコシン 怪異のタイプ自体はありふれているかもしれないけれど、それを見つめ考察する著者の眼差しがあたたかく、こころよく感じられた。


黒木あるじ 連作のため、一編のみを切り出してどうこう言うのは難しいが、ラスト「資料」の謎解きにはハッとさせられた。


小原猛/はらのなか ええ話や…毒をもって毒を…のようでハラハラしながらもスカッとする。


小田イ輔/猿と煙 煙ながら、ずっしりと存在感のある怪異!


黒史郎/レストランにて 微笑ましかった様子が鮮やかに裏返るラストに慄く。

2020年11月の読書まとめ

今年も本業が忙しくて、文学をほとんど読めない年で終わりそう。

くまクッキー活字本

おなかがすいたハラペコだ。3
怪談四十九夜 断末魔
怪談標本箱 毒ノ華
感染症はぼくらの世界をいかに変えてきたのか
奇譚百物語 鳥葬
手繰り怪談 零レ糸
追悼怪談 禊萩
ヒソヒソ話したくなる180の怖い話
病気にならない21の鉄則
「便」と「尿」の悩みをスッキリ解決する本
北縁怪談


くまアイス漫画本

あっ、次の仕事はバケモノ退治です。1
あの人は血を求めてしまう 1
ウソツキ皐月は死が視える 1
海喰い 1永遠の陽差しの屍 1
怪異と乙女と神隠し 2
カクカゾク 2鬼獄の夜 3、4
片喰と黄金 4
神頼みコン活
寄生列島 2
鬼滅の刃 1-6(再読)
ゲイ風俗のもちぎさん 3
外科医エリーゼ 5
死がない伏見くん 1
自己肯定感ゼロ女がヤバ恋脱出した話
ジゴサタ 2
実録 保育士でこ先生 3
柴ばあと豆柴太 1
しめるちゃんはつきまといたい 1
スマホでバズった怖い話1、2
生理ちゃん 4日目
生理前にうつになる私
チェンソーマン 9
デッドフラッグ 1、2
トカゲ爆発しろ 1
人形の国 7
根暗SE男子がお見合い100回して結婚した話
光と影 2
僕とロボコ 1
リリースレッド 怪異の起こる街
私、オペ看なんですけど異世界て役に立ちますか?
私のお尻のメッセー痔
私の夫は冷凍庫に眠っている 1

戸神重明「怪談標本箱 毒ノ華」

 

怪談標本箱 毒ノ華 (竹書房怪談文庫)

  北関東の怪物こと、戸神怪談新作は冷え冷えと恐ろしい内容で重めの読後感(びっくり)。

 いつもの昆虫怪談はなりをひそめ、死んでからも生きていたときと変わりなく、否、生前以上の悪意を理由もなく炸裂させる、困った霊たちがわんさか登場する。


 やはりな、霊もかつては生きていたヒトだったんだものな…と実感させられる。

 私的お気に入りを下記に。


新犬鳴トンネル/出現した怪異そのものよりも、体験者の体質(?)が恐ろしい。


秋のトンネル/もし袋を開けられていれば、運命も異なっていたのだろうか…?


山手線の朝/なんとも不気味!見てみたいような、見てみたくないような…。


アウトサイダー/真相が気になる!


鹿児島の一家/こんなに奥ゆかしい男性なら怖くないかも(でも、やっぱりいやかも)。


福岡のループ/取り込まれてしまうということなのか…恐ろしい。


(びっくり)鬱エンドが多いので、今までの著作と比べてヘヴィーに感じるのかも。

そして、明日土曜日は高崎駅からバス20分ほどの場所で、帰ってきた高崎怪談会が開催されるそうですよ!近隣じゃなくとも、ネット配信で聴けるとか。怪談ファンは注目ですな。

詳しくは著者のTwitter、@togamiをどうぞ。