前編をまだお読みでない方はこちらをクリック下さい→大切なものをとられました【前編】@バンコク
カオサンに戻ろうとタクシーに乗るところからです。
気づけばタクシーに乗っていた。
運転手に行き先をおっさんが告げる。耳を傾けるとカオサンという単語が聞こえたので安堵した。
しかし、カオサン付近を見失わないよう周りを注意深く観察する。(記憶は曖昧だが、英語で話してなかったので、おっさんの店に連れていかれる可能性があるので)
勢いよく走り出すタクシー。
カオサンまではタクシーで5分もかからない距離である。
スピードを緩めることなく進むタクシーはカオサン周辺を通過する。
「止まれよ!カオサン過ぎてるやん!」声を張り上げる俺。
驚いたのか、おっさんも運転手に止まるように促す。
なかなか路肩に止まらず、カオサンからかなり離れたところで止まる。
俺はカオサンまで戻れよと伝える。しかし、おっさんは高くなるから歩いて戻ろうと言い、結局タクシーを降りる。(あれっ?おっさん自分はリッチって言うてたよな?)
歩いて戻っていると、おっさんは疲れたからその辺の店でビールを飲んで一旦休もうと言う。これまでのやりとりから、直感でなんとなく睡眠薬飲ませたいんだろうなと思った。
俺はすぐに帰りたかったのでカオサンに戻ろうと強く言う。
しかし、必要以上にしつこく店に入ろうと言うのでしつこさに負けてしまう。悪い意味での日本人らしさが出てしまう。(口論になりそうだったので。いや、なってたかも。)
店に入り、おっさんは瓶ビール一本とチキンの唐揚げを注文する。
これまでビールを多く飲み、すでにお腹いっぱいだった俺は箸を進めることもなく、適当に相槌を打ちながらおっさんの話をやり過ごした。時折苛立ちを見せながら。
「なんでそんなに怒っているんだ?俺たちは友達だろ?」と言いながら握手を求めて来るおっさん。
ビールをいっぱい飲んでいた分トイレに行きたくなったが、ひたすら我慢した。
ビールを進んで飲まないようにしてた俺におっさんは必要以上に乾杯を促す。
乾杯すれば、飲むと考えているのだろう。二分に一回は乾杯してきやがる。
いっぱい飲ませてトイレに行かせて、そのうちに睡眠薬をビールに混ぜる魂胆が感じとれたので、席を立つことはしなかった。
おっさんは諦めたのかビールも残っていたが店を出ようと言った。
店を出るタイミングで俺はトイレを借りた。
勝ったと思った。
やっとカオサンに戻れると思い、薄暗い橋の上を歩いていたとき、それは起こった。
橋の欄干の高さが腰くらいだったので、何かの間違いで落とされないようにおっさんと少し距離をおいて歩く。
この時点で会話はない。
沈黙が続いていたが、突然おっさんが声をあげる。
「なんでお前はお金を払わないんだ?割り勘分払え!」
200バーツ(約700円)を払うように言うおっさん。
「いや、お前が奢る言うたから付き合っとるんやぞ!しかも割り勘で200バーツもしてない!」と思いながらも、面倒なことにはなりたくなかったのでオッケーと答える。「ただし、カオサンに戻ってからな!」と伝える。
人通りもない、薄暗い橋の上で財布を出すのはリスクが高すぎるからだ。
「今払え!」とおっさんは言うが、
俺は「カオサンで払うから待て!」と強く言う。
お互いヒートアップしながらこのやりとりを数回する。
そのとき何かの拍子で掛けていた俺の眼鏡がずれる。(最近コンタクトを使ってない)
右手で掛け直し終えた瞬間、俺の視界はぼやけていた。
何が起こったのかすぐに理解できなかった。
気づいたときにはおっさんが眼鏡を奪い、川に投げ捨てたことがわかった。
おっさんは汚い言葉を俺に浴びせながら、カオサンとは反対方向に去って行った。
ただただ立ち尽くすしかなかった。
反撃しようにもぼやけて見えるためどうすることもできなかった。(しなくて正解)
視界はぼやけているがカオサン方面はなんとなくわかる。
とりあえずカオサンに戻ろうと足を進めようとする。
しかし、左のサンダルがさっきの一瞬の出来事で壊れてしまったようだ。
仕方ないので手を上げてタクシーを待つ。
どれがタクシーか一般車かわからなかったが、ひたすら手を上げ続けた。
運よくすぐにタクシーがつかまり、カオサンの宿付近で無事降ろしてもらい宿に帰った。
翌日、宿のオーナー(日本語話せる人)にこの経緯を話した。
やはり睡眠薬強盗の手口らしい。
眼鏡を捨てられたときは悔しさで恐怖心は全くなかったが、振り返ってみればぞっとする。本当に運がよかった。
宿のオーナーと話し、気づいたところを今後の対策としてまとめておく。
①乾杯が本当に多かった。たくさん飲ませトイレに行かせその間に睡眠薬を入れようとする手口だろう。
②缶ビールを飲んでいたとき、あとどれくらい残っているか俺の缶を手に取り確認してきた。今後の作戦を練るためか?
