「水俣曼荼羅(みなまたまんだら)」をみて 水俣病の現在と「これから」 人間賛歌でもある | すずきともこの安心感を育て人生を楽しむブログ

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こんにちは。

 

「水俣曼荼羅」を観ました。

 

 

よかったです!!

 

なぜか長さを感じない。えっ

もう2時間あっても見ていられそうなくらい。グッド!

 

 

 

黄色い花水俣病について、15年取材した監督、原 一夫さん。

さらに5年かけて編集。なんと全部で20年。

 

黄色い花6時間12分のドキュメンタリー映画です。

第一部、第二部、第三部があり、2回の休憩が入りました。

 

 

 

公式サイト…

 

 

 

黄色い花日本4大公害病の1つ、水俣病。

 

患者は国に認定されるのか?

国や県、行政はどう対応したのか?

 

埋め立てられた有害物質は、いまどうなっているのか?

 

水俣病でありつつ、結婚した人、恋多き人、

施設にいる人、家族と暮らす人、

一見、大丈夫そうに見えて実は症状がある人。

 

水俣病の人たちは、どう生きているのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

星公害病の話を6時間。

つらいかと思ったら、どこか突き抜けている明るさがあった。キラキラ

 

とくに、第二部、第三部は明るいシーンがあって

映画館の中では、

(私も含めて)見てる人々が声を立てて笑うほど。

 

 

 

 

星恋多き女性、しのぶさんの笑顔がキュート。

胎児性水俣病だ。次々男性を好きになる。ラブラブ

 

びっくりしたけど、どのシーンもとても魅力的で、

しのぶさんを好きになってしまう。ドキドキ

 

働けない体だが、自立を夢見ている。

 

 

 

星ディズニー大好きな孝子さん。

水俣病で、ベッドで寝ている。

笑顔で「シンデレラが好き」と話す。音譜

 

 

 

星生駒さんは、結婚したときの喜びを語る。

水俣病の男性だ。ふだんから、手がふるえている。

それでも社会人として働き続けた。

 

「もう、うれしくてうれしくて」と語る笑顔が輝く。キラキラ

見ているこちらまで、胸が熱くなる。

 

長年連れ添った、夫婦の会話も味わい深い。

 

 

 

 

星身体が不自由で話さないけど、

まなざしが深くて印象的な、水俣病の女性、実子さん。

 

なんでもわかっていそうで威厳がある。宝石赤

外出のときは車いすだ。

 

 

 

 

星水俣病は悲しいできごとだが、

映画は、人間賛歌でもあると思った。

 

 

 

星監督が水俣病の人や、その周囲の人にインタビューする。

その声や話し方が、感じがよかった。ニコニコ

 

明るくてフラットなのだ。

相手の人を「ひとりの人間」として見ていることが伝わってくる。グッド!

 

 

 

 

星いっぽう、水俣病の歴史は紆余曲折で、一筋縄でいかない。

 

 

 

星水俣病は、メチル水銀がチッソ工場から河川、海に排出されて、汚染された魚や貝類を食べた猫や海鳥、そして人が被害を受けた公害病だ。

 

 

・猫が全滅した地域があった。

 

 

 

 

星企業や県や国はメチル水銀が水俣病の原因であると気づいてからも、なかなか因果関係を認めなかった。その間に患者は増え続けた。

 

患者たちが裁判で熊本県や国を訴えて、長い闘いがある。

 

 

 

 

星「水俣病である」と患者認定を受けるための基準が、不十分だった。

なかなか認定されない患者たちがいる。

 

 

 

 

星水俣病の研究をしている浴野さんが出てくるが、

「だれも研究しない。研究しても、予算がつかない」、

「僕の周りは真空地帯だよ」(他の機関から声もかからない)と言う。

 

学術的関心から水俣病の診断基準を発見する浴野さん。キラキラ

 

知的好奇心にあふれた表情がユニーク。

患者の脳のホルマリン漬けを大事に抱えて電車で移動したり…。

 

(脳をスライスするシーンがあるので、

苦手なかたは気を付けてください。)

 

でも、知的好奇心旺盛な浴野さんだからこそ、

お金にならなくても、

地位や名声と無縁であっても、

水俣病の研究ができるのだと思った。

 

しっかりした研究や論文がなければ、

水俣病への理解は進まず、関心も薄れ、闇に葬られてしまう。

 

そうしたら、また同じようなことが起こるかもしれない。汗

 

 

 

 

星水俣病は手足の末端に影響すると言われていたけど、

脳への影響が大きいことをつきとめる。(そこから末端への影響も出る)

そうすると、診断基準が変わるのだ。大事な研究だ。

 

 

 

星脳の感覚分野がこわされるから、感覚がにぶくなる。

痛みがわからなかったり、食べ物の味がわからなかったり。

患者の集まりで男性が「感覚障害」の苦しみを吐露するシーンでは、涙が出た。

 

 

 

星体がふるえていない、大丈夫そうに見える人も、

「頭痛がひどい」など、さまざまな症状があったりする。胸が痛んだ。しょぼん

 

子どものころから、めまいや耳鳴りなどに苦しんだり、

末端の手足がうまく動かせないから鉄棒ができなかったり。

 

 

 

 

星水俣市では、「水俣病の話は、しづらい」そうだ。

ボディブローのような衝撃を受けた。

 

