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酸いも甘いも・・笑い飛ばしてきた
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癌闘病中の私の最愛の友だち。
酸素量を相当あげても苦しい状態に陥ってしまったようで
もうダメかもしれないと病院から連絡が来て
彼女の夫となった彼とお母さんと私の3人は駆けつけた。
今までの経緯はこちら☟
PCR検査の結果もそこそこに看護師さんが病室に入れてくれて
私は久しぶりに彼女と対面した。
病室に入ると
彼女は酸素マスクをつけて天井を見ながら
苦しそうに息をしていた。
私は初めて見た。
”呼吸ができない”状態がどういうものか。
背中を高めに起こしたベッドの上で仰向けで
酸素マスクをつけて両手をだらんと垂らしたまま
「あーあー」と3秒に１回ぐらい息を吐いていた。
まったく知らない彼女だった。
「もうねー、肺の辺りが癌だらけだからさ。
癌性リンパ管症もあるし間質性肺炎も起こしててトリプルパンチ。
胸水も溜まってて、心臓が押しつぶされて形が変わるぐらい
圧迫されてたから、そりゃ苦しかったでしょう！って言われたー」
数日前、そういうLINEが来てた。絵文字付きで。
肺が水浸しになっているようなものらしい。
「〇〇さんが今気をつけなきゃいけないのは肺炎ですって
主治医に言われてたんだよね。
肺炎になったら一発で歩けなくなって一気に弱ってしまいますって。
それだー😅」
それがどんな状態を意味するのか
私はまったくわかっていなかった。
私には想像もつかない苦しみ。想像を絶する苦しみ。
今、彼女を目の前にしても分かることはできないけれども
どれほどの状況に陥っていたのかはわかった
彼が彼女の方に近づいて行った。
〇〇子は朦朧としながら視線を動かした。
「お母さんが来たよ。
〇〇さんも。」
「あー・・・・・」
彼女は、びっくりしたような声を出した
「〇〇ちゃん、頑張ってる、頑張ってるね」
お母さんが彼女の手を握った。
「もう、何にも言わないんだからびっくりしちゃったわよ」
「あー・・・」
「〇〇さんも来てくれたよ」
旦那さんに呼ばれて促されて
彼女のそばに行った。
手が少し動いたので、彼女の手を握った。
すごく白くて手首はすごく細くなっていた。
「ありが・・・・」と彼女が言った。
彼女は私の顔を見ていたけれど
もう見えていないようにも思えた。
「本当にすごいお強いんですよ。
さっき私がトイレ行って帰ってきたら
ベッドの上に自分で座っていらっしゃって」
付き添いしてくれている理学療法士さんが言った。
とてもそんなことができる状態には思えない。
「強い体に産んでるから大丈夫よ」
「今まで何回も発作みたいなこともあったけど
乗り越えてきたから。
今回も絶対に大丈夫だよ。」
「・・・大丈夫。今日は軽い。
こんなの序の口。」
彼女が細い声でそう言った。
私は胸が押しつぶされそうになるのを感じながら
その場所に突っ立ってた
続きは次回。
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