③どれくらいの予算で旅してるか?とお金の持ち方(カード?現金?)をやたらと追求。銀行員と名乗ったのは少しでも安心させよとするためか?
④カオサンは高いからと言って外れたところに行こうとした。おそらくおっさんが当初連れて行こうとした店はグルだろう。
⑤ことあるごとに、マイフレンド!とか言って握手をしてきた。威圧感や恐怖心を全く抱かせないようにしていたのだろう。
⑥こういう睡眠薬強盗の手口はマレーシア系、フィリピン系、インド系の犯人が多いらしい。また現地に住む日本人にも気をつけたほうがいいらしい。海外では日本人同士だと親近感がわくため騙しやすいのだろう。
⑦前もってその国の危険なこと、トラブル情報を調べておく。今回は睡眠薬強盗ということが
頭に入っていたからよかった。
⑧当たり前だが、知らない人にはついて行かない。また食べ物等もらわないよう気をつける。睡眠薬が混じってる可能性もある。
⑨相手の写真を撮る。嫌がった場合は、何か企みがあるのだろう。
⑩最初、俺にコンビニへビールを買いに行かせたのは、コンビニの防犯カメラにおっさんが映らないようにするためだろう。
⑪タダより高いものはない。
そして念のため、ツーリストポリスにも行った。
盗難証明書を発行してもらうため。海外旅行保険で帰国後請求するためには必要。
この事件の全てを英語で書いて届けた。
眼鏡は出発前に神戸で予備のために作った安いものだからどっちでもいい。
こういう被害があったことを伝え、今後起こらないようにという意味も込めて行った。
聞いたところ、やはり日本人が同じような手口で騙されることが多いらしい。身ぐるみをはがされたり、最悪の場合、死に至ることも。睡眠薬の量が多ければやばいもんね。
カオサン通りは世界中から旅人が集まるので犯罪者たちには格好の場所なのだろう。
旅に出て約二ヶ月。
完全に気が緩んでいたのだろう。自分が悪い。
最初ついていかなければ何もなかったこと。
海外に慣れ、警戒心が薄れていた。
ましてやタイにはこれまで何度も来たことがある。
そして今回は予防接種、ミャンマービザ取得の関係でトータルで一ヶ月近く滞在していた。
今回の件で、警鐘を鳴らされた気がした。
改めて気を引き締めて行こう。
本当にひとつひとつの出来事で気づかされることが多い。
完全に元気なのでご心配なく。
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防げるトラブルは未然に防ぎましょう。
この記事を読んで自分は大丈夫だと思う人もいると思います。そしてなんてバカなんだと思う人もいると思います。
この件があるまで自分もそうでした。
本当に一瞬の気の緩み、油断等で大きな事件に発展する可能性があるので、危機意識を持ち、少しでもトラブルがなくなればと思います。
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