50代女性
52歳からの生き直し。
とことん情けなかった話
看護師さんがベッドを少し離れるたび、
私はナースコールのボタンを探していた。
手を10センチ伸ばすのにも必死。
やっとつかめたら、
それだけで疲れ果ててぐったりする。
そんな
茹ですぎたほうれん草みたいになってた私は
忙しいのは分かっている。
でも、もう少し、ここにいてほしい。
と必死に
「一人にしないでほしいオーラ」を出しながら、
ベッドの上でモゾモゾしていました。
すると、看護師さんが戻ってきた。
「わたなべさん、歯を磨いてみます?」
は?
歯?
「気分がスッキリするかな、と思って」
確かに。
私は無類の歯磨き好き。
1日4回は磨くのが習慣だった。
しかし今は
ナースコールをつかむだけで
このありさまだ
シャカシャカ
歯なんか磨けるんだろうか。
「大丈夫ですよ。
お手伝いしますから♥️」
すごい。
看護師さんというのは
読心術のプロなのか。
しばらくすると、
歯磨きの道具を乗せたワゴンが、
ガタガタと運ばれてきた
「じゃあ、まずテーブルを出して。
歯ブラシと、鏡もいりますよね」
鏡。
その言葉に、胸がざわついた。
今、自分、どんなことになってるんだろう。
意識がなかった7日間。
その前後も合わせると
9日ぐらい自分の顔を見ていない。
「ベッド起こしますね」
ウィーン。
テーブルの鏡に、
少しずつ私の頭が映り始めた。
さらにウィーン。
おおっ
生え際が見えてきたぞ。
しかし、そこで止まりました。
「見えますか?」
いいえ。
身長154センチ。
しかもベッドの下へずり落ちて
生え際を見るのが限界。
看護師さんがテーブルを
ぐいっと引き寄せた。
鏡に顔が映った。
あっはっはっはーーーー🤣
吹き出したくなった
見たことのない人のようだった。
顔はむくんで、まんまる。
水色のガウンを着たアンパンマンだった
唇はガサガサで、鯛の鱗みたい。
口の周りには、
テープや白い糊のようなものが
ペラペラとぶら下がっている。
あごには、血の塊が点々と
こびりついて
なかなか、みすぼらしい。
でも、その顔は、
私を生かそうとしてくれた人たちの
奮闘の結果だった
ずっと、この汚い顔のままでいい。
そう思った。
血の塊も、テープも、糊も、
ずっとついてていい。
しばらく
その色々くっつけた
アンパンマンの顔を見ていると
「はい。どうぞ。持てますか?」
今度は、
歯ブラシとの格闘が始まった。
たった一本の歯ブラシを、
私は口まで運ぶことができるのか。
その長かった夜のことを、
note「100羽目の不死鳥」第12話に書きました。
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【note第12話】
50代の生き直し。とことん情けなかった
ここをタップ(下の画像からもいけます)
こんな個人的な話が読む方に伝わり
関心を持っていただけるのか
わかりませんが
勇気をもらえると
言ってくださる方が多いので
それを鵜呑みにして・・。笑
よろしければ、読んでいただけたら嬉しいです。
自分を信じて。楽しく生きてこ
えいえいおー💪
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