シルクホースクラブ全頭斬り2023 61-70
シルクホースクラブ全頭斬り2023 51-60
51.ローブティサージュの22(キズナ)★★★★
今年の募集馬はサンデーからそうですが、とにかくキズナに良い繁殖をつけて高額募集するということが主眼に置かれているように見えます。しかし、ここまで結果が出ているとは言い難いローブティサージュの仔で1億円とは驚きました。厩舎も含めてかなり自信があると見えますね。
毛色が余計そうさせているのかもしれませんが、確かに見栄えはします。膝下が長く、一見緩くなりそうな造りでも歩様はキビキビとしてスムーズで、飛節のブレがなく見た目以上に芯が通っています。
ただし、価格ほどの魅力があるというようには見えなかったですね。
52.ガルデルスリールの22(ハービンジャー)★★★★
ハービンジャー×ダイワメジャーはナミュール配合ですね。ガルデルスリール産駒はシルクで募集されても渋い成績が多かった中、モリアーナがそこそこ走ってしまったので、あまりイメージが良くないかもしれません。とはいえまだまだ母は若く、巻き返しの余地はあるでしょう。
この母の仔は馬体はいつもまあまあ良く見せるのですが、兄弟と比較するとやや小ぶりではあります。全体的なバランスは崩れていないながらパーツパーツの造りは並というレベルなのですが、歩かせると非常にバランスが良く、安定感の中に可動域もしっかりあるという理想的なものがあります。真っすぐ脚も出ていますし、返しもOK、飛節のブレも少なく、減点が少ないという感じですね。
53.サロミナの22(ドゥラメンテ)★★★★
おそらくトップレベルの実績合戦になるであろう本馬は、実績完璧な母系に今は亡きドゥラメンテ産駒ということで抜群の希少性が加わって、大変なことになりそうです。ブラックタイプのある馬だけでなく、今年の2歳馬サフィラも相当人気を集めており、さらに枝葉が広がっていきそうな雰囲気がありますね。
サロミナ産駒の特徴として何が良いかと言われると胸囲で、どの馬もエンジン性能が高いです。サラキア180cm、サリオス186cm、サフィラは181.5cmと馬体のサイズに比較して大きいですね。そしてこの馬も178cmですから十分でしょう。
父がドゥラメンテに替わり、背中が少し長めになり牝馬ながらマイラーよりもオークス向きぐらいの造りになっています。現状はまだ腰回りが完ぺきではなく緩さも感じますが、これは成長とともに解消していくのではないでしょうか。
本来★5とかそれ以上のレベルなのですが、一点だけトモの歩様に左右差があることだけが気になりました。横からの動画で分かりやすいですが、右が顕著に入らない。これがどうかだけですね。
54.ステップオブダンスの22(ドレフォン)★★★★
母は地方競馬の名牝ではありますが、クラーベセクレタの仔などもなかなか中央では上級条件に行けないところもありますので格としてどこまで通用するかは分かりません。ただ、牝系はほとんど中央で走っているのでその点は安心感があります。
馬体は高野厩舎で鍛えがいのある中サイズのドレフォン産駒。前進気勢もあり、ダートのマイル路線ぐらいで頑張れそうなものを持っています。
この血統らしく膝などはちょっと硬いかなとも思いますが、後肢の可動域は及第点。短い繋ぎはダート向きではあるものの、もう少し長さがあった方が負担は少ないかなと思います。
55.ディライトプロミスの22(ドレフォン)★★★
母のディライトプロミスはキャロット出身、2,000万円で募集され2勝。○外ですし、いかにも繁殖牝馬としては面白そうですが、3勝しないとアワブラにならないという厳しさを感じるシルク募集です。いかにもサンデー系をつけて芝馬を産むというイメージかと思いましたがドレフォンでダートに寄せるのは意外でした。
1月下旬生まれで尺はしっかりありますが、まだトモ高で成長余地があります。弓脚気味なのは母と同じ傾向。それでもその母が元気に21戦できたので丈夫さはありそうですね。
肉付きが良いものの、背中が長いですし、まだまだ変わってきそうなので、将来的にはかなり大柄なタイプに育つ可能性もあり、そうなると重さが気になるかもしれません。
56.シャクンタラーの22(ドレフォン)★★★
シャクンタラーの仔はこれで4世代連続の牝馬。初仔マニカルニカは惜しくも未勝利。2番仔も現時点で未勝利となかなか結果が出せていないにも関わらず、それでもなお募集価格は上昇するという近年の相場のヤバさを感じます。
