スローウォーキング65「アップルパイ」 | メトロガイド「いい店見つけた」椎名勲の凡夫荘便り

ワイフが、巣鴨駅マンスリースイーツコーナーで、「孝太郎鎌倉本店」(鎌倉市坂ノ下18-22)のアップルパイを1ピース買ってきた。

カスタードクリームのアップルが、柔らかく・甘く甘く・煮詰めたリンゴに、カスタードクリームをたっぷり詰め込んで、パイ生地に閉じ込めたケーキのような、堂々たる高級アップルパイ。

(1ピースだけ買うところが、ぬるま湯ビンボーのわが家流ですゥ!)


フィリングの煮リンゴの量が、パイ生地とバランスを失うほどに、とてつもなく多い。


パイを食べている感覚、と言うより、

フィリングの甘い甘い煮リンゴだけを、ひたすら食べている感覚。


大福を食べている感覚、と言うより、

大福のまわりを包む餅皮がなくて、ひたすら巨大なアンコの塊を食べている感覚、の如し。

(大福の美味しさは、どこへ行った?)


たい焼きを食べている感覚、と言うより、

たい焼きの皮がなくて、ひたすら、たい焼きの中身のアンコだけを食べている感覚、の如し。

(たい焼きの美味しさは、どこへ行った?)


イギリスやドイツやアメリカの、都会や地方の、中流家庭で、お祖母さんやお母さんが、おやつ用に焼く、素朴ながら愛情溢れるアップルパイであるが、

鎌倉の菓子店で、日本的な・手のこんだ・繊細かつ贅沢なアレンジを加え、

素朴さとは縁遠い、美術品・芸術品の如き、高級アップルパイが出現した。


美味の追求か。

バランスか。


私どもを生かして下さるなにものかに、心から感謝します。