G1サラブレッドクラブ全頭斬り 1-10
1.ハニージェイドの23(キタサンブラック)★★★★★
G1はキタサンブラック産駒がトップバター。母のハニージェイドは5勝馬。スプリンター系にキタサンブラックでスピード不足の懸念が払しょくされてアベレージが高くなるカップリングです。姉のクォーツァイトもしっかり勝ち上がっており、繁殖牝馬としての能力もありそうですね。
5月生まれでまだ腰が高い馬ではありますが、サイズ的にはすでに水準レベルまで来ているので、大型馬に育っていくでしょう。前肢・後肢ともに踏込が深く、かつスムーズで運動性能が高そう。長めのわりには沈まない繋ぎをしているので、ここだけがウィークポイントにならないかというのはありますね。
2.サンタエヴィータの23(キタサンブラック)★★★
母系エヴィータアルゼンティーナは白老血統で色々なところで募集されますが、なかなか大当たりは出ていないですね。母の仔もそれなりに頭数産んできて、しかもかなり種牡馬はいい馬ばかりだったので、ちょっと足りないかなと思います。
馬体はトモが高く、まだ幼さを残しながらしっかりでかいという父と母の特徴をよく体現しています。繋ぎがやや緩く柔らかい歩様をするので、長めの距離でも対応できそうかなと思いますが、ちょっとピリッとした脚はなさそうですね。
3.ヴァイブランスの23(コントレイル)★★★★★
母は輸入馬おなじみみんな使っているBCジュヴェナイルフィリーズの3着馬。
Medaglia d’Oro系はどうも走っているイメージはないですが、アメリカンの血を濃いめに固めたことでまとまりのある馬体ですね。
4月生まれまだ幼くトモが高いところがありますが、踏込は鋭く、比較的ピッチが速そうな歩様をしています。脚元にはどっしりと安定感があり、マイルぐらいが良さそうな雰囲気。伸びしろも含めて十分楽しみな一頭でしょう。
4.レジーナドーロの23(エピファネイア)★★★★
祖母レジネッタは桜花賞馬ではありますが、ファミリーはどちらかというと安定感があって、2,3勝する馬が多発するタイプ。安めの値段で持てたら最高のタイプですね。配合はエピカメでサンデーも持っていますので、相性としての実績は十分です。
馬体はいい意味でまとまりがあって、がっちり見せるこの母系らしいつくり。特に肩が立ち気味で筋肉量が豊富。それでも踏込が硬くならず、可動域が十分取れているところがいいですね。感じ的にはマイル前後かなと思いますが、突き抜ける何かがあるわけではないので、やはりどこかで壁に当たるかもという感じはします。
5.クィーンチャームの23(エピファネイア)★★★
こちらもエピカメ。母系は追分が誇る最高傑作ニキーヤですね。もう頭数多すぎてどこかから当たりは出るやろとは思いますが、最近ちょっと下降傾向かなという気もします。追分だけなので、なかなかハイアベレージは難しいとは思いますが。
4月末生まれでまだまだ成長途上。ちょっとのんびりした雰囲気を醸し出していますが、歩様は首をうまく使ってスムーズに歩くことができています。膝下が長めで、背中は短めとちょっと適性が読みづらいところはありますし、もうちょっと体高や管囲などがあるとよりよいですね。
6.トワイライトライフの23(ロードカナロア)★★
母系はリリウムですが、なかなか最近走っている馬が少なくなっていますね。その中では走っている方の母産駒でまだ若く、当たりが出るならココかなという馬ではありますね。ただ、ロードカナロア×ゴールドアリュールは全然走っていません。
毛ヅヤが悪く、幼い印象の強い馬体。背中が短めで短距離寄りの雰囲気があります。踏込は硬さが目立ち、重心が左前肢に寄っていて、あまり真っすぐ歩くことができていないので、そこはちょっと引っ掛かるかなと思います。
7.コーディエライトの23(モーリス)★★★
