1995年に発生した阪神・淡路大震災では、約半数の方が家具転倒、落下、移動で負傷し、約3割の方がガラスの飛散により負傷、亡くなられた方の約8割は、建物の崩壊や家具の転倒による窒息、圧迫死であったということです。
南海トラフ地震はマグニチュード8~9クラスの地震が30年以内に起こる確率70~80%と予測されています。それは30年の猶予があるわけではなく、明日かもしれないということです。
各地域で予測されている震度は、震度6以上が広範囲にわたっています。震度6以上になると、耐震をしていなければ家具の転倒は避けられません。
震度6以上は、実際にどのような揺れでどのような状態になるのか、こちらの記事に実際の映像動画を載せています。
とても貴重な映像です。
家具転倒防止対策は、できる時にしておく必要がある最重要の対策です。助かる命が格段に増えることは間違いないと思いますし、実際に地震が起きた時に体験する恐怖が全く異なってくると思います。耐震していても尚倒れるものがあったとしても、倒れるまでの時間も違ってきます。耐震対策をしていることで、倒れるまでに身を守る行動をとれる可能性があります。
家具転倒防止対策
まずは寝室の家具の配置の見直しから!
眠っている時が一番無防備です。すぐに身を守る行動をとることも難しくなります。まずは、寝室の家具の配置を見直してください。家具の形状から倒れやすい方向に普段から寝ていないかどうか確認し改善しましょう。
家具転倒防止グッズはどんなものがあるの?
図、向かって左から
家具の前下部に挟んで家具を壁側に傾斜させるストッパー式
家具の底面と床面を接着する粘着マット式
家具と天井の隙間に設置する耐震突っ張り棒(耐震ポール)式
家具と壁をベルトで繋ぐベルト式
家具と壁をネジやボルトで固定するL字型金具式(上向きL字と下向きL字)
などがあります。その他の家具固定ツールもありますが、種類を大きく分けるとこういったタイプになります。
安全性の高いものや注意点
L字型金具式
内閣府防災情報ページでも示されているように、L字型金具で家具と壁をネジやボルトで固定することは耐震性が一番高くなると言われています。特殊な耐震用のグッズ商品ではなくそもそもが固定用金具なので、ホームセンターなどで必要な数を他の耐震グッズと比べると安価に入手できます。(ネットでも購入可能です)
電動ドライバーを使うと作業がとても楽になります。「電動ドライバー 初心者 女性」などのキーワードを入れて検索すると初心者おススメの商品が見つけやすいかもしれません。1500円~5000円以内でも様々な商品がありますよ。
注意点
天井も家具もネジやボルトを打ち込むところが弱いとネジが抜け落ちたりぐらついたりします。特に壁は見た目にはどこに柱があるのか分かりません。ドライバーなどで壁を叩いていくと、コンコンと詰まった音がするところと、ポコポコと軽い音がするところがあります。間柱のあるところに取り付ける必要がありますが、正確に見抜くのは難しいです。「下地センサー(下地チェッカー)」というものがあります。「ピピ」と音が鳴るセンサータイプと、針タイプのものがあります。2000円くらいで買えますので、作業の際はそれを使うとよいでしょう。
実際の作業の動画です。(動画トップの静止画が、針タイプの「下地チェッカー」です)
こちらは、「かぐてんぼう隊」というボランティアで家具固定等の実践活動をしておられる団体です。
耐震ポール式
賃貸など、壁に穴をあけて取り付けるには、賃貸人の許可が要るため、壁などを傷つけずに耐震する方法として耐震ポール(耐震突っ張り棒)で対策している方も多いです。
トップ画像向かって左で使っているのが耐震ポールです。耐震ポールもホームセンターで購入することができます。ネットで検索すると様々な種類のものがあり、インテリアとして馴染むような木目調のものもあります。耐震グッズの購入の際は、震度6強、震度7対応と記載していたり、大型家具や大型家電を支える場合、耐震ポールでは耐圧200㎏程度あるものを選んだ方が安心です。
まず家具の上面から天井まで長さを測り、適切な長さのものを選びます。商品の取り付け説明にも載っていますが、壁一番奥で真っすぐにポールを立てて突っ張るようにします。その際天井内に梁が通っている強度のしっかりとしたところで支える必要があります。ポールが天井の弱い部分に当たっていると、揺れで突き上げられた時天井を破ってしまう可能性があり、そうするとグラグラして突っ張り棒の役目を果たせません。トップ画像のように補強で当て板をする対策も推奨されています。下地チェッカーで確認するのも良いと思います。
我が家では、補強の当て板は、厚さ1.5㎝で強度の高い板を使用しました。強力な両面テープで耐震ポールの面と当て板を固定しました。他の商品だと、耐震ポールと当て板をビスで止めれるようになっているものもありますよ。耐震ポールにも色々あり、三点で支えるタイプのものや、当て板がすでについている面で支えるタイプのものもあります。
家具の前下部に挟んで家具を壁側に傾斜させます。トップ画像の向かって右側がストッパーを入れているものですが、ほとんど使用していない部屋の、高さや形状から倒れづらいだろうという家具に簡単なのでやってみようということでしてみました。
このような耐震ストッパーも商品によりいくつか異なる種類がありますが、どれも1000円前後です。他の耐震ツールと組み合わせて使うことを推奨されています。
耐震マットはテレビや電子レンジなどの足につけて家電を固定するのに便利です。「震度7対応」など記載しているものを選びましょう。小さくても家電は重量があるので、揺れで飛んでくるとかなり危ないものだと思います。付けるのも全く難しくありませんし、すぐにできます。
耐震ベルト
耐震ベルトも色々ありますが、テレビ台とテレビを固定したり、家具と壁を固定するのにしっかりとした耐震対策になるでしょう。耐震ベルトでも震度6強などの対応をしている粘着シール式や、ボルト式のものがあります。ボルト式ですとボルトを差し込む面の強度は確認する必要があると思います。他の耐震ツールと組み合わせて使うのもよいでしょう。
様々な耐震の方法について、埼玉県が運営するサイトに分かりやすい説明がありました。家具を固定する方法や注意点など、ツールによって詳細に説明してくださっています。
名古屋市の「家具転倒防止対策『南海トラフ巨大地震から身を守るために!』」というサイトもとても分かりやすいです。それぞれのツールに対して動画をつけてくれていますので、取り付け方など確認することができます。
様々な種類の耐震グッズがあります。自宅の状態に合うものは、それぞれ異なるかと思います。どういったものが合うかご自身の目で見てみてください。
対策はしたいけど、ひとりではちょっと…![えー?](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/070.png)
という場合
「かぐてんぼう隊」のようにボランティアで取り付けをしてくださるような団体や機関があることは、本当にありがたいことです。家具転倒防止のボランティア支援が利用できるのは、全国でそう多くはないように思いますが、利用できるかどうかはお住まいの自治体や県に確認してみる必要があります。実施しているところでも、年齢や生活状況など利用条件があります。
その他、
郵便番号などで住まいのエリアを入力し、周辺地域で家具転倒防止の施行してくれる業者を探すことができます。
以前「ガラス飛散防止フィルムの記事」でも紹介しましたが、こちらのサイトがそうです。
それぞれ施工条件や料金、口コミなども確認することができます。ご利用される時はご自身の責任で検討し選んでください。
参考記事:
・自宅での家具類の転倒・落下・移動防止対策/東京都防災ホームページ
・下地センサーのおすすめ人気ランキング19選/BestOne
他
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