ブルゴーニュの産地:ジュヴレ=シャンベルタン村 | 吉祥寺 ワイン&レストラン ボナペティのブログ

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常時300種以上のワインをそろえた、シニアソムリエがいるレストランです。

毎月第3月曜日開催の「ボナペティ主催月例ワイン会」を担当しております岡部です。今回はフランス・ブルゴーニュのジュヴレ=シャンベルタン村をご紹介させて頂きます。

Gevrey-Chambertin

旧村名ジュヴレ=アン=モンターニュ村は、その村で一番有名な畑の名を村名の後に付け加えるという変更を初めて行うことにした村で、ジュヴレ=シャンベルタンという村名が1847年に誕生しました。村落はジブリアクムという名のローマ時代の集落が発展したもので、ブルゴーニュ地方で最も古くから葡萄畑があった土地です。(紀元1世紀まで遡る葡萄畑の遺跡が発掘されています)

ブルゴーニュ地方で、色が濃く、比較的抽出が強く、かなりオークの風味の強い赤ワインの中心が何処かといったら、ジュヴレが思い浮かびます。高い成熟度を得るため、いかに遅く摘むかという事に気を使う生産者が多いようですが、造り手それぞれ十人十色であるものの少なくともこの地のテロワールはこういった醸造の傾向と相性が良いようです。大まかな印象としては、堅牢なワインであり、気温が低くなる季節に飲みたいワインで、プルミエやグラン・クリュ畑によるものは素晴らしい品が備わりますが、それでもしっかりとした男性的な印象のあるワインです。

この村の栽培地はラヴォーの谷からの広がりと南北の斜面に発達しているため、それぞれ3つの異なる区域として分けられます。北のサン・ジャックの丘陵、南のグラン・クリュの丘陵、そして中央部の扇状地の崩積層です。北部の丘陵は軽く痩せたレンジナ土が見られ、より粘土質の土壌と組み合わさって、クロ・サン=ジャックに典型的な花の香りに果実とスパイスが合わさったようなアロマをまとった複雑で優雅なワインが生まれます。南部の丘陵では、わずかにレンジナ土に覆われたカロビアン階のあまり硬質でない石灰岩が露出しています。畑の上部ではバトニアン階の基盤上で、その下がバジョシアン階の泥灰土、そしてバジョシアン階下部のウミユリ石灰岩上の土壌となっています。中央の扇状地は、泥土と何千年ものあいだに運ばれてきた黄土と種々の成分で構成され、力強く肉付きの良いワインの生産に適したテロワールを形成しています。

グラン・クリュに格付けされた区域が、特に斜面下部で少しばかり広すぎたかもしれないというのは、今も議論のタネとなっています。実際、マゾワイエールやシャルム・シャンベルタンはグラン・クリュに格付けされているものの、1級畑のクロ・サン=ジャックほどの高みに至るのは稀な事といわれます。シャンベルタンとクロ・ド・ベーズが文句なしでグラン・クリュの地位に値するだけの完璧性を備えているのは明らかですが、ラトリシエールは夏が暑くなければならず、リュショット、シャペル、グリオットについてはいずれも表土がほとんど無いため、雨が少ない年には苦戦します。ただしどの畑も、優れた造り手と好ましいヴィンテージの2つが揃えば、崇高なワインを生む事が出来ます。

どうぞ9月の月例ワイン会(第3月曜)をご期待下さい。