早熟の塊ともいえる母のコーディエライト。3歳になってから全部二けた着順と潔いレベルですね。産駒のカルデライトがデビュー戦2着とやっぱり仕上がりは早いですね。モーリス産駒も早くから使える馬もいますので、配合相手としては悪くないのではないでしょうか。
馬体はトモの容積がしっかりとしたモーリス産駒らしい造り。とはいえ、キ甲は抜けておらず成長途上でもあります。首を使ってリズム感よく歩くことができていますし、動きは良くスムーズです。若干弓脚っぽくなっていますので、上が重くなりすぎないといいですね。
8.メガンの23(サートゥルナーリア)★★
サートゥルナーリア×ディープインパクトはこの世代かなり多く募集されています。ロードカナロアとの相性はあまりよくなかったと思いますが、サートゥルナーリアで若干パワフルになっていますので、もう少し良いかもしれません。
馬体は測尺はOK。やや背中が弱いかもしれませんが、コンパクトにまとまり、馬体のバランスは悪くありません。歩様はちょっと硬めでもそこまで気になるレベルではないですが、左トモが外弧歩様気味。やや癖は強めですかね。
9.ハイリリーの23(サートゥルナーリア)★★
母父アグネスタキオンはやはり脚元が気になる馬が多く、頭数の割に活躍馬が少ないのは事実です。母系はテイクミーハイヤーから多く募集されているものの、なかなか活躍馬が出ていませんね。
馬体は背中が長め、トモが高く成長途上の造り。肩回りやキ甲に少しずつ筋力がついてきたところぐらいですね。成長途上によるアンバランスさはあるでしょうか。横から見ると踏込の深さを感じられますが、右前の内向が強く、母父アグネスタキオンを加味するとちょっと脚元の不安はぬぐえないでしょうか。
10.ラテュロスの23(サートゥルナーリア)★★★
サートゥルナーリア産駒はエピファネイア産駒と比べて落ち着いている馬が多いという牧場スタッフのコメントがありましたが、まさにこの馬がそんな印象です。
祖母スウィートハースからは種牡馬のクオリティの割にあまり活躍馬が出ていませんでしたが、その中では最高傑作のラテュロス。母は若いうちはかなり体が小さく使いながら成長するタイプでした。この馬も同じで体高以外は近しい測尺。上のラウルベアもそんな感じでしたが、460kgまで成長しているのでそれほど心配する必要はないでしょう。
馬体はやや薄さが目立つ造り。脚は長く、踏込も深く歩くことができています。背中が長く、トモが薄いのでちょっと時間がかかるかなという印象はあります。性格はおとなしそうで、人にも従順に対応していますね。
サンデーサラブレッドクラブ全頭斬り2024 81-91
81.スイの23(オルフェーヴル)★★★
ドレフォンの半妹として輸入された母はドレフォンのイメージ通りダートの1200mに条件を変えて圧勝で勝ち上がり。連勝で2勝目も決めたように素質はありました。とはいえ、本領発揮は母になってから…、ここからが本番ですね。
母系のイメージ通り初仔から骨格のしっかりとした造りで中サイズ以上。初年度からオルフェーヴルをつけても大きく育つと判断しての配合がうまくいったのではないでしょうか。
測尺のバランスが素晴らしく、整った体型ですが硬さは感じられず肩の可動域も十分動いています。
父も母系も前進気勢が強く、距離は若干短めになるでしょうが、当たり負けしない体幹の強さを武器にタフで逞しい存在になってくれるのではないでしょうか。
【ツアーチェック】
さみしがりやで大人しめの性格。オルフェーヴルらしさが欲しいと思っていたのでちょっと案外かな。(★4→★3)
82.ラテラスの23(ルーラーシップ)★★★
祖母の産駒、母の産駒ともにここまで活躍馬を輩出できておらず、今年のサンデーサラブレッドクラブの中ではかなり地味な存在。でありながら、大人気の高野厩舎というのは、血統以外で光る何かがあるということでしょうか。
