こんにちは。

スポーツトレーナー協会JARTA代表の中野崇です。

 

 

 

「考えろ」という言葉。

 

 

 

スポーツや勉強など、何らかの指導をされている方でしたら一度は使ったことがありますよね。

 

 

 

「自分で考えてみましょう」

「考えながらやれ」

「考えてプレーしろ」

 

 

 

あと同じような意味として「頭を使え」、もありますね。

 

 

 

当たり前に使われている、この「考える」という言葉ですが、実はとても難しい行為。

理由はたくさんありますが、例えば「考える」には大きく分けて2つの種類があるからです。

 

 

 

1つは計算など、問題を提示されてそれを解くための「考える」。

 

 

 

もう1つは、問題を見つける行為、もっと言うと「何を考えるのかを考える」こと。

 

 

 

問題を解くための「考える」は、僕らが学校教育でひたすら訓練された思考様式。

計算など、知識や法則に照らし合わせて答えを選択したり導いたりします。

大半の「考えろ」にはこれで対応可能かもしれません。

 

 

 

後者は、前提条件を元に、「何を考えるべきかを考える」こと。

リスクを想定し、それを回避や対処する戦略を立てたりするときに必要です。

問題提起できる能力や想定能力と言い換えることができます。

発想という見方もできると思います。

 

 

 

この2つは、もちろんどちらかにすっぱり分類できるわけではなく、状況に応じてアナログ的に混ざり合って存在します。

 

 

 

だから両方必要なのは確かです。

なので、学校教育で前者の「考える」を訓練することは、もちろん非常に重要なことです。

 

 

 

ただし学校では提示された問題をクリアする構図が大半であるため、2つ目の考える能力はあんまり訓練されていません。(もちろん学校教育が全ての原因ではありませんが)

*文化祭などの運営は2つ目の「考える」を鍛える良い機会だと思います。

 

 

 

結果として一般的には誰かに提示された問題や課題を解くこと、解こうとすることは当たり前の思考となっています。

だから反射的に問題を解く、クリアすることに目が行き、問題や課題そのものの問題点には目がいかないことが多い。

 

 

 

トレーニングに置き換えれば、「このバーベルを100kg挙げられるかどうか?」

に目を奪われやすく、「この100kgのバーベルを挙げるトレーニングをすべきかどうか」「どのように挙げるべきか」を考える観点が少ない傾向になりやすいのです。

 

 

 

自分が「何をすべきか」を考える。

「何を考えるべきか」を考える。

 

 

 

思いつかないならば、思いつくためには何が足りないのかを考えるという思考回路とそれに伴った行動。

そしてまた問題提起。

これが目的の達成に必要な「考える」ではなかろうか。

 

 

 

実際、トップアスリートは課題を見つけ続ける達人です。

「伸びシロの見つけ方」

 

 

 

 

「考えろ!」

 

 

 

コーチや監督に「考えろ!」って言われたら、まずは何を考えるべきかを考えてみましょう。

正解を導き出すべきなのか、それとも自分の意見を導き出すべきなのかを考えましょう。

 

 

 

選手に「考えろ!」って言うときは、何を考えるべきかをできるだけ具体的に考えた上で要求してあげてほしいです。

そして大前提として大半の現実的な問題に唯一の正解は存在しないことも。

それが「考えろと言う側」の責任だと僕は思います。

 

 

 

僕らは、学校教育や社会の価値観を通して、「正解か間違いか」を考えてしまいがちです。

 

 

 

けれど本当は計算問題みたいな唯一の正解なんてないし、正解と思っても「その人やそのケースにとって正解」というだけで、他の人や他のケースには当てはまらない正解なんてざらにある。

 

 

 

全員にとって「正しいトレーニング」なんてないし、全員にとって正しい答えもない。

 

 

 

1年前の自分にとっては正解でも、今日の自分にとっては全然当てはまらないことなんて山盛りです。

今はこれが正しいと思っていても、新たな知識や経験を経て、「もっと正しいものがあった」ってなることなんてもっと山盛りあります。

正しい、は前提条件の変化によって変化しますから。

*ちなみに多数のケースに当てはまる正解は、法則と呼ばれて重宝されます。

 

 

 

 

ただ、ちょっとややこしいですが「唯一の正解がないことを心底理解しつつ、誰にでも当てはまる正解(つまり法則)を探し続ける姿勢」はとても重要だと考えます。

 

 

 

上記にもリンクした「伸びシロの伸ばし方」の記事をぜひ読んでいただきたいのですが、目指す形がないと方向性・ベクトルが生まれません。

 

 

 

方向性がないと、問題提起そのものが意味を成しません。

というかそうでないと問題や課題を見つけるのは難しい。

批判のための批判ってやつになってしまいます。

 

 

 

2つ目の「考える」は、とても大変かもしれません。

ひたすら考え続けなければならないからです。

何を考えるべきかに正解はないからです。

 

 

 

多くの人は、必要性を感じつつも、やりません。

けれど、僕にはだからこそやる価値があると思えます。

 

 

 

与えられた問題を解くよりも、問題や課題を見つけた上でクリアしていくのが進化のコツじゃないかな。

 

 

 

 

 

お読みいただき、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

全てはパフォーマンスアップのために。

 

 

 

 

 

 

中野 崇

 

 

 

 

 

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