一瞬で。

〇〇するだけで。

誰でもできる。

必ず〇〇。

〇〇秒で解消。

 

 

 

これらの表現は身体に関する発信で近年のトレンドの一つです。

 

 

 

もちろん、書籍やWebでの発信だからいろんな裏事情があるでしょう。

マーケティング的にこれらの表現が”ウケがいい”のも理解できます。

 

 

 

しかし、二つの観点から僕はこのような「身体の変化」に関する表現がどんどん簡単さの強調傾向があることに違和感を持っています。

 

 

 

一つは時間と効果の側面。

結論から言うと、人間の身体はそんなに簡単に変わりません。

誰でもそんなことわかってる上での表現だろ、とは思ってはいたものの、もしかしたらそうでもないのかも、と。。

 

 

 

まず、冒頭の表現の対象となる人は、多くの場合、ダイエット目的または肩こりや腰痛・膝痛などだと思います。

 

 

 

人間の身体がそんなに簡単には変わらない理由。

いわゆるダイエットは簡単にわかりますね。

日々の摂取カロリーと運動量の関係です。

これが逆転しないとまず成功しません。

しかも一定以上の期間、です。

だからちょっとここでは横に置いておいて、、。

 

 

 

問題は肩こりや腰痛など向けの表現。

確かにいくつかの方法を使えば「その場では」急に楽になったりすることは可能です。

しかし多くの場合、その場限りの変化、になってしまうことが多く、ものによっては数分後には元に戻ることだってあります。

 

 

 

これらが意味することは、根本的な原因の存在。

コリや痛みは表面にでている信号で、その根っこにはもっと複雑な要因がある可能性を示唆しています。

肩こりの原因が股関節にあることだって頻繁にあるのです。

 

 

 

それら複数の要因のうち、かなり重要になるのが「動き」

重力がかかる中で生活をする上で行われる動きです。

多くの腰痛や肩こりは、動かなければ起こりません。

*寝ているだけでも起こるやんって思うかもしれませんが、これらは原因が違います。

 

 

 

動いている中でコリや痛みが起こるのだとしたら、改善するためには動きが変わらなければなりません。

人間の動きには専門的にはパターンと呼ばれるものが大きく関与しています。

簡単に言うと「クセ」です。

どちらかの脚に体重をかけがち、気付いたらいつも頭が前に出ている、着替える時は必ず同じ側の腕から、など人には必ずクセがあります。

 

 

 

身体の問題を改善するには、このパターンを変える必要があります。

パターンの変化とは動きの変化であり、脳の変化です。

▶︎アスリートが地味トレを本気でやる唯一の理由

 

 

 

 

様々な専門的な情報はできるだけ省略して簡単な構図にしていますが、これらの理由から読み取れるのは、人間の身体はそんなにすぐには変わらないということ。

クセを修正するのには、動きの変化を起こすのには、時間がかかる。

だからすぐに変わったものは、すぐに元に戻ります。

*トレーニングの3原理5原則より

 

そんなにすぐに変わったら、世の中から肩こりや腰痛はもうなくなっていてもいい頃です。

 

 

 

『身体の変化には時間がかかるし、難しいから腹を括ってください。数ヶ月は続けないとすぐに元に戻りまっせ。』

って表現すると本は売れないのでしょうけれど。。

 

 

 

***

 

 

 

本題はもう一つの理由の方。

 

 

 

冒頭のような表現は、主に身体の専門家側が使っていると推察されます。

まさかそれで本当に問題が解決できるとは思っておられないと思いますが、、そのような表現を使うことで生じる影響について考えるべきではなかろうか。

 

 

 

その表現でウケればその表現はどんどん増える。

”本当に”そんなに簡単に身体が変わるのであれば、社会にとってその専門家が不要になっていく。

誰もが身体を変えるのは簡単だ、と考えるようになった先には何があるのだろうか。

 

 

 

その結果、身体に関する専門家たちの存在意義が薄れていくとは思わないのか。

その結果、身体に関する文化そのものが浅くなるとは思わないのか。

 

 

 

専門家という立場で、何かを表現する、何かに出演する、何かを出版するという行為には、本人が意図するしないに関わらず、その業界を代表するという見られ方をします。

つまりその発信者を通してその業界が評価されるということ。

 

*だから専門家という立場の多くの方は自分の発信には細心の注意を払いますし、もし誤っていたことがわかった場合、必ず誠意を持った対処をします。

 

 

 

専門家として発信することそのものは自由だけれど、それには責任が伴うことは忘れてはならない。

自省を込めて。。

 

 

 

***

 

 

 

膨大な情報量、膨大な積み上げ、それらがクロスオーバーする、さらにそれらが階層的に構造を生み出して複雑化かつ洗練されているのが高度な文化ではないでしょうか。

決して「こうなればこう」みたいな1対1の関係を並べ立てるようなものではないはず。

*もちろん文化(や技術)は成熟すればするほど洗練されてシンプルになるという側面もあるが。

 

 

 

いろんな解釈があるだろうけれど僕はそのように思っています。

僕は身体に関するあらゆる一般的な基準をもっと高くしていきたいし、身体を通して文化としてのレベルを高めていきたい。

身体に対するリスペクトを高めたい、と言ってもいいかもしれない。

 

 

 

 

みんなが簡単に、手っ取り早く、短期間に成果を得られることを求め出した先に文化は見えない。

難しいことを、面倒だって考える人が多くなった集団の先にあるものは”簡単に”想像がつくはずです。

 

 

 

 

『身体の変化には時間がかかるし、難しいから腹を括ってください。数ヶ月続けないとすぐに元に戻りまっせ。』

 

 

 

 

 

 

 

お読みいただきありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

全てはパフォーマンスアップのために。

 

 

 

 

 

中野 崇

 

 

 

 

追伸

この傾向は身体に関することだけではなく、料理などいろんな業界で見られるようになりました。

日本全体がとにかく簡単、手っ取り早く、すぐに成果を求めるようになっているんじゃなかろうか。

時間がない、忙しくなっているのか。。

いや深読みすると、思考するのが面倒になっているのかもしれない。思考する環境が失われているのかもしれない。

いずれにせよ思考には気力が必要です。

気力には身体の状態が良いことが必要です。

 

 

▶︎JARTAのトレーニング指導をご希望の方は下記から。

http://jarta.jp/dispatch/

スポーツと気力は深い関係あり。

身体の状態を良くしていきましょう。

 

 

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身体操作の根幹部分のトレーニング。

パフォーマンス向上はもちろん、テクニックの習得速度が上がります。

 

 

 

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