血統のイメージよりはやや小柄な馬体ではありますが、膝下が長く、キ甲も抜けていないので、まだまだ成長途上という印象。ここからグッと筋肉がついてくることも想像できます。若干外弧歩様気味ではあるものの、横から見ると可動域が素晴らしく、中距離馬としての活躍の下地は十分。あとはどこまで成長できるかでしょう。
83.シーオブザムーンの23(ルーラーシップ)★★
大当たりは少ないものの、高い勝ち上がり率と安定感があったムーンフェイズの母系。母のシーオブザムーンは新馬勝ちしたものの、金成厩舎ということもあってか、地味なジョッキーとローカルを回るようなやや寂しいキャリアではありました。
本馬はその母の初仔となりますが、母の募集時同様ちょっと小ぶりで成長が遅めであることは否めません。
現状では体高と胸囲が足りず馬体重も正直軽すぎ。成長は見込みたいところではありますが、トモ高というわけでもないので、すぐに追いついてくるというイメージがわきません。
歩様も小さいわりにやや硬めなので、それも含めてちょっとどうかなと思います。
84.ギエムの23(サトノダイヤモンド)★★★★
牡馬で3600万円の募集価格は今年のサンデーサラブレッドクラブのなかではかなり安い部類に入ります。兄のショウナンバシットがリステッドを勝った直後にも関わらず、この価格ですからいかにノーザンファームがサトノダイヤモンドを見切っているかがよくわかります。
とはいえ、決して馬が悪いわけではありませんので、今年は逆に狙い目なのかもと思わせますね。本馬は5月生まれを感じさせない完成度の高さでやや大きすぎる懸念があるぐらい順調に成長しています。背中も脚も長く、サトノダイヤモンドらしさを十分に感じられる馬体。歩様もスムーズで、可動域も十分あります。薄っぺらく緩いところはありつつも鍛えていく中で整ってくるのではないかと思える骨格の良さがありますね。
85.チリーシルバーの23(ミッキーアイル)★★★
初年度未勝利、3歳のストロングタイズは未だデビューできず体質の弱さを感じる一族。マリブムーンの肌にミッキーアイルでこれまでの募集馬たちとはだいぶベクトルが違う形となりました。牡馬に生まれたことでかなりダート色の強い馬体。ともするとちょっと硬い印象を持ちがちのカップリングです。
大柄で腹袋のしっかりした馬体。4月生まれを感じぬほど発達したトモの容積が魅力的でこれならば十分走ってもおかしくないと思えます。気になるのは距離は持たない配合っぽいのに、ちょっと緩いところ。ギュッと締まっていた方がイメージは良かったかな。
86.アッラサルーテの23(リオンディーズ)★★
産駒の安定感が魅力のラタフィアの牝系。重賞勝ち馬やリステッド勝ち馬も輩出していますし、当たりの場合の爆発力も兼ね備えています。ただ、リオンディーズの仔は母父長めの距離のタイプが良さそうです。仔出しが良く、これで4年連続。兄は見るからに竹馬で柔軟性がないですが、この馬もちょっと立ち気味ではありますね。
繋ぎが硬い分やはり歩様も硬めに見えます。馬体のボリューム感はいいですし、脚元以外は悪くないのですがどうしても気になります。
87.インダクティの23(リオンディーズ)★★★
重賞勝ち馬のインダストリアの全妹にあたります。リオンディーズの重賞勝ち馬自体がかなり少ないので、全幅の信頼は置けないですが、サンデーに出てくるインダクティは安定感がありますので、大きな心配もいらないかと思います。
馬体は容積十分のトモが魅力。やや背中が短めなマイラー体型で、踏込もいい意味で前肢に硬さがあり加速力に優れたタイプになりそうです。
ただ、兄は中サイズ以上でトモがちょっと薄めなぐらいのスラっとした体型だったので、あまり似ていないですし、もう少し成長が早いといいかなと思います。特に母が高齢になってきているので、このまま成長しないパターンもよぎるかな…と。
