ハーマン・メルヴィル No.1◇白鯨・上◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




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狙うはただ1匹、白くて恐ろしく大きい鯨モービィ・ディック! 

 
 
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◇白鯨・上◇ -Moby-Dick-
ハーマン・メルヴィル 富田彬 訳
 
 
船乗りのイシュメールは、宿屋で意気投合した銛手クィークェグと共に捕鯨船ピークォド号に乗り込んだ。そこにいたのは用心深いスターバック、楽天家のスタッブ、好戦的なフラスクらの運転士や、銛手のタシテゴーとダッグー。そして、自分の片脚を奪った巨大なマッコウクジラ“モービィ・ディック”への復讐に燃える船長のエイハブ――。様々な人種で構成された乗組員たちの壮絶な航海を、規格外のスケールで描いた海洋冒険巨編!
 
 
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「文豪ストレイドッグス制覇計画」、7巻編。激闘は佳境に入りまして、ついに敦君が《組合》の手に落ちました。そしてこの人物が操作する大きな異形に閉じ込められることになります。
 
 
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この「ハーマン・メルヴィル」が操る【白鯨】に。
 
 
こちらのメルヴィルは落ち着いた雰囲気の老紳士です。画像にある【白鯨を召喚・操作する】異能を持っています。鏡花ちゃんと紅葉姐さんと同じ異形召還タイプの異能です。白鯨は死んで(?)時間が経つとまた子鯨が生まれるようです。最初から画像のようなデカい鯨ではないわけです。
 
 
ただよくよく見れば分かる通り、この【白鯨】は機械仕掛けの飛行船に改造されています。フィッツジェラルドが手を入れ改造し、メルヴィルには操作権がありません。
この【白鯨】は大変大きいものでQの【ドグラ・マグラ】で傷ついた横浜に墜落させて今度こそ本当に横浜を焼却する「白鯨落とし」に利用されます。オルコット女史による緊急プランその2です。
 
 
そもそもメルヴィルはこの戦争に乗り気ではなく、【白鯨】が大勢の命を奪うなら、と自らも死の運命を共にするつもりでした。《組合》って確かに良くも悪くも個人主義集団だよなぁ…… 
 
 
9巻では2代前の《組合》の団長であることが明かされます。おいおい、何があったって感じなんですが、仮説ですが、不当なやり方で団長を降ろされたのを、《組合》を買収という形で団長に就いたフィッツジェラルドが呼び戻したのでしょうか。敗者には用無しって態度を見せるフィッツジェラルドですが、なんか恩義でもあるんでしょうか。9巻の「宴の始末」の表紙が若き頃のフィッツジェラルドとメルヴィルでしたが、これに何か関係が?
この流れに関係がある思しき人物が1人いるのでそこで改めて仮説を立てようと思います。
 
 
戦争終結後は安吾ら異能特務課に情報を提供することになります。メルヴィルは再登場の可能性大ですね。果たして彼は武装探偵社やポートマフィアの味方になり得るんでしょうか。
 
 
まぁ、いいや。ともかく話の「白鯨」に入りましょう。クラークの海洋SFで度々言及される「白鯨」は後々の米国文学でも大きな影響を与えました。今でこそモームの世界10大小説の1つですが、当時は難解過ぎて評価は芳しくありませんでした。確かに難解です。しょっちゅう話飛ぶし。文も長い。
 
 
メルヴィルはたくさんの職業に就きましたが、鯨捕りもその1つ。実際に捕鯨船に乗り、その経験を活かして描かれました。
本書はその鯨と対する解釈と聖書に対する言及がものを言っています。聖書の方はともかく鯨の種類、鯨と人類の関係、捕鯨の歴史、捕鯨船についての事柄はかなり詳しく描かれています。これを参考に論文や資料が作成できるんじゃないかと思うぐらいです。事実、当時の捕鯨の歴史を示す貴重な資料です。
というか当時の米国も捕鯨国ですよねぇ。それもなかなか立派ですよ。
 
 
神聖さと本能的恐怖を兼ね備える「白」を持った、海の大いなる怪物。それの復讐に憑かれたエイハブ船長。下巻はいよいよそのモービィ・ディックとの死闘になるでしょう。宗教も人種も違う、極めて原始的な仲間と共にイシュメールは「白鯨」を目にした時、彼は何を思うのでしょう。
 
 
そんなわけでいざ! 下巻(*^o^*)/~!