ロバート・A・ハインライン No.38◇ウロボロス・サークル◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




TwitterもといX: 「https://twitter.com/KYoCaTHouWoR
エブリスタ: https://estar.jp/users/153193524

月、地球、多元宇宙。逃亡したの末におれの前に現れたものとはーーー

 
 

 
◇ウロボロス・サークル◇ -The Cat who Walks through Walls-
ロバート・A・ハインライン 矢野徹 訳
 
 
宇宙居留地ゴールデン・ルールで気ままに暮らしていたおれは、ある日見知らぬ男から人殺しを依頼された。だが詳しい説明を受ける間もなく、男は目の前で射殺されてしまった。新婚の妻グエンと共に真相究明に乗り出したおれだが、逆に覚えもない殺人の容疑をかけられて逃げまわる羽目に…いったい誰がおれを罠にかけたのか。宇宙居留地から月世界、並行世界にまで舞台を移しながら、スピーディーに展開する冒険巨篇。
 
 
☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆  
 
 
宇宙居住地ゴールデンサークル。元軍人のおれことリチャードは魅力的なグエンと食事中、見知らぬ男がやってきてなぜか人殺しを依頼してきた。なんでおれ? しかもそいつはーーー軍の合言葉を知っていたそいつはいきなりおれの目の前で撃たれてしまった!
 
 
詳しい状況が何も分からないまま、おれはグエンと一緒に夜を過ごす。グエンから結婚を申し込まれ、2人は結婚するがなぜか住居退去命令を出させてしまい、身1つで放り出されてしまう。途中で拾ったホームレス青年ビルを道連れになんとかゴールデンサークルから脱出する。
 
 
着いた先は月世界のホンコン・ルナ。ところがそこに行く途中でも何者かに襲われる。しかも市長はあの辺りに賊が出たことなどなく、リチャードが犯人だと決めつけてかかる。それに加え、ゴールデンサークルでの一件も殺人容疑がかかり、リチャードとグエンは再び追われることに。落ち着いた先のルナ・シティ先でリチャードはグエンから驚くべきことを知らされる。
ーーーグエンの本当の素性は100年前の月世界独立戦争で活躍したヘイゼル・ストーンであり、とある作戦のためにリチャードが必要になり、彼を連れてくるという任務を仰せつかった工作員だと言うのだ!
 
 
100年前ならグエン=ヘイゼルはものすごいおばあちゃんのはずだ。だけど目の前の女性は若い……彼女はこの世界とは違う宇宙で若返り施術を施したというが、リチャードは全て信じきることができない。その中、またも襲われ、絶体絶命のところを謎の宇宙艇に助けられ……
 
 
目覚めたそこは別の宇宙。かのラザルス・ロングのテリトリー。リチャードは全てを明かさずに協力を要請するラザルスにイラつきながらも話を聞く。ラザルス・ロングらの目的は月世界独立で重要な役割を果たしたアダム・セレーネの救出!
 
 
☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆  
 
 
「ウロボロス・サークル」です(・∀・)
もうすぐハインラインを読破します。いやー、こんな日が来ようとは。
 
 
さて、感想を書く前に何点か注意があります。
貴方はハインライン作品を幾つ読んでいますか? または幾つ知っていますか? 
断言します。この作品はハインライン作品をたくさん読んだ人向けです。
というかそうでないとこの話、面白いとか面白くないとか以前に全く分からない。後期ハインライン作品は他の作品とのリンクが多く、それらの関連性が分からないと本当に楽しめない。
 
 
そして次。貴方は「月は無慈悲な夜の女王」を読みましたか? もし読んでいないならここから先は読まないことをお勧めしたいです。
なぜならこの話はこの続編だからです。
待って待って待って。ここでアダム・セレーネを聞くことになろうとは!
しかも! ヘイゼルってあのヘイゼル!!
おばあちゃん、綺麗になってまぁ……まぁ、口の達者さは変わらないけど! あと何気なく息子のロジャーと悪童双子と末っ子の消息も分かります。よし! これを機に「宇宙の呼び声」も読もう!
 
 
そして例のごとく宇宙を股にかけたラザルス・ロング再々登場。やっぱこいつ好きになれないわー……いやね、協力して欲しいならさ、全部説明しろや。リチャード、ラザルスに歯向かえ歯向かえー← ラザルスと出会ってそちら側に行っちゃう人は後半にいっぱい出てきますが、どんなに考え方が違くても最終的にはみんななんだかんだラザルスを受け入れるんだよね……全部を受け入れず、ラザルスにーーーというか惑星ターシャスに反抗しているのは今の所、リチャードただ1人です。面白いですね。これは続編にして最終巻「落日の彼方に〜」でどう結びつくんでしょうか。
 
 
後期のハインライン作品は色々な要素を詰め込み過ぎて半ば消化不良気味です……← 
 
 
「ウロボロス・サークル」でした(・∀・)/
次は4ヶ月早いクリスマスです(*^o^*)/~