仏道とは体現なり | 路傍の如来   多々方聖道石     

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♡こよなき幸せの仏教♡人々を堅固な安らぎ.喜び.満足.幸福そして大悟へと導く.大乗.小乗.宗派.部派を超越した不偏なる頂乗仏教.目覚め.乗り越え.解き放て.[覚醒][超越][解放][鑑定][供養][浄霊]
JR山手線.上野駅不忍口前
辻立ち.托鉢.御相談 eメイルbongteng@live.com

仏道とは体現なり…


正法眼蔵に言われる如く.仏道を習うとは自分を習う事であり.自分を習うとは自分への捉われを忘るる事である…

自分への捉われを忘るる事とは一切の物事によって自己を明らしめる事であり.一切の物事によって自己を明らしめる事とは.自己の身心や他人の身心を自由の境地へと導き解き放つ事である.

【現代語訳】

縁起の教えに基づく実践を習得するとは.実は自己を習得する事なのである…

自己を習得するとは.自己を忘れる事である…

自己を忘れるとは.自己が自己ではない対象世界に由来する存在である事を修行で実証する事である…

その実証とは.正に自己と対象世界の二元的な存在様式を超越する事なのである…

この時.超越とはそれ自体が[悟った]と解るような認識ではない…

もし解るなら.それは概念的な認識であり.未だ超越しては居ないのだ…

概念的認識を.単に止めるのではなく.超越という次元へと超出して.自己と対象の存在の仕方を実証すべきである…


そして世俗者と出家者との違いは.言葉を遊び.物事を理解した気になって能書き.戯言.綺麗事を翫ぶだけの世俗者や評論家に非ずして.出家者とは口先に於いて単に知識の語る者でも.プロパガンダ宜しく世迷言や詭弁を労し.染脳したり認知バイアスを植え付け事でもなく.利得を宗とする俗世から離れて.実践と体現により真理を語り伝える者を言うのです…

この基本的な精神を見失い.口先では利他を謳いながら自利に努め励み.無一物の精神を謳いながら金財物に塗れ.世俗の如く暮らし出家者を名乗る.そんな者達を見て世人は思うだろう.口先では離欲を説きながら.利欲を追うが仏道なのかと…

仏陀.龍樹.道元も.さぞ然りとぞ嘆かんかな…

諸行無常.諸法無我.五蘊皆苦の真理に基づき.目覚め[覚醒].乗り越え[超越].解き放たれ[解放].涅槃寂静の境地に至り.知足常楽に在りて.無一物でも真の勝利を具現する…

修養とは.行き難きを行き.捨てがたきを捨ててゆく道であり.自己の人格や精神性を昇華させ.高見へと至る…

努力.精進.智慧(叡智).則ち仏道なり…

悦楽の中に智慧の悟りは顕現する…

◆無一物の内に.無尽蔵を識る

何もない無一物の中に.限りない沢山なものが詰まっている…

それを見つけ出せる人は無限の宝を得る事が出来るが.努力も工夫もしない人は何も見つけられない…


S.Pより…

色.形.音声.味わい.香り.触れられるもの.考えられるもの.好ましく.愛すべく.意に適うもの…

それらは.世人には[安楽]であると認められる…

また.それらが滅びる場合には.それを[苦しみ]であると認める…

自己を断滅する事が[安楽]であると.賢者は観る.

正見する人間の考えは.一切の世間人と正反対である…

世人が安楽であると称するものを賢者は苦しみであると知り.世人が苦しみであると称するものを賢者は安楽であると知る…

この解き難き真理を見よ…

無智なる凡愚は.ここに迷っているのだ…


生きるとは.生じつづけ.変化しつづける事…

この世に存在する一切は.縁起する生成.変化.消滅の過程もしくは結果である…

この変化生滅に捉われなくなって初めて.安寧が得られるのです…


堅固な幸せを得るは精神性の向上に如かず…

確かなものへの信仰があり.在家の生活を営む人であれ.出家者であれ[誠実.真理.堅固.自制.施与(利他).忍耐]という六種の徳があれば.その人は今世に於いても来世に至っても憂えることがない…
この世に[誠実.真理.堅固.自制.施与(利他).忍耐]よりも更に勝れたものはなし…
この世では確かなものへの信仰が人間の最上の富である…
徳行に篤いことは安楽をもたらす…
真実が味の中での最上の美味である…
智恵により生きるのが最高の生活である…
確かなものへの信仰により激流を渡り.精励により海を渡る.勤勉により苦しみを超え.智恵により清らかとなる…

◆菜根譚(自然な生き方)

