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マニュアル課 翻訳室

フリーランスで翻訳と翻訳レビューをやっています。
以前はマニュアルのテクニカルライティングもやっていましたが、今では翻訳専業です。

今、UI 翻訳をやっています。

「UI」とは、「ユーザー インターフェース」の略です。

画面に表示される項目やメッセージなどが含まれる翻訳です。


かなり疲れました。

UIの翻訳はあまり好きではありません。


翻訳対象の用語や文が、何の脈略もなく出現します。

つまり、前後の文脈がわからないんです。

これは、翻訳者にとってつらいことです。


英語のままにするか、日本語に訳すか、それさえも判断に迷うことがあります。

資料として、英語版のドキュメントや画面イメージなどがあれば助かります。

でも、何もないことがあります。実際のソフトが提供されることなどほとんどありません。


そういうときは、そのソースクライアントのことを調べまくります。

そうすると、少しだけ糸口が見つかることがあります。


でもどうしても調べがつかないものもあります。

最後の手段で、クエリに記載しました!

あまりクエリが多いと、すごーく嫌がられますので、気を付けています。


今回の納期は3日くらい前倒しできそうです。グッド!

翻訳の仕事には波があります。


忙しいときは、食事の暇もないほど。

こういうときは、複数の会社から依頼が重なることもよくあります。


逆に何もないときは、ほんとに何もありません。

こういうときは、どこの会社からも声がかかりません。


うまくいかないものです。

A社の仕事が途切れたら、B社の仕事の依頼が来る、というのが理想です。


今月は、体調を崩したこともあり、あまり稼げないまま、ひと月が過ぎようとしています。

新入社員の初任給どころか、大学生のバイト代程度にしかならないかもしれません。


フリーランスは、こういうことに耐えられないと、精神を病んでしまいかねません。


自分の場合は、ライターの仕事もしているので、積極的に営業すればライティングの仕事を頂けるかもしれません。でも、ライティングの仕事は常駐が多いので、翻訳の仕事をセーブしなければならなくなります。それで、今はライティングの仕事はお断りしています。ただ、生活のことを考えると、一度、ライティングの世界に戻ったほうが良いかも、と悩んでいます。


収入の波が激しいにも関わらず、翻訳の仕事を在宅で続けられているのは、家族の理解あってこそです。本当に感謝すべきです。


今までの経験上、仕事は人の縁で成り立っていると思っています。

何事もうまくいっているときは、積極的に人とかかわっていた気がします。

決して家に閉じこもってばかりではありませんでした。


一緒に企画を考えたり、無料でサンプルを作ったり、

人に喜んでもらうことを優先していました。

今の自分に足りないのは、この点かな、と感じています。

ここ何日か体調を崩していました。

高熱で仕事ができる状態ではなく、せっかくのお仕事もお断りしました。

また、少し良くなってきたので受けた仕事も、苦しくて、時折休みながらという調子。

普段であればなんともないことができないのです。


元気なときには気づかないことだけど、

普通に仕事するのは大変なことなんですね。


たとえば、翻訳やライターという仕事をしている自分の場合、

手をけがしただけでも仕事ができなくなる可能性があります。


そんな偶然の幸運に支えられているのですね。

フリーランスであるため、休んだらもちろんお金は入ってきません。


それでも何とか家族を養っていけるだけの仕事を頂いているのは、

幸運以外の何物でもありません。


最近、少々、思い上がっていたかもしれません。

自分の能力を過信し、大事なことを忘れていたような気がします。

一つ一つの仕事を大事にして、100%の力を出していきたいです。

Style (スタイル)


スタイルガイドに準拠しているか (Style Guide)


IT翻訳ではほとんどの場合、スタイルガイドが提供されます。

提供されない場合は、MSのスタイルガイドに準拠するよう指示されることもあります。


スタイルガイドには、とても細かい規則が書いてあります。

しかも、クライアントごとに基準が異なるため、注意が必要です。

特にスペースの有無などはクライアントによって異なります。

さて、どんなことが書いてあるのでしょうか。


・ 半角と全角の間にスペースを入れるかどうか

・ UI文字列を囲むときにどの記号を使うか([]、「」など)

・ かっこは全角と半角のどちらにするか

・ カタカナ複合語をどのように表記するか(間のスペース有無、中黒を使用するかなど)


これらは、ほんの一部です。実際には、もっとたくさんのことが書かれています。

たとえば、助動詞(should、may、mustなど)や関係代名詞の訳し方まで規定してあるものもあります。「訳し方まで指定するのかよ」と怒りたくなる方もいるかもしれませんが、そこは仕事です。お客様の求めるものを納めようではありませんか。翻訳物もれっきとした「商品」です。


クライアントによっては、150ページ以上に及ぶスタイルガイドを用意しています(しかも英語で)。

私の経験でも、次の日が納期の案件なのに、100ページ以上あるスタイルガイドが提供され、うんざりしたことが何度もあります。

最初のうちは、「これを読む時間は、お金もらえないの?」などとぼやくことも多々ありましたが、もうすっかり慣れてしまいました。

隅から隅まで熟読するのではなく、ポイントを押さえて読むと効率的です。


ただし、読む価値あると思います。企業ごとの製品に対する考え方などがくみ取れます。

トライアルを受ける方にとっても、かなり勉強になるのではと思います。MSのスタイルガイドは一般の人でも入手できるので、目を通しておくことををお勧めします。


スタイルガイドへの準拠は、ほとんどのクライアントで重視しています。つまり、スタイルガイドに準拠していないことがわかると、「スタイルガイド違反」として間違いなく減点の対象となります。

Terminology (用語)


文書内の用語は不統一になっていないか (Inconsistency)


同じ物を指す言葉は統一する必要があります。特に専門用語は不一致にならないように注意します。昔、学校のビジネス英語の授業では、英語は繰り返しを嫌うと習ったことがあります。つまり、用語の繰り返しを避け、別の言葉で同じことを言いかえるのが良いということでした。ですが、IT翻訳の現場ではこれとは正反対のことが重要視されています。


同じものを指す場合は、同じ用語 (特に名詞) を使い、文書内で統一する必要があります。これは、読者 (ユーザー) を混乱させないための配慮と思われます。


裏を返せば、原文で別の単語が使われていたとしても、それらが実は同じものを指していることがあります。このような場合、同じ言葉で訳す必要があります。


用語集に違反していないか (Glossary)


訳文の用語は、クライアントから支給された用語集に合わせます。ただ、用語集内でも用語の不統一があったり、変だなと思う用語もあります。このような場合はクエリで報告します。


クライアントの用語集の作成をお手伝いしたこともありますが、業界で使われている用語に熟知していない翻訳者のためにも、チェックする側のためにも必要不可欠なものと言えるでしょう。実際、用語集のない案件では、用語を調べるだけで大変です。


翻訳してはいけない用語を訳していないか (Translatability)


IT翻訳では、「訳さない」用語があります。このような用語は、英語のままにしておく必要があります。たとえば、サードパーティの製品や、人名などがあります。また、UI (ユーザー インターフェース) がローカライズされないケース (つまり、英語のUIを使用) もあります。このような場合は、クライアント提供のスタイルガイドや指示書などに、指示が記載されていることがよくあります。


翻訳開始前には、このような指示を見落とさないように頭に入れておく必要があります。重要なことは、クライアントの指示がある場合は、その指示を絶対に守ることです。たとえわからなくても、自己判断はいけません。判断がつかない場合は、クエリで報告します。