「ピノ・ノワールと軽めの赤ワイン」「シャブリの等級比較&ボルドーの右岸左岸」 | bon repas 日記

bon repas 日記

料理好き、ワイン好きが高じて「料理研究家」の道へすすんだ私。



そんな私の日々の「bon repas(ボン・ルパ)=おいしくて楽しい食事」を綴ります。

4月は2グループの方に、平日の「ワインのクラス」をオーダーいただきました。
ありがとうございます!
…教室、料理教室は勿論、ワインも日本酒も、色々とリクエストに応じてアレンジします。
ご希望があればお気軽にお問合せください。
 
まず、一組目の方からは、「軽めの赤ワインと料理のマリアージュ」というテーマを
ご希望いただき、ピノ・ノワールと軽めの赤ワインの飲み比べをご用意しました。
ピノ・ノワールと間違うことも考えられるタイプの品種と、見分けのポイントを
お伝えした上で、ブラインドテイスティングからスタート。

ワインリスト

1.Rully Rouge 2019年/ Maison Joseph Drouhin

   産地:AOP コート・シャロネーズ リュリー ◆品種:PN100%

2.ZW No.1 2019年 / wabi-sabi 

   産地:オーストリア ◆品種:ツヴァイゲルト100% 

3.Pinot Noir The Pip 2018年/ Clendenen Family Vineyards         

   産地:アメリカ・カリフォルニア セントラル・コースト サンタマリアヴァレー ◆品種:PN100%

   オー・ボン・クリマのジム・クレンデネン氏がプライヴェートワイナリーで造り始めた新ブランド。

4.Etna Rosso 2019年/Le Vigne di Eli        

   産地:イタリア シチリア エトナ ◆品種:ネレッロ・マスカレーゼ98%ネレッロ・カップッチョ2%

5.Berlucchi 61 Franciacorta CUVÉE IMPERIALE DEMI SEC NV

   産地:イタリア ロンバルディア フランチャコルタ 品種:Chardonnay 90%、 Pinot Noir 10%

 
全ての品種に共通するのは、酸が高め、タンニンは優しめ…という点。
1.は明るく濃いめのルビー、ラズベリーや苺の香りが味わいにも余韻にも感じられ
ジューシーさとしっかりとした酸のバランスがよい。
2.は少しエッジに紫がある青みがかったルビー。ブルーベリー、スミレ、青っぽいシダ
のような香りに甘草や黒コショウのスパイスも。酸が強いけれど果実味も豊かで、余韻に旨味。
3.は、淡い色調のルビー、コンポートにしたラズベリーに、少しスモーキーな香り。
味わいに豊かな果実味と旨味の余韻が続く。
4.は赤みの強い明るいルビー。最初の香りは控えめながら、イチゴのコンポートに
ミネラルを感じる香り。溌剌とした酸に、軽く収斂性を感じるタンニン。
 
人気が高かったのは、3。客観評価が高かったのも3。という結果でした。
 
料理は、ワインに感じる、香りや味わい、旨味に合わせてご用意しました。
苺と12か月熟成プロシュートのカクテル、ヒラマサの炙りと桑名産筍のサラダ
カチャトーラ レンズ豆入りのパスタ添え、アーモンドミルクのブランマンジェ
5.のドゥミセック(ほんのり甘口)のフランチャコルタは、デザートと。
 
 
別の日は「Chablisの等級比較&ボルドーの右岸左岸」
男性を含む4名様グループで、初心者の方もいらっしゃたので、親しみのありそうな
産地から、特性をお伝えした上で白、赤を2種類ずつブラインドで比較していただくことに。
ワインリスト

1.Chablis 2018年/Domaine Denis Race

  産地:フランス ブルゴーニュ地方 シャブリ地区

2.Chablis Premier Cru Mont de Milieu 2018年/Domaine Denis Race

  産地:フランス ブルゴーニュ地方 シャブリ地区 1級畑モン・ド・リュー

3.Saint Estephe de Calon Segur 2017/ Chareau Calon Segur

  産地:ボルドー地方 メドック地区 AOCサンテステフ(左岸)

  ◆品種:(作付け比率)カベルネ・ソーヴィニヨン56%、Me35%、CF2%、プティ・ヴェルド 

4.Signature Label Saint Emillion 2018年/Jean Pierre Moueix

  産地:フランス ボルドー地方 AOCサンテミリオン(右岸) 品種:メルロー、カベルネ・フラン    

  醸造・熟成:ステンレスタンクで発酵、ステンレスとコンクリートのタンクで熟成。樽は使用しない。

 
1.2.のシャブリは、同じ造り手で、広域シャブリと1級(グランクリュ隣接のモン・ド・ミリュー)
を比較。どちらもグリーンがかったイエローの色調ながら、2.の方がやや濃いめ。
香りは、レモンなどの爽やかな柑橘系やスイカズラ、2.にはプラスしてミネラル感も。
味わいは、1.はフレッシュな、2.はジューシーな柑橘系で複雑さも。
好みは分かれるところでしたが、皆さん、1級は、しっかり見分けられていました。
 
ボルドーのワインは3.の左岸(カベルネ主体)4.の右岸(メルロー主体)の比較。
3.は赤みのある濃いルビー、香りはカシス、アメリカンチェリーに、黒コショウの
スパイス感と、スーッとした清涼感。豊かな酸味と濃い果実味のバランスがきれい。
4.は褐色がかった濃いルビー。チェリーのコンポートやカカオの香りに、少し鉄っぽさも。
柔らかい果実味とシルキーなタンニン、余韻にはカカオの香りと旨味。
好みは二分しましたが、客観評価は僅差で3.が高いという結果。
カロン。セギュールのサードワイン。3月にも別のクラスでお出ししましたが、
カロン・セギュールらしさも感じられ、若いうちから美味しく、リーズナブルに楽しめる
素敵なワインだと思います。
 
料理は、シャブリのミネラル感や、ボルドー品種に合わせてご用意しました。
サーモンとホタルイカと夏みかんのサラダ、鱈のポワレ 桑名の蛤とグリーンピースのソース
鶏もも肉のバスク風カチャトーラ レンズ豆のパスタ添え、アーモンドミルクのブランマンジェ
 
カチャトーラには、パンチェッタとパプリカ、ピマンデスペレットを加えて旨味濃く仕上げて
濃いめの赤ワインの旨味にも合うよう仕上げました。
 
ワインのクラス、慣れ親しんでいらっしゃるベテランの方にも、初心者の方にも、
ワインそれぞれの個性を捉えながら味わうところに面白さを感じていただけたらいいなぁと
思っています。