ジョルジュ・シムノン No.14◇メグレを射った男◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

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休暇のはずがいきなり重傷、なぜか容疑者に!? 安楽椅子探偵として事件を解くメグレ!

 
 
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◇メグレを射った男◇ -Le fou de Bergerac-
ジョルジュ・シムノン 鈴木豊 訳
 
 
隠退してドルドーニュに住む元同僚の誘いに、メグレの旅心は動いた。寝台車の相客が気になって、メグレは一晩中まんじりともできなかった。明け方、森の中を徐行中の列車からその男がとび降りた。とっさの判断で、メグレもあとを追った。男は発砲し、メグレは肩に傷を負った。病院で意識をとりもどしたとき、判事、検事、署長、書記、警察医の五人の男が彼をとりかこんでいた。人もあろうにメグレが、ここベルジュラックで最近起こった二件の通り魔的殺人事件の容疑者にされたのだ。旧友の証言で容疑ははれ、今度はメグレがベッドに寝たままで真犯人探しに乗りだす。
 
 
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メグレのところに引退した同僚ルデュックから手紙が来た。それを読んだメグレは休暇を取りたくなり、早速ベルジュラック行きの寝台列車に飛び乗った。ーーーが、相客の物音が気になりし過ぎてメグレはとうとう眠れなかった。
 
 
が、明け方、いきなりその男が列車から飛び降りた。長年の勘で追いかけるメグレ。ところがその男に撃たれてしまう。
ーーーが、目が覚めたメグレはなんと重要参考人よろしくな扱いを受けた。慌てて駆けつけたルデュック曰くメグレを保護したベルジュラックは最近、針を使う殺人通り魔が横行していてメグレはその容疑者になってしまったのだ!
 
 
冗談じゃない! ルデュックのおかげでなんとか容疑は晴れるが、それで気が済むメグレではない。駆けつけたメグレ夫人といやに反対するルデュックを助手に安楽椅子探偵に乗り出すが、メグレを撃った男の検討は皆目つかない。メグレが狂人なのでは……と周囲が怪しむ中、その謎の男の遺体が見つかった! ところが、その男は……数年前に死んだはずの男だった!?
 
 
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「メグレを撃った男」です(・∀・)
 
 
メグレが容疑者&安楽椅子探偵になります。
序盤でいきなり怪しい男を追いかけると思ったら撃たれて大怪我し、目が覚めたと思ったらまさかの通り魔容疑者!? たった数十ページでメグレの身が危うくなっています← その容疑はすぐ晴れますが、メグレの推理が悉く外れるばかりに狂人呼ばりされる羽目に……メグレ、異色の立場です。
 
 
やはりシムノン作品はミステリーは二の次で、人間に重点を置いています。シムノンで大事なのは「犯人は誰か?」よりも「その事件までに何があったか?」です。ある家族と姉妹の過去が徐々に紐解かれ、それが事件の真相に繋がる瞬間はゾクゾクします。書かれる人間たちは普通の弱い人間たちで同情のかけらもないですが、その哀しさはいつかのわたしたちが体験する類なのかもしれない……
 
 
本作はメグレ夫人の出番多数!
怪我で動けないメグレの代わりにメグレ夫人ルイーズがメグレの足になります。妻として心配しながらも、警視の妻として出来る限りの助力する……メグレ夫人、馬鹿じゃないです。短編だとメグレ夫人も活躍するそうなので楽しみに読もうと思います。
 
 
「メグレを撃った男」でした(・∀・)/
次はサイモン・アークのさらなる活躍(*^o^*)/~!