国立社会保障・人口問題研究所は30日、2060年までの将来推計人口を公表した。48年に日本の総人口が1億人を割り、60年には8674万人まで減る見通し。一方、女性が生涯に産む子どもの数(合計特殊出生率)の50年後の見通しは1.35で、06年の前回推計の1.26から上方修正した。ただ、少子高齢化や厳しい人口減が続く傾向は変わっていない。

 人口推計の土台となる出生率は、10年時点で1.39。今後は低下基調で、20年代前半に1.33程度になるものの、その後は安定し、60年まで1.35前後で推移するとみている。

 今回、出生率の見通しを上方修正したのは、この数年の出生率の回復を反映したため。55年までを推計した前回は、2000年代前半の出生率の落ち込みを、出産意欲を持たない女性の増加ととらえ、その基調が続くとみていた。しかしその後、30歳代半ば以降の「駆け込み出産」傾向がわかり、こうした女性は意欲を失ったのではなく、厳しい雇用・経済情勢のため先延ばししていただけだったとの見方に修正した。
 千葉県の人口が昨年、1920年の統計開始以来初めて減少することがわかった。東京、神奈川、埼玉を含めた1都3県の東京圏の人口はこれまで増加基調が続いてきたが、先陣を切って人口減時代に入る。

 千葉県の毎月常住人口調査によると昨年12月1日は620万9303人で、年始から7724人減った。年末に大きく増える要因はなく減少は確実。今年1月末発表の調査月報で確定する。県は2010年に作った長期計画で17年までは人口増を続けると予測していたが、7年早くなった。

 引き金は、東京に近く、県全体の人口増を引っ張った柏、松戸市など常磐線沿線の東葛飾地域や、市川、浦安市など東京湾沿いの京葉地域の変化だ。一昨年は両地域の計12市で計2万8468人増えたが、昨年は12月までの時点で543人増に縮んだ。

 東日本大震災で浦安市は液状化で大きな被害を受けた。東葛6市は放射線量が高い「ホットスポット」とされ、ともに県外からの入り込み人口は激減した。銚子市など過疎化が進む房総半島南部や東部と合わせると、減少になる形だ。

 長期的な人口構造の変化もある。高齢化に伴い増えつつあった死亡数が昨年10月時点で出生数を逆転し、「自然減」に突入した。

 専門家は、地方から東京圏への転入による社会増もリーマン・ショック以降は縮小していくとみている。

 人口減について県は「一時的か長期的なものかは判断できない」との見解。だが県幹部は「ホットスポットや液状化の問題は早急には解決しないかもしれず、回復は厳しい」と認める。

 東京圏の人口は地価高騰が収束した1995年以降、一貫して伸びた。昨年も千葉以外は増加見通しだが、1都2県のいずれも10年代後半か20年ごろから減少に転じると予測する。埼玉県は全国一の速度での高齢化の進展を踏まえ「10年代後半がピーク」。神奈川県も県西部で人口減が既に始まり、「20年からは減少」と予測。東京都も20年ごろをピークとみている。

 昨年10月時点で1年前と比較すると、1都3県でも都心から離れた郊外部を中心に人口減の市町村が広がる。120市のうち57市、69町村中54町村で人口が減少。都心のほか、横浜、川崎、さいたま市など大都市部の増加で支える構図だ。

 2011年の国内の死亡者数は出生数を20万4千人上回り、人口が自然減に転じた05年以降で最大の減少幅になったとみられる。厚生労働省が31日に人口動態の推計結果を公表した。自然減は07年から5年連続。少子高齢化に加え、東日本大震災の影響もあった。

 11年の推定出生数は、15~49歳の女性人口が減る傾向にあることから、前年より1万4千人少ない105万7千人。死亡者数は、高齢化のほか震災の影響もあり、6万4千人多い126万1千人とみられる。出生数は統計を取り始めた1899年以降(統計がない1944~46年を除く)で最少となる。

 婚姻件数は前年より3万組少ない67万組。離婚件数は1万6千組少ない23万5千組とみられる。