仏教に言う[縁に任せる事].儒教に言う[本来の地位に満足する事].これらの言葉は世間と言う海を渡るのに欠かせない浮き袋である…

人生は果もなく.もし一つの物事に付いてでも完全な満足を求めようとするならば.ありとあらゆる欲望が一斉に燃え立つであろう…

だが.その時々の境遇に安んじている限り.どんな状況にあっても心を乱す事もない…


◆精神性による価値観(ステージ.法位)

渇望と存在欲に発する衝動による執着.愛着

①肉体的.物質的レベルの人

このレベルの人は物質主義的であり物事の獲得に価値を見出し物質的肉体的な安逸が主体的であると錯誤し.本質的には宗教や哲学でさえも物質的所有として[使えるもの]という認識でしかなく.それ以上の価値観を持ち得ません.ですからこのレベルの人達の関心は信仰によるご利益であったり御守護であったり恩寵や恩恵でしかなく.宗教(宗となる教え)や哲学には実は興味が余り持てなくて.物質的.肉体への価値判断が、精神的・存在的価値判断を上廻ってしまうのです…

②感覚.感情レベルの人

このレベルの人には繊細な人が多く.好き嫌い.快不快.美醜などという主観的な感覚によりものごとを判断します…

これらの人達は感情による自我を満足させる物事に価値観を見出し.感覚的な欲望を満たす事こそが主体的であると見出し.善悪.浄不浄などという倫理感を上廻ったりします…

妄想的.神秘的な信仰に興味を持ちやすく.儀式のない宗教には魅力を感じない傾向があります.

③知識レベルの人

このレベルの人は.知識欲が旺盛で知識や理論による理論武装で安心感を得ようとします…

自分の主観や概念に執着し.客観的な理解.認識.判断を避ける傾向があります…

所有の次元へと向かう感情に発する妄想が深まり易く.神秘的で迷信的な知識や思想に興味を示し[第三の目]とか[超能力]や[霊力]といった得体の知れない物事を求める傾向があり.高じてはパラノイア度を深めてゆく傾向があります…

読書や学習を通して知識は豊富ですが偏っていて余り活動的.実践的ではありません…

[所有の次元を目覚めた心眼で眺めるならば.俗世の金財.名声.地位.権力などが塵あくたの如く映り.存在の次元において真に光り輝く]理性的で客観的な理解.認識能力による高次元への進化…

④知的レベル(感性)の人

このレベルの人達は主に理屈や物事を客観的に観察し.理解.認識し発見してゆく事に関心があり.研究や開発などに価値観を見出します…その価値を所有の次元に置く時.大いなる発見や成果を得られない事による苦や悩みを生じますが.存在の次元に於いては観察し理解し確証を得る事が主体であり.結果としての発見や成果とは付随物(付き随がうもの)客体でしかなく.自己完結的なものなのです…

⑤叡智を伴う精神性レベルの人

このレベルの人達はカルマ(業)やサンカ-ラ(記憶の残滓)の浄化と存在としての価値観の向上に努め励みます…

[寛大であるのも.慈悲深く施すのも.生きている今しか出来ない事]

⑥超越精神性レベル(心の相転移)の人

このレベルの人達はある意味で霊性を具えて来ます(※不滅の霊魂とかではない)それは煩悩(存在欲)から解き放たれ.渇望(渇愛)の完全な消滅を果たし.五集合要素(五蘊)を制御し.渇望(渇愛)の再生存と再生成という軛(連鎖運動)を断滅した無我なる心的エネルギ-から顕現するのです…

[我れは我れにして我れにあらず.今あるは仮の姿]

人が完全へと向かう為には.注意深く客観的に啓発してゆかなければならない二つの資質があります…一つは慈しみであり.一つは叡智であり.慈しみとは慈愛.慈善.親切.寛容といった情緒的な気高い資質であり.叡智とは人間の知的な心の資質であるのです…

もし情緒的側面だけを発達させて知的側面を無視すれば.心やさしい愚か者と成りかねず、逆に知的側面だけを発達させ情緒的側面を無視すれば他人を考慮しない無情な知識人と成りかねない…

それ故に高い人の質(クオリティ).格(レベル).境地(ステ-ジ).度量(ラージ)を磨いて行くためには.情緒的側面である感情と知的側面である理性という両者を発達させて両極の中道に安定点を見い出せなければ.前向きで歓喜に満ちた平安な仏教的な生き方など達成する事など出来ないように.自らが向上してゆく為には叡智により自我を焼き尽くし無我な存在となる事と他者を慈しむ行為とは不可分に結びついた必須なものなのです…