88.イヴニングコールの23(American Pharoah)★★★
Tapit肌にAmerican Pharoahという豪華血統。当然募集価格は跳ね上がりますね。母系は優秀とはいえ、母が不出走の馬でこれだけのビッグ待遇は珍しい気もします。普通に考えるとダート馬ですが、一応リフレイムと同配合になりますね。
馬体は膝下が長く、筋肉量はそれほど多くない体型。とはいえ、この血統ですから、成長とともに筋肉質な体つきになっていくでしょう。歩かせるとちょっと歩幅が小さくて硬い印象は否めませんので、脚の長さと相まって不器用なタイプにならないかは若干心配です。
89.クールサンバの23(Frankel)★★★★★
近年のGⅠを勝つタイプの40口募集馬は、牝馬、○外、募集番号が後ろの方の関西馬という傾向にあります。今年の募集馬の中ではこの馬が一番ぴったりとハマるのではないでしょうか。Frankel産駒らしくすでに馬体に迫力があり、母も仏1000ギニー勝ち馬ですから文句なしの良血ですね。
馬体は迫力抜群の大きなトモが魅力。前後とも付くべきところにしっかりと筋肉がつき、力強さを兼ね備えていながら、重すぎない構造になっていると思います。返しが強く鋭い歩様で、歩幅も大きくバランスよく歩くことができています。
気になるのは前肢の繋ぎの短さと角度だけ。ここが悪さしなければ大物候補の一頭に名を挙げてくるはずです。
【ツアーチェック】
454kg。とにかくよく食べる。目つきが怪しい印象がありましたが、むしろ大柄でどっしりしている感じでした。
90.ナイセストの23(Justify)★★
母系の一族には香港でウインブライトと死闘を繰り広げたマジックワンドがいる血統。母のナイセストやアメリカンファラオの産駒でありながら、芝で活躍しました。が、ここにJustifyとは結局ダート狙いということでよいのでしょうか。
血統の割には中サイズの馬体で、重さはあまり感じない造りをしています。ただ、歩かせると両前脚が内に刺さってくる歩様。でありながら両前脚は外向気味というちぐはぐな感じがあります。ただ、胸前に筋肉がついてこれば解消するタイプの曲がり方だとは思います。
肩が立ち気味であり、前肢のストライドは結局伸びず、トモの容積も若干足りない印象。いろいろ少しずつ足りないといったところでしょうか。
91.ミッドナイトビズーの23(Tapit)★★★
母のプロフィールが書ききれないぐらいの成績。それもそのはずでこの馬の取引価格は550万ドル(=約8億円)と信じられない金額で輸入された繁殖牝馬です。一つ下にはしっかりキタサンブラックをつけられているので、翌年からは物凄い価格で募集になりそうです。
しかし、本馬に関しては、Tapit産駒ということもあり、ダート向きになりそうであるところ、管囲の細さと胸囲が足りず、やや小ぢんまりとした印象が残ります。
トモは特別容積があるわけではないですが、形が素晴らしく、筋肉量も十分といったところ。もちろん現役でも頑張ってほしいですが、いかにもこの馬も繁殖牝馬としての価値を考えた運用になりそうではありますね。
サンデーサラブレッドクラブ全頭斬り2024 71-80
71.トリプライトの23(ナダル)★★★★
活力抜群の牝系出身でワイルドラッシュ肌の母はややパワー寄り。ここまで産駒はすべて★5と非常に好きなタイプの馬を連続して輩出しており、しかもちゃんと走っているところがいいですね。産駒成績にも安定感があります。
父がナダルになってさらにパワーを強調した馬体はいかにもダート向きで、恵まれた馬格から早期デビューも叶いそう。体高があって、重すぎる感じもしないところ魅力的です。繋ぎの柔軟性がない分ちょっと硬めに見えますが、肩の可動域はOK。お値段とのバランスも良く、注目されそうな一頭ですね。
