我が家のLDKには、窓が五つある。
掃き出し窓が二つ、腰高窓が一つ、出窓が一つ。
それから、キッチン横の小窓。
お気に入りのカーテンを(トコジラミの隠れ場所を少なくする目的で)捨てて、白いレースのカーテンのみになったそれらの窓辺は、とても寒々しく見えた。(当時は12月下旬)
ある日、何気なく掃き出し窓のレースのカーテンのヒダの部分に目を向けると、レースの地模様の隙間から、何か黒っぽいものが見えた。
椅子を持ってきて乗り、その部分に手をかけ、顔を近づける。
地模様の隙間は小さくて、全貌は見えない。
ただ、白いレース素材なので、黒っぽい何かがあることだけは分かった。
「ゴミ……? でも、こんなところにゴミなんて入る……?」
そう思った、次の瞬間。
わたしはのけぞって、椅子から転げ落ちそうになった。
「これ、トコジラミじゃないのー!?」
トコジラミハ、カーテンノ、ヒダ二ヒソム。
まさに、聞いていた習性どおりだ。