ジョルジュ・シムノン No.15◇メグレ警部と国境の町◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

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メグレは娘の願いを叶えられるか? 金持ちのフランドル人を嫌う町中を歩くメグレ!

 
 
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◇メグレ警部と国境の町◇ -Chez les Flamands-
ジョルジュ・シムノン 三輪秀彦 訳
 
 
メグレ警部は、ベルギー国境に近い町までやってきた。個人的な資格で、ある事件の解決を頼まれたのである。というのは、ある日パリ警視庁へ突然ひとりの娘が訪ねてきて、自分たち一家が町の人たちから謀殺の疑いをかけられているから、その疑いを晴らしてほしいと頼んだからだ。メグレは娘の熱意にほだされて国境の町までやって来た。
ムーズ河にのぞむ小さな町、金持ちのフランドル人に対する敵視。メグレは次第に奇怪な犯罪の中に巻き込まれていく……
 
 
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メグレ警部は1人の娘の懇願でそのベルギー国境の近い町にやって来た。その娘アンナ・ピーターズの家族全員が殺人の嫌疑をかけられたのだ。アンナの弟ジョゼフが婚約者がありながら女に手を出し、妊娠させたのだ。子が生まれるとジェルメーヌは行方不明になった。ジョゼフの結婚にはその女ジェルメーヌが邪魔なわけでピーターズ家には動機がある。
 
 
メグレ警部は非公式の立場で事件を調査にあたる。ところが、その町の住人たちは金持ちのフランドル人ピーターズ家を敵視しており、一筋縄ではいかないようだ……
 
 
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「メグレ警部と国境の町」です(・∀・)
またも国会図書館です。しかもデジタルしかないためにドライアイに悩まされました。目が痒いです←
読み終わってすぐにこの記事を書いています。読む冊数にもよりますが2、3日ヴァン・ダイン祭りよろしくシムノン祭りが続きます。
 
 
今回も前回と同じく非公式の立場で事件を調査します。前回はもろ事件突っ込み型ですが、今回は事件飛び込み型。ある娘の依頼を受けてベルギーに近い町にやって来ます。メグレ、人が良いな←
面白いのは無実を主張しているピーターズ家がシロに見えないところです。どこがどうとはっきり言えませんが、なんか秘密めいたところがあり、その意味が最後に明かされます。それが分かると問題を引き起こしたジョゼフが煮え切らん奴で全ての元凶に見えて来ます。最後を読むと彼らがいかに哀れかよく分かります。
 
 
ピーターズ家の嫌疑に拍車をかけるのが町の人々。ムーズ県はベルギーには近い県だけどやはりフランス国内だし、彼らが外国人であるというのは一種の警戒心をわき起こします。しかもそれが金持ちときて周りと一線をかしていたら……ピーターズ家に関する嫌悪ーーーというかやっかみがメグレを通して感じられます。あからさまではないけど町中の霧のようにじわじわ侵食する空気が随所随所に表れています。
 
 
「メグレ警部と国境の町」でした(・∀・)/
第2弾はノン・メグレ作品です(*^o^*)/~