学校が終わって,
急いでスーパーへ向かう.

「今日のご飯は何にしよう?」
そんなことを考えながら.


料理が終わって,
もう夜中近く.
幸人から連絡が入る.
それから彼の部屋に向かい,
白に統一された食器に
料理を盛り付ける.


「おいしい.」


そういって全部食べてくれる.
本当に,毎日が夢のようだった.



断れなかった合コンの日.
私がオシャレするのは
もちろんその前後に会いに行く幸人の為.



いつもの女の子の作戦会議の前に
早めに出かけて幸人の店に向かった.


角を曲がった瞬間
今日行くはずの
3人が立っていた.


「やっぱりね~~」

完全に行動を呼んだ優衣の仕業だった.
私のにやけ顔を見ようと
先回りして,美奈と梨花をつれて
待っていた.

あまりの恥ずかしさに
FRAGILEのリングを見つめていた.

「ゆっくりしておいで~」
そういって,3人は去っていった.



幸人の店に出張でスタッフが来てた.


その人と,挨拶を済ませたら,
「樹里ちゃんナオとも会ったんだよ.
まあ,ナオおいて抜け駆けしたんだけどね.」

そういたずらっぽく笑った.
でも,少しやっぱりナオ君のことが気になってるみたいだった.


「そろそろ行くよドキドキ」

そう優衣からメールが来て,
店を後にしようと振り向くと,
ドアの先には
メイクも完全に仕上げた
合コン仕様の3人が待ち構えていた.


「行ってくるね」

「気をつけてね.帰ってくる時連絡して.」
その笑顔に3人が代わる代わる挨拶してた.


「みんな,やりすぎ!!」
恥ずかしさで怒り出しそうになった私に

「いいじゃん♪
樹里の幸せ分けてもらいたいだけだよ.」
そう梨花が笑った.

「勘弁してよぉ~」

そう私も笑った.


そして,合コン.


相手はまさかの
幸人の知り合い.
そして,少し前まで
中途半端な関係だった彼もいた.


視線が,つらかった.


いつも自分のペースで
完全に周りを巻き込むアイドルの
優衣の様子がおかしかった.

2次会のカラオケの化粧室.
Kick the can crewのクリスマスイブラップが
流れる部屋から逃げ出して

一緒に抜け出そうとしつこい彼から
早く帰りたくて仕方なかった私に
涙目になった優衣が抱きついてきて,


「どうしよう....
あのひげの人,好きになっちゃった....」




そして,幸人からの連絡は
「ねえ,今日合コンでしょ?」


この3連続に,私はパニックになるだけだった.
「アンタと私は
ラーメン屋なの!!!」


「はぁ...」


「ちょっとお腹すいたときとか,
飲んだときとかにいってみる?
てきなノリの存在.
予約していくイタリアンとは違うのよ.

だからそういう系の子には
きちんとした彼氏いるでしょ?!


まあ,ラーメン好きだからいいけどさ.」





これは今日あったばかりの
私の30歳のときを見てるような
師匠のありがたいお話.



「その男気な
あっさりした性格直さなきゃ
落ち着くのなんて
当分先だね!!!」



そして数々の私の反発を

「私もアンタの歳の時,
同じこと思ってたよ(笑)」

その一言...




でも,そんな素敵なオネイサンになれるなら

まいっか♪


(こんなノー天気なB型のところまで
同じでした...)
「樹里ちゃん
今度出張のとき
遊びに行かない!?
幸人に内緒でニコニコ」
送ってきたのはナオ君.

「樹里~ドキドキ
最近どうよ!?
デートしようぜチョキ」
そう送ってきたのは
微妙な距離だった拓斗.
一時は好きかも??って思ってた.



どうして,
こうも気持ちを固めた瞬間に
周りが動き出すんだろう?


もちろんお断りした.
幸人以外はないから.


ただ,合コンだけは
忙しい合間を無理にお願いしたのは私.
断れるわけも無かった.


「樹里~,幸人君会わせてよ!」
優衣のお願いに答えるべく
一緒にバイト前に会いに行くことにした.


幸人の店に行く前のスタバで

「今年のクリスマスコフレ大活躍だね.」
念入りにメイクのチェックをする
私を優衣はほほえましく見てた.


「樹里ちゃん!!」


その笑顔に
早くもとろけそうになった.
お客がいるときの幸人は初めて見た.
その真剣さもかっこいいと思った.


優衣と彼が話してるのから,
何となく離れてみてた.
急に彼に頭を下げた優衣を見て
あまりの驚きに見ないフリをしてしまった.


「樹里,そろそろいこっか?」

「そだね.
幸人,またね.」

「うん.
今日,バイト終わったら待ってるね.」





そう,これだと思った.
いつの間にか帰る場所になってる.
今では私のお泊りセットが彼の家にある.





「超いい人そうだね.
樹里,完全見とれてたでしょ?」

「うん.てか,何話してたの?」


「樹里をお願いしますって.
そこには完全に傷つけたら許さないっていう念もこめてね♪」


「優衣~.
私の最高の友達だよ.
ありがと.」
そういって優衣を抱きしめた.

「いやいや,相手ちがうから.」

そう笑って頭をなでてくれた.

「私のツレの唄は間違いなく優衣だね!!!」

音楽の趣味はまったく違う2人だから,
私からのこの最高のほめ言葉にも
彼女はきょとんとしてた.



「私もどきどきしたいよ~!!!
次の合コン浮気でもしよっかな?」

そんなことふざけていってたけれど,

近いうちに笑えない事実になってるとは思いもしなかった.