復活したS庭です。
前々述で感じた疑問ですが、「火入れ」「加熱処理」に焦点を当てる以前に
日本の歴史から紐解かなければなりません。
明治維新、西洋文化の急速な国内流入の中に、ワインもありました(それ以前に宣教師によって持ち込まれていますが)
政府は葡萄栽培、ワイン造りを推進し、全国に葡萄園や醸造所が開設されます。
ですがワイン用に適したヨーロッパ品種は日本の土壌ではよく育たず、高温多湿の気候も
ワイン用葡萄栽培には大きな障害でした。結果、食用に向くアメリカ品種が主流になります。
「葡萄は食べるためのもの」
食用の商品にはできない、クズ食用葡萄を用い、
ワインとは呼べないようなものが造られていたといいます。
日本にはワインを造るための法律がない上
世界レベルの「ワイン醸造マニュアル」も知らず、
日本独自の醸造方法で長年ワインが造られてきました。
(醸造技術面では、日本は古来より世界トップレベルにありますが)
ワインを今も火入れしている生産者が多いのはこの為です。
そんなワイン後進国の日本が、今日の、世界に認められるようなワインを生み出すまでは、
幾多の先人たちの血の滲む様な努力と、研究に試行錯誤を重ねた、手探りの歴史がありました。
枯れては植え、また枯れては植え、土を掘り下げ、土壌を改良し、
出来上がったワインが納得いかなければ、最初からやり直す。
気の遠くなるような年月を財が底をついても、決してあきらめない。
日本で世界に誇れる日本のワインを造りたい
そんな先人達の意思を継ぎ、情熱と誇りを持った生産者達が
今、日本のワインを飛躍的に品質向上させています。
(国産ワインは品質にくらべて高い、同じ値段なら外国のワインを買う)
今までのイメージを払拭する、「これが日本のワインです!」と言える
気品あるワインが数多く生まれています。これから更に伸びていく事と思います。