献食菜集 -159ページ目

台風接近

今年の秋は
台風が来ないねと 家のものと
話していたら

台風が来た


赤坂駅の 2番出口 に行かねばならない


ビルとビル の峡谷 に
方向不明の 突風が吹く

投げ捨てられた 傘が 冷たそうで
私のズボンも ひざ下まで 濡れてしまっている


今晩は レゲエライヴ らしく
私の下見 と入れ替わりに 

背のあまり高くない
ジャマイカ人らしき ラスタカラーの帽子の男


日本の 都会の片隅で

台風接近の 今宵
レゲエが 演奏される


地下鉄に乗り込んでくる 人たち は
みな ひざ下 が濡れていて
傘から 水が滴り落ち


車両のゆか は

魚市場 のようである


台風接近 の夜






































山門を移動す

ある秋晴れの日
禅寺の山門を移動する


200年前の山門を持ち上げる

今の位置より  前に据えなおす


軋む音が 柱と梁から 聞こえる


少しずつ ジャッキで 上げては
やぐらを組みなおし それを くりかえす


前日から はじめて 2日目
山門の柱は 2尺は上がった


大工が 柱を のこぎりで
切りそろえる

まだまだ美しい 柱の断面が 我々の
眼前に 現われた


私たちが設置した 沓石 の上に
柱が 再び設置される


少しずつ 少しずつ
我々の時代の 石の上に 柱が降りてくる


山門が 再び地に 落ち着いたとき
秋晴れの空は
すっかり 暮れて しまっていた



































すずめのなる木

桜ヶ丘駅の近く
ビル とバスターミナル の

Y字路に


大木がある


日が暮れ始める と
三々五々
大小 

スズメ編隊が

あちら 

こちらから
一日を終えて 帰ってきて



その日あったこと
新しい情報
を交換 している


まるで真夏の セミの大合唱 
まるで小学校の 休み時間 



大木を ゆらし
ビルの谷間に 
無数の 隙間のない
さえずり を 響き渡らせる



すぐとなりにも 木はあるが
その木にだけ 吸い寄せられるように
飛んできては



こずえ の 上で
急減速
それぞれ
枝葉 に むかって
バラバラ 
落下していく



もう いっぱいです
だめです 満員です


しかし
まだまだ

次から次へと
集まってくる


一本の木に
群がる すずめたちの
関係は 共通項は
などと 考えていたら


目のまえに
小さな ふん
が 落ちてきて



見上げれば
すずめ の すずなり



































鰯雲

地面が 深く掘られて
そこには 鉄筋の造形物


縦横無尽 に 張り巡らされた
巨大 ジャングルジム 


その上部を
足場板を 動かしながら 移動し

巨大ジャングルジム に複雑に絡み合った
鉄パイプ を 解体 しては 運び出す


パイプ同士が ぶつかり合う音が
足場板が 放り投げられる 音が


ジャングルジム と コンクリートの
谷間に 響き渡る


高さに 気がひきしまり
重さに 筋肉がひきしまる



このジャングルジムは 仏塔の基礎


塔頂部 には

高さ 10メートルの

千手観音像 が
蓮台に 迎えられる


枯れ始めた 禅寺の裏山 


墓石の列 を 目で追う


いわし雲 に つながり
そら に 放たれる






































































 

御返し

ヒトの 助力が
うれしいことに よく判ります


助け舟を
出してくれる


乗ります 乗ります
よろこんで


激励のことば もある


やります やります
よろこんで


お返しできれば 良い

オリジナルな お返し


まっててね まっててね
もうちょいね