19話目 場面緘黙症についての経験談小説 | 不登校サポーターaikoᵕ̈*親と子を繋ぐ居場所作りをしています‍‍

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集団の場が苦手、人と話したいのに緊張して上手く話せない、場面緘黙症、共感性の高いHSPの気質をもつaikoだからこそ不登校になる子供の気持ちをくみとってきました。これから不登校の子と親を繋ぐ居場所を作ります ̖́-‬

1年が過ぎ、あゆは4年生になった。



 

またクラス替えがあり、担任も町田先生に変わった。



 

町田先生は、優しい口調の女の先生だった。



 

そんな先生の雰囲気が大好きで小学校時代で、あゆが一番安心できる担任だった。




 

町田先生は、宿題やってこいとは言わない。



 

やっていかなくても怒られない。








 

あゆは、相変わらず宿題をやっていかなかった。




 

そのおかげてまったく勉強が分からなくなっていた。



 

テストも常に悪かった。




 

だけどあゆは、どうでもよかった。




 

勉強楽しくない。




 

やりたくない。



 

そんな思いしか湧き上がらなかった。




 

だから宿題をやってこいと言わない先生に感謝していた。





 

4年生も相変わらず状況は、変わらないままだった。




 

ただ、3年生の時の担任が町田先生に


 

「あの子は、体が弱いから気にかけてやってほしい」


 

と言っていたようだった。




 

あゆは、その話しを母から聞かされた。




 

そんなふうに思っていてくれたんだな、先生。



 

ありがたいような、さみしいような複雑な感情が胸をはしった。




 

あゆは、ただクラスのみんなが話す姿を見ていた。



 

だんだんとなんとなくこの状態に慣れてきた。




 

そういえば最近は、頭痛くならないな。




 

可もなく不可もなくあゆの感情は、平らになったみたいだった。





 

この年、5人目の兄弟が生まれた。



 

女の子だった。




 

「中村さん、赤ちゃん生まれたんだってね、よかったね」


 

町田先生が声を小さくしてあゆだけにそう伝えてくれた。




 

あゆは、嬉しくてこの言葉を大人になってもずっと忘れずにいるのだった。



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