まるで福島や広島のようだ。

被爆したことを話すと不利になる、

風評被害だといやがられる、

補償金目当てと言われる、

実際に補償金が出たらねたまれる、など、社会的にこじれてしまう。あせる

 

大事な話だし、助け合えたらいいのに、

「いろいろあって、あまり話せない」という状況があるなんて。しょぼん

 

 

 

 

星国や県の職員の人と、患者たちが話すシーンは圧巻だ。

その対比に、胸を衝かれる。えっ

 

本音で話す患者たち。

目が生きているし、存在感がある。

 

その逆で、ひたすら、タテマエで話す職員(知事や大臣もいる)たち。

 

もう、目が泳いでいる。汗

ロボットのように話す。

組織の一員として立場上、めったなことは言えないのだろう。汗

 

 

 

 

星職員の本音を引き出そうと、あきらめずに語り掛ける患者たち。

 

ついには、職員が「私は組織の歯車なので(個人的な意見は言えません)」という意味のことを言い出すシーンまであった。ショック!

 

 

 

 

星また、昭和天皇ご夫妻(今は上皇ご夫妻)と話した水俣病の男性の感想が印象に残る。ご夫妻は、身を乗り出して水俣病患者の話を聴いていた。

天皇には政治的な権力がない(あってもややこしいことになりそうだけど)から、「聴くこと」「祈ること」しかできないかもしれないが、だからこそ、心がこもっていたのかもしれない。

 

 

 

 

星ところで、海に流出した、大量のメチル水銀はどう処理されたか。

驚愕の史実があった。

 

ただただ、埋め立てたのだ。

浄化できずに。

 

メチル水銀に汚染された魚たちはドラム缶にコンクリート詰めにされて、埋め立てられた。その数、何千本。えっ

 

えっ…。汗汗汗と、しばらく絶句した。

 

 

 

 

星そして埋め立てたところは広場(エコパーク)になっている。

お弁当が食べられそうな広場なのだ。

 

まるでサイパンやグアムのようだ。

(悲惨な戦争があったが今は観光地になっている)

(鎌倉もそうか…)

 

 

エコパーク水俣のHP

 

 

 

 

 

星メチル水銀を封じ込めている金属は、耐用年数が何十年かだそうだ。

もう、腐食していたりする。

その様子を観察するために、ダイバーが潜って調べている。

 

これからどうするのだろうか?

金属を取り換えるかなにかしないと、メチル水銀はまた海へ出ていくかもしれない。

 

そのことを知って、薄氷を踏む思いがした。

 

 

 

 

星水俣病患者の苦しみも、

海の安全確保も、まだ解決していないのだとわかった。

 

 

 

星海は世界中をつなげている大きな水だ。

だれも無関係とはいえない。

私も。

たくさんの子どもたちも。

 

これからどうしていくのか、問われている。

 

多くの人が関心を持って、

研究に予算がついて、

知恵が結集されることを願う気持ちだ。

 

 

 

星そして、今、水俣病で苦しんでいる人たちが全員認定されて、

充分な補償が受けられることを願ってる。

 

 

 

 

 

黄色い花関連記事

 

 

緒方正人さん(水俣の漁師)へのインタビュー

最初はチッソ工場を憎んだが、自分を振り返って考えが変わり、やがてチッソの社員と語り合うようになったそうです。

 

 

 

緒方正実さん(水俣の建具職人)へのインタビュー

水俣病であることを隠して生きてきたが、あるとき「正直に生きよう」と思った。患者認定を求めて却下され、10年、手紙を書き続けた。

「ゆるし」の気持ちになる。

 

 

上の二つのインタビューは、とても読みごたえがあります。ラブラブ

ただ被害にあったという話で終わらず、真摯に向き合ううちに「本質的」「哲学的」になっていくのです。虹

 

人間の奥深さに、胸を打たれます。

「恨んで終わり」にならない、心の底力の大きさと優しさに。

 

 

 

 

 

 

黄色い花関連映画

 

「MINAMATA」をみて 

 世界の人たちに水俣病を知らしめる写真を撮ったスミスさん。

 

 

 

 

 

 

本書籍

 

 

「水俣曼荼羅 製作ノート」

 原 一夫 + 疾走プロダクション 著 

 

なんと、映画「水俣曼荼羅」の全シーンの描写と言葉が載っています。

映画館に行かなくても内容がかなりわかります。 

 

 

 

「水俣 天地への祈り」

 田口ランディ 著

 

 

 

「苦海浄土」

石牟礼道子 著

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「心の育児」クラス  

 

 

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双葉「子どもの『心』を聴ける親になる!」(理論編)

2022年1月27日(木)13:00~14:30      豊倉助産院

 

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双葉「乳幼児から知っておきたい性教育のお話 心と体を守る女の子&男の子育児」

双葉「0歳の子の『心』が元気に育つ!」

双葉「0歳の子の『体』が元気に育つ!」

双葉「1歳からの『自立期』の育児のこつ」(いやいや期)

双葉「夫(パートナー)とのコミュニケーション 心を伝える7つのヒント」

双葉「思春期の子とのコミュニケーション 心を聴く7つのヒント」

双葉「自分の親とのコミュニケーション 大切な7つの知恵」(実父母・義父母)

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双葉「心の育児 コロナ編」 (ユーチューブで自由に視聴できます)

 

 

 

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