サッカー日本代表の監督のことで「指揮官の人選って大事です」って記事を今朝エントリしたんですが、まあ普通に自分のいつもの仕事に対しても言えることです。
指揮官とは、つまり社長や部長や店長やマネージャーや主任など、その部隊の責任者のことです。大なり小なり人が同じ目的で集まり集団となって1つのチームとなると、必然的にそこにはリーダーが必要になります。
リーダーは、集団として共通する目的を達成させる為に、各自にそれぞれ適材適所の仕事を割り振り、指示をを与え、必要に応じては教育を施し、また全体的な環境改善や各種調整を行ないます。まあこのへんは詳しく説明する必要もないでしょうね。
で、本題です。
この指揮官(リーダー)の人選ってどうやるんですか?
ってところです。例えば一般社員から売場主任に昇格したりする会社人事って、いったい誰がどのような選定基準によって行われるのでしょうか?お店の店長になるにはどうすればなれるのか?
答えは、やり方や基準は会社によって違いますが、誰が決めるに関しては、全て社長が決めます。
うちの社長は売場主任人事には一切関与していないよ?
って反論があるかも知れませんが、その場合はきっと社長が権限委譲を使って信頼できる部下(部長なり店長なり)に任せているだけでしょう。って訳なので、直接的にも間接的にも社長が判断を下しているんです。
では、リーダーに適した能力の条件とは何でしょうか?
・とても真面目にがんばっている人が必ずリーダーになれるのでしょうか?
・会社の為に一生懸命働く人がリーダーに適しているのでしょうか?
・やる気のある人がリーダーに向いているのでしょうか?
・皆の意見をよく聞いて相談に乗るのが上手な人がリーダーでしょうか?
・一番の年配者がリーダー?
・いつも冷静でいられる人?
・上司にゴマをするのが上手い人?
・上司と仲良しな人?
・学歴の上下で決める?
・・・すべて違います。
答えは、一番良い結果を出せる人(選ぶ段階では出せそうな可能性のある人)だと思います。具体的には、
・高い目標を達成できる人
・勝てる人、勝ち残れる人
・組織全体のレベルを向上させる人
・数字で見える成果を残せる人
なんかが当てはまります。決してプロセス(手法)から選んだりはしません。リーダーの優先順位の先頭には常に「結果」があります。結果を出せないとどんなに過去に優秀なプロセスや経験や手腕があっても評価されません。仕事は仲良し倶楽部やサークルではなく、生活や人生を賭けたプロの世界ですので、これは当然と言えば当然です。
昔、10年くらい前の話(ソフマップ時代)ですが、とある若いアルバイトや社員らと居酒屋でいっしょにワイワイと仕事のことを話す機会がありました。そこで若い部下達からの質問の中で、真顔で真剣に言うんですよ、
「店長になる(出世する)には、大井さんのフットサルチームに入った方がいいんですか?」
「サッカーを好きになったらいいんですか?」
「常にいっしょに飲み会に行ったりしないとダメですか?」
「・・・。」
「え?それ本気で言ってる?ネタ?」
(相手は真顔で本気ですよ、と。)
「・・・全部誤解やで。オレ実力主義やから、1番結果を出せる人しか選ばへんから。趣味・思考・手段・プロセスはまったく興味ないし。」
これはちょっとショックでしたよ。そう思われていた事実が何よりショックでした。若い社員らの上司(僕の部下)に僕からの意思統一が不十分であったことを猛烈に反省したのを覚えています。
ちょっと考えれば当たり前なんですが、例えば僕はある会社の中間管理職で、社長から年間50億円の売上予算(5億円×10店舗)を任せられたとします。そして1店舗当たり平均で30人のスタッフが働いているとします。任せられた全従業員数は300人です。そしてこの10店舗で予算50億円のところを実績55億円(110%)、60億円(120%)、と上積みすれば自分の成果となります。さあ、10店舗の10人の店長はどのようにして選任しますか?
僕はムズカシイことぬきで単純に、
■300人全員1人1人の「結果を出せる能力の高い人」を順番に並べて1位から10位の人が店長
■10店舗全部、外的環境要因(競合店など)による難易度や、(売上の)潜在能力を調査する
■売上の上がる見込みが高い店舗順に、結果を出せる能力の高い人順で配置・調整する
ロジカルにただひたすら「一番良い結果になる」確率を上げます。そこには「サッカーが好き」「仲が良い」「共通の趣味がある」とかの選定材料など、もちろんですが入る余地はありません。
それが当たり前のプロの仕事だと思っています。
でも、その徹底したプロ意識のやり方のせいで「あの人は冷たい人」とも呼ばれるようになるんですが・・・。
うーーーん。
がんばろうっと。