馬体は4月生まれということもあり、他のドレフォン産駒より完成度は低いものの、すでにサイズ的には平均レベルまで来ているので、先々は母同様に大きくなりそう。これが緩さにつながらなければといったところ。胴回りがしっかりしているのに対し、斜尻気味ですので、もう少しトモにボリュームが欲しいですね。
一方、歩様はドレフォン産駒にしてはかなり軽さがあります。前肢はちょっと硬めなので、ダートでも行けるタイプですが、母同様芝にチャレンジしても面白そうです。
57.ルナステラの22(ルーラーシップ)★★★★
ルナステラもまた華の15年産世代。ディープ牝馬の筆頭格として物凄い人気を集めましたが、ライバルたちには及ばない3勝。これでも十分立派な成績だと思います。母系はピラミマですから超一流。さらにルーラーシップ×ディープインパクトは古くからのニックスで今年の3歳世代で猛威を振るいました。
ポイントはしっかり捉えた良いプロフィールですが、やはりディープ肌の初仔なだけに、サイズの懸念は残ります。そしてルーラーシップ産駒の傾向としても大きい馬に活躍馬が集中しているので、これもまたマイナスです。
黒光りする馬体はさすが良血馬という一目見てバランスの良さが際立ちます。筋肉の質感も良く、立ち姿は良いですね。後肢の踏込なども良いのですが、肩の捌きがイマイチなので前肢はあまり出ません。サイズ面が期待できないなら柔らかさで勝負したいところなので、ここがもうちょっと動いてくれると良かったのですが。
58.ハウナニの22(ナダル)★★★★★
活躍馬多数のシラユキヒメ一族の中でもこちらは芝で2勝。白毛一族もいよいよ4世代目にかかってきましたね。血統的にはナダル×ロードカナロアということで、かなり新しい構成ですので、データはありません。ただ、初仔なのでサイズを出したいということでこの馬を配合したのだろうなということはわかります。
馬体は4月下旬生まれらしく尺はまだちょっと足りませんが、造りとしては幼さを微塵も感じません。前後とも筋肉量が豊富でパワフル、いかにも硬そうに見えて可動域もしっかり取れています。また、飛節のブレがほとんどないのも、遅生まれを考慮するともう一推ししたくなるポイントです。
59.メリーウィドウの22(ナダル)★★★
産駒成績は上々のスタートを切ったメリーウィドウ。ダート一本の血統構成ながら牝馬で結果を出してきたのはすごいことだと思います。それでもまだ募集価格が上がりきっていないところが、この馬のおいしいところ。
とはいえ、さすがに尺がおかしなことになっています。いくらナダルが巨漢馬とはいえ、3月生まれの牝馬で514kgは規格外。体高と胸囲も半端ないです。カタログ写真よりも動画でキ甲が抜けているので、そろそろ成長は止まるかとは思いますが…。
驚くのはそれに比例して動きが重くないところ。可動域十分で前進気勢も見て取れます。繋ぎが長めでやや不安定ではありますが、それが大幅なマイナスとまでは言えないでしょう。
60.ジュベルアリの22(ナダル)★★★
母のジュベルアリはサンデーでいったん募集されてからの取り下げ。実は1位で応募していて、変更を迫られたという幻の1位指名だった馬です。その後ドバイマジェスティは遠い存在になってしまいました。
巨漢馬ナダルと一族みんな募集時にサイズが小さいドバイマジェスティの牝系のカップリングで、真ん中のサイズとはいかず、母系が勝って小ぶりな馬になりました。それでも、これでNGとできないのがこの母系の能力の高さですね。4勝馬のアルナシームもモーリス産駒なのにサイズが小さくてもしっかり走るので、この馬もそういうタイプになる可能性は十分でしょう。
さすがに馬体も成長余地を残しており、まだ非力ですが軽い歩様で可動域もまずまずです。特にトモの容積が足りていないので、ここがもうちょっとついてくるといいですね。また、体重が軽いながらも繋ぎのクッションが良すぎるので、ここまでの印象に反して身体が重くなると寝繋ぎになってしまう可能性は否定できません。
シルクホースクラブ全頭斬り2023 41-50
41.アグレアーブルの22(ビッグアーサー)★★★
母はシルク募集馬で東スポ杯3番人気まで上り詰めた素質馬。その激しい気性が仇となり出世は叶いませんでしたが能力は相当のものがありました。初年度産駒のギャランは3歳世代。早くもセン馬になっているようにやはり気性に課題はありそうです。