【ツアーチェック】
目の周りの黒ズミが悪化して顔にも影響が出ているようでした。夏負けのような黒さでやはり体質面は気になります。(★5→★4)
72.スペルオンミーの23(シスキン)★★★
今年の2歳馬が初年度のシスキンですが、わずかしかいない産駒の中からいきなり勝ち上がりを出しました。父は短距離路線でありながら、いきなりメジロトンキニーズとの配合だったので、この馬とはずいぶん配合は違うように感じられます。
パワー×パワーの硬質なタイプになりそうな組み合わせで4月生まれながらすでに水準以上の馬格を有し、成長の早さを感じさせる一頭。踏込も力強く、かつスムーズに歩くことができています。一方で、ちょっと緩い感じもあるので、末脚比べではちょっと分が悪いかなという印象。こういうタイプが牡馬だったらなあというのは正直思いますね。
73.シルバーポジーの23(ルヴァンスレーヴ)★★★★★
ルヴァンスレーヴ産駒らしく、こちらもダート一本という血統。母系はフェアリードールからサンデーサイレンス、クロフネとまさに王道の血統。左前に大きな爆弾があったシトラスタイムは残念でしたが、きっちり2番仔で勝ち上がり、1勝クラスでもめどを立てており、良いスタートを切っています。繁殖牝馬としても若く、3頭目ですから、大きいところを狙えそうなプロフィールではありますね。
抜群の筋肉量と物凄い腹袋をした馬体はさすがにずんぐり見せますが、運動量が増えれば一気に見栄えするものに変わってくるでしょう。幅があって、トモの容積は抜群。さすがに若干緩い感じはありますが、可動域は抜群です。ダート馬として上級条件までしっかり走れそうな一頭ですね。
【ツアーチェック】
463kg。思っていた通り現時点ではちょっと緩そうな雰囲気はありました。
74.モヒニの23(コントレイル)★★★★★
父と同じ青鹿毛の馬体で非常に迫力のある一頭です。中サイズだった父の産駒ですが、軽さを強調するようなシユーマと真逆のベクトルを持っているのが本馬。初年度ゆえにどちらがいいという結論は出せませんが、いずれにしても楽しみな一頭です。
母父に欧州の中心的種牡馬であるGalileoを持ち、重厚感にあふれた馬体はスケール感たっぷり。写真よりも動画の方が相対的に背中が短めに見えて、緩さはちょっと解消しているように見えます。また、肩の可動域は十分で歩幅が非常に大きいのが特徴で、2000m以上の距離で勝負するタイプに育ちそう。
最近のクラシック路線の王道とはちょっと違い、スピードの絶対値で劣る可能性は否めませんが、ハマれば特大ホームランというタイプではないでしょうか。
75.ヤンキーローズの23(コントレイル)★★★★
サンデーサラブレッドクラブで牝馬1億円募集は史上最高額でしょうか。リバティアイランドを輩出して、まさに最高値での売り時という感じがします。父は新種牡馬のコントレイル。該当の活躍馬がダノンプレミアムだけとディープインパクトが母父ロベルト系との相性が良くなかっただけにちょっとリスキーな感じはします。
馬体は牡馬顔負けと記載のあるように恵まれた体格の持ち主。ドゥラメンテ産駒らしく細身であったリバティアイランドよりもずいぶんとパワー寄りであまり似ていないかもしれませんが、これはこれで魅力的。肩の可動域がやや足りないのは姉と同じですが、トモの造りがちょっと劣るでしょうか。
76.オーサムフェザーの23(クリソベリル)★★★
かなり重宝されディープインパクトを連続で配合されてきたオーサムフェザーですが、産駒成績はずいぶんと下振れしてしまっています。その最たる要因は仕上がりの遅さでしょうか。経験も積めぬままタイムアップという終わり方で未勝利という馬もいましたので、印象としてはなかなか厳しいものがあります。
