2017年10月に『噂の東京マガジン』が井の頭公園内の『太宰治と吉村昭の文学記念館』建設反対について放送しました。
太宰治も吉村昭も三鷹市に居を構えて執筆活動していました。
反対していたのは井の頭公園内で野鳥観察する愛好家のみなさん。
「漂鳥とか渡鳥は移動する時に目印となる場所を頼って来ていて動線がある。井の頭公園に大きな構造物を作ったら野鳥たちが道標を失って来なくなってしまう」という理由だったと思います。
テレビを観ていたら野鳥観察で知り合いになったみなさんが数十人くらい集まって山口良一が取材してしていました。
K山師匠が弁天橋を歩く後ろ姿も映っていました!😄
その後、文学記念館は予算の都合もあって中止になりました。
ふるさと納税で市の収入が減ったからとどこかに書いてあったと思います。
ところがXツイッターの投稿で今年の三月に『吉村昭書斎』だけ完成していたことを知りました。
場所は井の頭公園駅を降りて井の頭公園と反対の左方向へ歩いた閑静な住宅地。
当初、予定していた場所とは反対方向に離れた違う場所でした。
吉村昭の奥さん・津島節子から寄付された家を移転して改造したもので、なんというかプレハブのようなミニ施設でした。
玄関
入り口の共有スペース
涼しいです。
狭いですが吉村昭の著書が並んでいました。
この中で読んだことのある著作は以下。
・零式戦闘機
・戦艦武蔵
・深海の使者
・東京の戦争
・漂流
・大黒屋光太夫
・破船
・雪の花
・赤い人
・関東大震災
人物にまつわる歴史、戦時中の話、漂流話、医療に関する話、開拓に関する話、災害もの。。。
いろいろなエピソードを通じて当時のひとたちの気持ちが伝わって来るものばかりです。
最近読んだものでは『深海の使者』と『大黒屋光太夫』が深い余韻が残っています。
書斎
広い机と窓、いいですね。
資料
荒川区の『ゆいの森あらかわ』図書館の中にある『吉村昭記念文学館』では本は書棚にきれいに納められていますが、こちらは吉村昭が仕事をしていた時のイメージのようです。
吉村昭は荒川区日暮里の出身です。
展示物や解説も荒川区の方が圧倒的に多いです。
それにしてもあれだけの資料を集めて取材もしたりして、よくコツコツとあんなに本が書けたなと思います。
吉村昭の一日
大体一日の三分の一を執筆活動に充てていたのかな。
受験勉強の日々を思い出します。
館内案内図
吉村昭は江戸時代あたりから近代の日本を知るために最良の歴史小説家と思います。