ロバート・A・ハインライン No.10◇宇宙の呼び声◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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宇宙の呼び声に応えて、「石よ、転がれ!」

 
 
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◇宇宙の呼び声◇ -The Roolling Stones-
ロバート・A・ハインライン 森下弓子 訳
 
 
カスとポルは15歳、科学の天才にして商売上手、ルナ・シティでは有名な〈悪たれ双子〉だ。今回の宇宙旅行でも、何やら大儲けを企んでいるようだ。父親のストーン氏は不安だった。双子だけではない。祖母も母親も姉も末の弟も、いずれ劣らぬ要注意人物なのだ。ただではすみそうにない……かくして、ストーン一家を乗せた〈ローリングストーン〉号は、波瀾含みの宇宙へ旅立った! ハインラインの傑作宇宙冒険SF。
 
 
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ストーン家はみーんな並々ならぬ問題児ばっかりだ。母のヘイゼルは95歳なのに元気過ぎるし、妻のイーディスは従順と見せかけて実はなんでも事態を思い通りにしている。娘のミードは異性のことしか頭にないし、末息子のローウェルは人の心が読めるらしい。極め付けは双子のカスとポル。2人して科学と商売上手と来てルナ・シティでは問題ばっかり起こしている。こないだも無断で核実験を行って拘置所へ。ーーーああ、まともなのは自分だけ。一家の主、ロジャーの頭は痛い。
 
 
ロジャー以外は超要注意人物だらけのストーン家が宇宙船「ローリング・ストーン号」で月から宇宙に旅行に出た! 火星、小惑星帯ーーー伝染病にかかったり、悪たれ双子の商売が詐欺だと告発されたり、宇宙船が双子が買ったペットのフラット・キャットの大家族に占領されたり、波瀾万丈。そして本当の危機はーーーなんと双子たちのミスのせいでヘイゼルがピンチに!?
 
 
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「宇宙の呼び声」です(・∀・)
 
 
ハインライン流SFファミリードタバタコメディです。
ストーン家が織り成すドタバタをSFを交えてコミカルに描いています。ぶっちゃけ、SFファミリーコメディとうっても良いかもしれない。しかも家族のほとんどが問題児と要注意人物なんだから笑うしかないwww ロジャーの言葉には一回は反論しないと気が済みません。大体ドカンバカンと手酷く反撃されます。一家の主人なのにかわいそうwww けれどロジャーはヘイゼルおばあちゃんの息子。彼もなかなかやると思います。ていうかヘイゼルおばあちゃんがお母さんで息子が凡人なわけないじゃん← 完全には負けてないと言うか。キメるところはキメるし、なんだかんだ1番負けているようでいいところを持っていく←
 
 
頂点はヘイゼルおばあちゃん。おばあちゃんにかかれば悪たれ双子のカスとポルもひよこです。というか影が一気に薄くなる← もう、おばあちゃんの言葉1つ1つが最高です。超元気なおばあちゃんで読んでいるだけで元気が出て来ます。ちなみに1番手強いのはイーディス。「ええ、あなた」の一言で事態はイーディスの思うようになっています。さすがはお医者さん。ナンテコッタ←
このおばあちゃんはあの名作「月は無慈悲な夜の女王」でも登場するそうです。この作品は月世界が地球からの独立を求めて闘う話なので、じゃあ、何か? この作品は未来の話なのか!? これを読んでから「月は〜」を読むと伏線回収ができるかもしれません。
 
 
この話の読みどころはやはりストーン家の会話です。ロジャーが何かを言う→ヘイゼルが噛み付く→カスターとポルックスが反論する→そのうちミードとローウェルが騒ぐ→ロジャーが怒鳴って結論を出す。というパターンが出来上がっています(この間、イーディスは黙っているか時々口を挟むかですが、ロジャーの助けにはならない)。歯切れ良くってテニスのラリーみたいです。テレビドラマだったら絶対に面白いです。簡単に想像できます。
終盤、ヘイゼルのピンチが彼女にある決意をさせますが、その決意を受け止めたストーン家の覚悟が素敵です。ハインライン作品を読んだ中で1番素敵な終わり方でした。こんな家族だったら絶対楽しいです。
 
 
「宇宙の呼び声」でした(・∀・)/
次は「文豪ストレイドッグス制覇計画」、花袋が恋煩い!? 樋口さんに恋のライバル!? その両者は同一人物!? その正体のまさかの意外な正体!(*^o^*)/~