金色羅皇はタネの少ない品種のスイカだと聞いていたのに、

 

普通にタネがあった。

 

それなりに沢山あった。

 

何故だ。

 

まあ、素晴らしく甘かったから、別にいいけどね。

*****

 

これまでのいきさつ:

 

我が家にトコジラミがいる。

 

対策はしたが、たぶんまだ残党がいる。

 

完全撲滅に向け、トトリ、日々奮闘中。

 

*****


 

 

 

わたしが「トコジラミらしき虫」を初めて見かけたこの時と↓


 

二度目に見かけたこの時↓


 

これらの間に、実は一度、不穏なものを目撃している。

 

わたしが目撃したソレは、「スイカのタネだったと信じたいけど、スイカのタネではなかったかもしれない」ものだ。

 

「あれはスイカのタネだった!」と信じたくてブログには書いていなかったけれどーー

 

もう自分を騙しきれない。

 

やはりあれはスイカのタネではなかったような気がする。

 

 

 

 

その時、わたしはソファの下を掃除しようと思って、重いソファを押してずらしたところだった。

 

するとソファの下に、何か黒っぽいような茶色っぽいようなものが見えた。

 

小さな、黒と茶のまだらっぽいものだ。

 

一瞬、

 

「トコジラミ!?」

 

と思ったけれど、少し顔を近づけて見たところ、それはスイカのタネだった。

 

「あー、びっくりした」

 

そう思ってティッシュでつまんでゴミ箱に捨てた。

 

 

 

 

数日後、ネットでトコジラミのことを調べていたら、トコジラミのことを「スイカの種のような虫」と形容している書き込みが目に入った。

 

ギクリとした。

 

スイカの種……?

 

 

それまで何度もトコジラミの写真を見たことはあったけれど、わたしはそれを「スイカの種みたい」と思ったことは一度もなかった。

 

だけどそう言われて改めて見てみると、写真によってはスイカの種っぽく見えなくもない。

 

……いや、待てよ。

 

わたしはメガネをはずしてみた。

 

「!」

 

メガネをはずして少し離れて写真を見たら、足や頭部がよく見えなくて、確かに(横線はあるものの)スイカのタネに見えた。

 

 

 

 

「え……」

 

背筋がゾワリとした。

 

わたし、ソファをずらして掃除していたあの時も、


メガネをかけていなかったのだ

 


もしかして……

 

スイカのタネだと思ったあれは、もしかして……





いや、でも、動いてなかったし。

 

もしあれがトコジラミだったとしても、死んでたよね!

 

生きてたら、いきなりソファを動かされたら逃げるに決まってる。

 

うん、仮にトコジラミだったとしても、あれは死んでいた。

 




そう思ったけれど、その後の検索で恐ろしいことを知った。

 

トコジラミは危機的状況になったとき、


「死んだふり」


をすることがあるらしい。


まさかそんな技まで使うとは!

 


え、じゃあ、もしかして、あれは死んだふりをした生きてるトコジラミだったのかも……?

 

 

 

 

わたしが「あれはスイカのタネではなかったのかも」と不安に思うのには、他にも理由があった。

 

確かにわたしはソファ脇のサイドテーブルでスイカを食べたことは何度もある。

 

しかし、ソファの下でソレを発見したとき、季節は冬だったのだ。

 

夏が終わって以来、スイカは食べていない。

 

そして、わたしは夏が終わった以降も定期的にソファをずらしてソファ下を掃除していたのだから、

 

考えてみたら冬にスイカのタネが落ちているわけがないのだった。

 

(掃除している時はこの事実を思いつかなかった)

 

 

 

 

夫は「夏に落としたスイカのタネがソファの脚に引っかかってたんじゃないの? 今回たまたまそれが出てきただけで」と言っていたけど……

 

実は、もっと大きな「不安要素」もあった。

 

 

色が真っ黒でなかったことについては、「スイカの未成熟のタネは茶色っぽかったりするよね」と思えるけど、それよりもわたしはあのとき、確かにこう思ったのである。

 

「なんか横線が入ってるなぁ。奇形のタネなのかな」

 

 

 

 

わたしは足の親指の爪に、少し横線が入っている。

 

爪に横線ができる原因はストレスらしい。

 

だから、まあ、奇形なのかスイカがストレスを感じたのか知らないけれど、横線が入ることくらいあるのだろうと、深く考えなかった。


わたしの爪みたいなものだろう、と。

 


だけど、あとから思った。

 

横線の入ったスイカのタネなんて、過去に一度たりとも見たことがないじゃない!

 

 

 

 

横線の入ったスイカのタネのようなもの……

 

やはりあれはトコジラミだったのではないだろうか。

 

 

のちに、何度も何度も後悔した。

 

だって、もしあれが我が家に侵入した最初の一匹のメスだったら。

 

あのときあれを駆除していたらその後の繁殖は起こらなかったかもしれないのに、と。


軽くつまんでゴミ箱に捨てただけだから、這い出してきて繁殖を始めたのかもしれない、と。

 

 

 

 

クヨクヨと思い悩むわたしに、夫は言ってくれた。

 

 

「いやいや、それはきっと本当にスイカのタネだったんだよ」

 

 

真相は確かめようがないので、もうあれは夫の言うとおりスイカのタネだったのだと思うことにした。

 

でも……

 

こうして振り返ってみれば、やっぱりあれは多分……

 

ねぇ……

 

 

 

 

ところで、金色羅皇のタネは赤茶色っぽい。

 

まさしくトコジラミカラーなので、うっかり床に落とさないように気をつけようと思う。

 

見つけたとき、ビクっとしてしまうだろうからね。

 

 

 

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