こんにちは。

スポーツトレーナー協会JARTA代表の中野崇です。

 

 

 

スポーツ選手は、「昨日の自分より少しでも上達できるために」日々トレーニングに励んでいます。

 

昨日より少しでもうまくなれると信じているから、きつい練習を続けます。

 

 

 

いわゆる「伸びシロ」を自分自身に感じているから、彼らはどんなにきついトレーニングでも向き合うことができています。

 

 

 

トレーナーの立場としては、常にこの伸びシロを見出し、その伸びシロを選手に感じさせる必要がありますし、選手は自分自身に伸びシロを見つけ続ける必要があります。

 

 

 

今回は、その伸びシロを見つけるコツというか、僕の考えをご紹介します。

 

 

 

そもそも伸びシロとは、一体なんでしょうか?

 

 

 

いろんな考え方がありますが、僕は「自分が描く理想的なレベルとのギャップ」と考えています。

 

「もっと速く走れる」「もっとパワーが出せる」「もっと速いボールが投げられる」これらは必ず、今よりもレベルアップした状態をイメージできるからこそ言えることです。

 

 

 

レベルアップした状態のイメージがなければ、伸びシロは自分では感じることは難しいケースが多いです。

(ただし、日々の鍛錬の積み重ねによって身体操作レベルが向上し、その身体によってできるイメージが出来上がるという側面もあります。イメージ先行がなければ、時間かかりますが、、)

 

 

 

選手自身が自分の伸びシロを見つける時、それは主観的で良いと思いますし、日々真剣にトレーニングや練習に向き合っていれば、身体が発するその直感は的外れではなくなっていくはずです。

 

 

 

対してトレーナーなど指導者側が選手の伸びシロを見つける場合。(選手を叱咤激励する意味での伸びシロは別として)

 

 

 

もちろん自分の身体でなく感覚という武器が使えないために、選手以上に論理的な視点が必要です。

 

というか、論理性がなければどうやって伸びシロを見つけているのか僕には分かりません。

 

 

 

どこを重点的にトレーニングして伸ばしていくか、どこに選手の努力と時間を費やさせるのかを指導する上で、この伸びシロの見当をずらしてしまうと、選手の努力がパフォーマンスアップに繋がらないという結果を招きます。

 

 

 

例えば野球の投手。

この投手はもっと球速が上がる、という伸びシロを見出した場合、「球速アップを構成する要因の中で、どの要因を高めればその投手は球速が上がるのか」、というところまで突き詰める必要があります。

 

 

 

ということは、「その選手の動き」をしっかり見極めて分析できることと、「投球動作そのものの構造」「球速アップを構成する要因」の両方に精通しておく必要があるということです。

 

 

 

つまり、目の前の選手の動きの評価と、投球という運動の中で球速に関与する複数の要因を比較するのです。

 

 

 

でないと、足りない、足りていないをどうやって判断できるんでしょうか。

 

 

 

これをせずに何となく「この投手は筋力が弱いから」とか、「身体が固いから」、などとやってしまうと、論理性という面ではその辺のおっちゃんと変わりません。

 

 

 

トレーナーを名乗る以上、指導して選手の身体を変える以上、選手に努力をさせる以上、プロとして徹底的に論理的に選手に接する必要があるのではないでしょうか。

 

 

 

そしてこの伸びシロ、実は「課題」とも言い換えることができます。

 

 

 

僕自身がこれまで接してきた選手から気付かされたのですが、一流選手は競技は違っても全員が「課題を見つける天才」だと思います。

 

 

 

実際、長い間一流でい続ける選手、例えばイチロー選手や武豊騎手は、未だに自分のことを「発展途上」と表現しています。

 

 

 

伸びシロを感じているからこそ言える言葉です。

 

 

 

日本選手権で優勝しても、世界大会やワールドカップで金メダルを取って世界一になっても、「おめでとう!」と伝えたメールの返信には必ず「今回見つかった課題なんですが、、」の内容が入ってきます。

だから大会後はすぐにトレーニング依頼が来ることが多いです。

 

 

 

彼らは「〇〇選手に勝って嬉しい!」みたいなことは一切言いません。

誰かと比較して自分が上か下かには価値観を置いていません。

 

 

 

常に自分がもっと高いパフォーマンスを発揮できるかどうかにだけ思考の基準があるように感じます。

 

 

 

レベルが上がれば上がるほどその傾向にあります。

 

もちろん、自分が1位じゃない間は1位の選手を超える、という目標は妥当だとは思いますが、誰か他者に基準を置いているうちは僕はその選手は伸びシロを自分で制限しかねないと感じてしまいます。

 

 

 

そうは言っても、自分でどうやって伸びシロを見つけたらいいか分からない、と感じる選手も多いと思います。

 

また、トレーナーの方でも選手の伸びシロをどうやって見つけるか分からない方もいらっしゃるかも知れません。

 

 

 

僕の立場上、トレーニングという観点からしか申し上げられませんが、どちらももっとトレーニングに徹底的にこだわればいいと思います。

 

 

 

もちろん、「その競技のパフォーマンスアップに論理的につながっているトレーニング」という条件付きですが、そのトレーニング体系を徹底的にやり込むのです。

 

 

 

そこでできない動きがあれば、シンプルにそれが伸びシロと言えます。

 

 

 

「その競技のパフォーマンスアップに論理的につながっている」という条件を満たすことができれば、トレーニングそのものが伸びシロ発見装置になります。

 

 

 

トレーナー側にとってはそれが動作評価になるはずです。

 

 

 

例えばJARTAのベーシックセミナーでご紹介している立甲ができなければ、その選手は肩甲骨周り・背骨・肋骨の柔軟性不足か、それとも前鋸筋がうまく機能していない可能性が見出せます。

(前鋸筋:体幹からの力の連鎖を腕につなげる非常に重要な筋肉)

 

立甲。

 

 

 

トレーニングをただ単に鍛えるもの、動きを習得するためのもの、などと捉えているだけでは非常にもったいないです。

 

 

 

一石三鳥以上を目指してみてください。

 

 

 

選手が選手で居られる時間には、限りがあります。

だからトレーニングを考えるときには常に時間的効率も必ずセットで考えるようにしておく方がいいですね。

 

 

 

 

お読みいただき、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

全てはパフォーマンスアップのために。

 

 

 

 

 

中野 崇

 

 

 

 

 

追伸

一例として出した立甲ですが、サッカー選手にも非常に重要です。

そして立甲だけに限らず、サッカー選手の上半身には伸びシロが非常にたくさんあります。

そんなサッカーの上半身トレーニングばかりを取り扱うトレーニングセミナー、もうすぐ新たに募集開始します。

関東にて、1月28日(日)です。

(明日あたりからこのブログ限定で先行募集開始予定)

 

 

サッカーなのに上半身だけに特化したトレーニングのセミナーの詳細は下記。

http://jarta.jp/j-seminar/soccer/

 

 

 

 

JARTAのトレーニング指導をご希望の方は下記から(初回半額です)。

http://jarta.jp/dispatch/

 

 

 

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