40歳になった頃から10年あまり、地方大会だけではあるが現役ビルダーとして連続して大会に出場してきたことは、わたしの人生において数少ない誇れる実績だ。
PTA会長を数年間してきたこと、奉仕団体や地元の経済団体などで会長や役員などをしてきたことなど、ハナクソみたいなものだ。
自分で努力して就いたものではなく、ただ単に担がれただけだからだ。
しかしこれらは誇れることでもないが、経験値がかなり上がり、自信になったことは間違いない。
おかげで心臓には毛が生え、少々では動じなさそうな見た目になった。
見た目と内面は相反することは多々あることだ。
現役ビルダーの頃は例年真夏にコンテストシーズンを迎えていた。
重たい重量のトレーニング器具を扱い、自分自身を追い込むことはそんなに苦ではない。
習慣化すれば、はた目から見るほど辛いものではなくなる。
それよりも、本番の半年前から始める減量は何度やっても辛い。
目標体重というより、いかに皮下脂肪を取り去り、皮一枚に仕上げるかが目指すゴールとなる。
コンテストの評価は、ただデカくて仕上がりの甘い選手よりも、少々細くはなってもバキバキに仕上がっている方が高くなるからだ。
なので、この季節は毎回口に入れるものには気をつかい、食べてはいけないもの(大盛りご飯やラーメン、菓子パンやケーキなど)が欲しくてたまらなくなる。
コンテストから遠ざかっても、あるていどボディラインは保ちたいので、食べる物にも多少気を使う生活ではあった。
そして、現在。
ボディラインどころか、脚は韓国のガールズアイドル並の細さになり、トレーニング不足の上半身も徐々に筋肉だけが落ち、内臓が垂れ下がった下腹部は膨れ上がっている。
結局ヴィーガン食が長寿にはいいとか、放牧や放し飼いの肉以外は食べるべきではないという基本を忠実に守ると、ただ体重だけが減り続けてきた。
ALSの進行の目安のひとつが著しい体重の減少。
最初はそんなもの意識してなく、体重が落ちればキレが出てくるからまあいいか、という職業病のような境地だった。
最近になり、やっと目が覚めて体重の減少をストップさせて増量に転換しないといけないと、痛感している。
筋肉の萎縮から増量に転じることがリバースにおいての目安だ。
食べてはいけないものは口にせず、しっかり栄養素は摂り、できる程度に身体も動かす。
ほぼ後期高齢者のような生活目標ではあるが、これが現実的なところ。
リバースして、なおかつどこまでボディラインを戻せるか。
これもひとつの実験であり目標じゃの。