わからないことが、わからない | 想いが伝わる本を書くブログ

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武蔵野デジタル出版社長の牛田肇がモーモーするブログです♪

バレエダンサーの熊川哲也氏は、子供時代、バレエ教室でやたらと「わからない」を連発していたという。

新しいプロセスを教えようとすると「そんなことできねーよ」という。「じゃあやってみて」と言われ、先生がやってみせると、また首をかしげて「わかんない」が始まる。

先生を見た動きを再現すると、具体的な動きがよくわからなくなる。総論ではわかっても、各論ではわからない。
それでも、少年熊川哲也は、各論が体のパーツに理解できるまで「わからない」を続ける。

そうして、「どうやらこういうものらしい」と理解すると、家に帰って、レッスンをし、翌日には、ちゃんとできるようになっていた。

熊川哲也氏のすごさは、次の日にはできるようになっていたことではなく、自分の理解の届かないところを確実に発見して、それに対して「わからない」を明確に確認していたことである。
と作家の橋本治氏はいう。

しかし、「何がわからないかが、わからない」ことは少なくない。これは難しいことかもしれない。

(「わからない」という方法、橋本治、集英社新書)

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