回転数の多いボール ≠ 良いボール | 野球の動作分析家 佐藤康則のブログ

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大谷の165キロ速球、体感速度は“超一級品”も…バットに当たりやすい要因は回転数にあり?


この記事に書いてある回転数のことや、誤解されそうな内容に少し説明を加えたいと思います。

チャップマン、大谷、ゲレーロの4seam FBの球速と回転数を見ると明らかに大谷とゲレーロの回転数は低いです。


ボールがどれくらい動いているか(ホップやシュート成分)見ても、チャップマンのホップ成分は大きいです。




ただ、『回転数の多いボール = 良いボール』かというと少し違ってきます。

バッターはボールの球速に対してこれまでの経験などから軌道を予測するので、予測していない高さや位置にボールが来れば打ち損じるか空振りする可能性が高くなります。

ですので、ゲレーロのように球速に対して回転数が低く、ボールが通常より沈むボールもまた予測を裏切る良いボールなのです。

実際にゲレーロの2018年のGO/AOの割合は1.43ですので、かなりゴロでアウトを稼いでいます。


チャップマンのGO/AOは0.67ですが、大谷投手も0.78とフライが多いタイプです。


現状の彼のFBはゴロを打たせるのに向いていますが、それが上手く出来ていません。空振りの三振を取りたいのだとしたら、今のボールでは厳しいと言わざる得ません。スプリットがあるので、まだ助かっています。

次に、なぜボールがバットに当たりやすいかです。

大谷投手の4seam FBは他の2投手に比べてあまり動いていません。ホップもシュート成分も。

揚力がボールを動かしますが、揚力は回転数だけでなく、ボール回転軸の3次元方向の要素が大きく影響します。その2つを考慮しないといけません。回転数だけでは不十分です。
ですので、回転数だけ上がっても、ボールがホップしない事もよくあります。

球速と回転数は相関関係があり、大谷投手の回転数はもっと高くても不思議ではありません。

理由としては、
リリース時に人差し指と中指が同時にボールから離れていない事が考えられます。

ボールの形状や滑りやすさ、縫い目の曲線、指の長さの違い、気候などにより、リリース時に両方の指が同時に離れない事は多々あります。

リリース直前のボールの回転軸方向を実験した時、回転軸方向は時々刻々と変化し、最後のリリース時に決まります。
それが合わないと、4seam FBも回転軸がずれます。

この大谷投手の真っスラもそうですが、指のリリースがズレる事で簡単にボールの回転軸方向は変わってしまいボールの動きも変わります。回転数への影響も出てきます。



NPBのボールは指に吸い付くくらいしっとりとして投げやすいので、メジャー球は慣れないと難しいと思います。

まだ1ヶ月が経過したばかり。
大谷投手がメジャー球に慣れたら、これまで以上のボールを投げるでしょう。
今後の活躍が楽しみです!!


ボールに働く揚力やボール回転軸については、過去のブログも参考にして下さい。


 


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