敵意があるとは、少なくとも無関心ではない | 想いが伝わる本を書くブログ

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武蔵野デジタル出版社長の牛田肇がモーモーするブログです♪

埼玉県の産業廃棄物処理会社
石坂産業には、多くの工場見学者が
訪れる。

きっかけは「脱・産廃業!」
「産廃業のイメージを破りたかった」
と石坂典子社長はいう。

石坂社長は、6年かけて施設を屋内型
に切り替え、音や粉塵を防いだ。

ところが
「何をしているのか分からなくて
 怪しい」
と言われた。

そこで、工場見学を思いついた。

しかし、最初は見学に来る人は
環境保護活動などに熱心な方々で
不正を探すかのように臨んでいた。

中には、厳しい質問もあった。
「従業員の健康管理は?」
「塵肺の問題はないのか?」
など。
そこで、石坂社長は、
このような人たちと正面から向き合い
真摯に対応することに腹をくくった。

定期的な健康診断や教育プログラム
作業車の塗り替えをしたり
見学用の通路を設置した。

やがて、強い批判の中から共感が
生まれた。
「あら、意外に頑張っているわね」
「あそこの産廃工場はいい。面白い」
と理解の声が出てきた。

石坂社長は
「敵意があるとは、少なくとも
 無関心ではない。

『冷めた無関心より、熱意ある批判』
の方がずっといい。

傷つくことを恐れて逃げ出さず、
批判を真正面から受け止めれば、
真の理解者が得られる」

という。

(日経トップリーダー 2015.1、娘が継いだ物語、石坂典子 石坂産業)