父がクリソベリルとなって、一気に馬体の雰囲気も違う馬が出てきましたので、悲しい過去をこれでリセットして検討するか、というのが評価の分かれ道になるでしょうか。
中サイズぐらいにまとまった馬体は前から見ると迫力があり、前肢と肩回りの筋肉の発達が目立ちます。捌きはわずかに硬めですが及第点。ピッチが速そうで、いかにも短距離ダートといったタイプに見えます。兄姉と全く違うタイプで正直戸惑いますが、母系的にはむしろこのくらいがアリなのではないでしょうか。
77.ラシンティランテの23(ポエティックフレア)★★
名血クラフティワイフの一族で活力十分の母系出身の母は2歳8月の新馬戦で勝ち上がり、グランデッツァの勝った札幌2歳Sにも出走していた思い出深い一頭。タキオンゆえの長期休養もありましたが、古馬まで走り続けGⅠにも2度出走しました。
2番仔のラズルダズルは3勝を挙げましたが、ミッキーアプローズが残念なことになったように基本的には脚元は危ういのは間違いないでしょう。
父がポエティックフレアということで重厚感を感じる馬体ですが、両前脚の繋ぎが内を向いており、かなりリスクの高い構造。トモの容積が大きく、ストライドも大きく歩けており、もし、脚元が持てばなかなかいいところまでやれそうな雰囲気はあるだけにちょっともったいないですね。
78.ガロシェの23(ポエティックフレア)★★
祖母は桜花賞馬のキストゥヘヴン。桜花賞勝利後に長く勝てない時期がありましたが、6歳3月にラストランで重賞勝ちするなど丈夫で長持ちの印象。産駒はなんとかタイムトゥへヴンを出しましたが基本的には低調で、もともと個人牧場出身らしくそれほど血統レベルが高いわけではありません。母はルーラーシップ産駒でもそれほどサイズがあったわけではないですが、初仔から中サイズの馬をしっかり出してきましたね。
馬体はそこそこ体高があってすらっとしていますが、トモを中心にやや筋肉量不足。繋ぎが立ち気味で全体的に硬い印象を持ちます。歩様も硬く、前肢もあまり出ませんし、繋ぎが沈まずにちょっとリスキーですね。早生まれの割には毛ヅヤもイマイチで体質面もどうでしょうか。
79.オージャイトの23(ブリックスアンドモルタル)★★★
期待値からするとやや低調ながらも芝とダートの両方で重賞勝ち馬を輩出したブリックスアンドモルタル。本馬も母系はどちらでも行けるタイプですが、母の安喰傾向からはダートでしょうか。
1月生まれということもあり、すでに十分すぎる体格の持ち主ですが、ちょっと立派すぎる印象もありますね。腹袋もしっかりしてやや鈍重な動きではありますが、硬さがあるとか、どこかの筋肉が足りないということはなく、減点の少ない馬体です。また、トモの容積が大きいのと飛節のバランスが良く、ダートでしっかり最後まで粘れそうでもありますね。
牝馬のダート路線で、それほど秀でた母系ないにも関わらず、3000万円というのはなかなか高いハードルだとは思ってしまいますが。
80.ヴァリディオルの23(オルフェーヴル)★★★
近年の白老ファームの中でもトップレベルの人気を誇るヴァリディオル。2009年生まれということと順調に産駒を輩出してきたこともあり、ちょっとガス欠感は出てきたでしょうか。本年は三度目のオルフェーヴルですが、確かに全姉はアンドラステですが、同配合で未勝利も出ているだけにやはり安定感に欠く種牡馬であることは間違いありません。
馬体はやや小さめで、オルフェーヴル牝馬にしてはしっかりした造りだった姉よりも頼りなさは感じます。背中は短め、膝下は長めと一見正方形っぽく映るあまりバランスの良くないはずの立ち姿ですが、胴回りの骨格の美しさからそれを感じさせないところがすごいところですね。
膝は若干硬めでも、肩回りの可動域が十分あり、相対的に動きは悪くありません。あと、毛ヅヤの悪いところは未勝利だった兄に共通するところでしょうか。