レイ・ブラッドベリ No.34◇永遠の夢◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




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世界や宇宙の彼方を超えて、人は永遠の生を求めるのだーーー………

 

 

 

 

 

 

◇永遠の夢◇ -Now and Forever-

レイ・ブラッドベリ 北山克彦 訳

 

 

夢と詩にみちびかれ、記者カーディフは、アリゾナ州の小さな隠れ里サマートンに降りたった。不思議なことにそこでは子どもが遊ばず、住民のだれも年をとらない…魔法に魅せられながら、やがて崩壊する町の謎をさぐる中篇「どこかで楽隊が奏でている」。メルヴィルの「白鯨」における帆船を宇宙船に、白鯨を白い彗星におきかえて描かれた「2099年の巨鯨」では、乗組員たちが深宇宙へ飛びたち、運命、永遠、そして神そのものに接触する。半世紀を超える創作活動を経てなお、驚くべき壮大なヴィジョンを胸に抱きつづける巨匠レイ・ブラッドベリ。豊かで想像的な未発表の中編二作を収録。

 

 

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1.どこかで楽隊が奏でている

 (Somewhere a Band Playing)

 ……記者カーディフが導かれるように降り立ったその町は不思議な町だった。家にいるはずのない時間に沢山の人がおり、学校も公園もあるのに子どもは1人もいない。それに墓……生年は書いてあるのに死亡年がないのだ……この町の人たちは……一体何者なのだろう……

 

 

2.2099年の巨鯨

 (Leviatham '99)

 ……2099年。イシュメイルは宇宙に旅立つ為にそのためのアカデミーに入った。ルームメイト、クエルは心を読むことのできるクモのような宇宙人だ。イシュメイルとクエルはシータス七号に乗ることになる。それはかつて「リヴァイアサン」という巨大彗星に視力を奪われた男が船長を勤める船だった……

 

 

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「永遠の夢」です(・∀・)

 

 

宇宙と地球という両極端の場所で「永遠」という概念を、不可視の存在として邂逅します。

1はブラッドベリ十八番のグリーンタウンもの?と思いきや「塵よりよみがえり」のようなやがて滅んでしまう町の物語でした。これがグリーンタウンものだったら、ある意味バッドエンドになってしまう。

ネフェルティティたちの驚くべき正体と運命。彼らにとって永遠とは保存保管。しかし永遠を手に入れることは俗世には2度と戻れない、ということ。最後、カーディフは何と会うのか少し怖かった……

 

 

2は宇宙版白鯨」ってだけでは終わらないところがブラッドベリ。台詞の豊富な隠喩、リヴァイアサンの思わぬ能力、永遠永久を有り得なくする唯一の存在、「時間」……それを無くすことが「永遠の生を手に入れた」ということなのか……

全然関係ないけどどうして「白鯨」は話としては簡単なのに、読むと超難解なんだろうか……←

 

 

「永遠の夢」でした(・∀・)/

ブラッドベリ、ここに読破達成! ブラッドベリは壮大な宇宙にはもちろん、何てことのない日々の生活と人々の断片にも、2度と戻れない子ども時代やあの時代にも物語はある、世界に語る言葉があることを教えてくれました。ブラッドベリの描くファンタジーはまさに魔法でした。読めてよかった! 寧ろ読み終わってしまったことが寂しい!

 

 

ーーー2023年2月1日、ブラッドベリ読破達成。