馬体は500kg超えで募集された母とは違い、生まれを考慮してもやや小柄なタイプに見えます。目つきがかなり鋭くすでに気性が怪しそうですが、それが短距離での爆発力につながるとみての配合でしょうか。
馬体は膝下が長く、ストライドもそれなりに伸びるので中距離以上というタイプに見えるので、そこがあまりマッチしていないようにも思えます。
42.ジョイカネラの22(Frankel)★★★★★
母はアルゼンチンの活躍馬ですが、あまり成績は鵜呑みにはできないですね。しかし、弟のキズナ産駒はセレクトセールで1.5億円で取引されているように、すでにポテンシャルは市場に評価されているようです。Frankel産駒は母父ミスプロ系との相性も悪くありません。
馬体はかなりの迫力。2月中旬生まれでしっかりしているというものあるでしょうが、やや大柄ぐらいの方が父の産駒は走る傾向にあるようですので、この点も良いでしょう。
トモも大きく踏込も力強いパワー型の芝マイラーになりそうですね。
43.インヘリットデールの22(エピファネイア)★★★★★
見栄えするインヘリットデールの産駒でこの馬は2番仔。初年度のインファイターも人気になりましたが、全く同じ値段での募集となりました。サイズ的には一回り小さいのですが、生まれを考慮するとほとんど同じサイズになるのではないでしょうか。今のところ、インファイターはトップスピードが足りないというようなコメントも出ているので、やや不安はありますね。
馬体はまだ幼さも残しながら、骨格の美しさが目を引きます。また、踏込も深く柔らかい歩様で歩くことができていますね。高野厩舎のハードなトレーニングに耐えられる体作りには少し時間はかかりそうですが、現時点でもなかなか良いと思います。
44.サラキアの22(エピファネイア)★★★
元出資馬サラキアの初仔。優秀なSライン牝系ですが、説明不要でしょう。初年度に迎えたエピファネイア産駒ですので、ちょっとサイズ面が気になるところ。2月生まれで400kgを切っていることと、母のサラキア最大の特徴であった胸囲が水準どまりになってしまっているので、ちょっと大物感には欠くかなという印象もあります。
馬体のバランスは良く、四肢の連動性も取れているのですが、逆に小さくまとまりすぎている印象もあります。厚みがない分、脚を内側に刺すようにして歩いていますし、繋ぎが短くて手先の軽さもあまりないように感じます。
45.オンディナドバイの22(ロードカナロア)★★★
こちらもアルゼンチンお試し枠といったところでしょうか。初仔の情報はないですが、2番仔にあたります。まず、触れたいのはロードカナロアの母父ミスプロ系との相性の悪さで、個人的にはそれだけで回避したいと思えるレベルです。
また、3月生まれの牡馬とするとサイズ的にもちょっと足りないように思います。ただし、馬体は胸の深さやトモの幅など欲しいところに筋肉がついており華奢な印象はありません。可動域はなかなかよいところがありますが、返しはあまり強くないですね。横から見るとすごくいい馬ですが、後ろから見るとちょっと疑問符が付くように思います。
46.タイタンクイーンの22(ロードカナロア)★★★★
元出資馬ストロングタイタンの妹になります。セレクトセールで超高額取引されたリヤドなどずいぶん遠くの世界に行ってしまったように思いますが、この価格ならまだ納得といったところでしょうか。ただ、母も高齢の域にかかってきましたし、勝ち上がってはいるものの、どんどん成績を下げてきているのは事実ですね。
馬体はまとまりの良い造りで中サイズ。とはいえ、トモの容積などは水準以上で、やや頭は高いながらそれ以外に歩様に気になる点はありません。前からのカットが正面ではなく、やや斜め位置になって見えづらいですが、若干右前脚が内向気味かもしれません。
47.キューティゴールドの22(ロードカナロア)★★
シルクでお馴染みのキューティゴールドの産駒。18歳時の仔ということでかなり高齢の域になってきましたが、まだまだ仔出しは良いですね。本馬が12番仔にあたりますが、3-7歳の4頭で勝ち上がり1頭と最近は大きく外すことも増えてきました。
こちらも他の募集馬で同じファミリーのところに書いた通り繋ぎを確認しなければならないですが、この馬は問題なさそうです。
全体的なバランスからすると、膝下が長くロードカナロアにしては距離が持つタイプになりそうで、母系由来のスラっとした細身の体型が目立ちます。脚捌きはちょっと硬めで、これが悪さしなければいいなという程度。すでに価格ほどの魅力はないように思えます。
48.エスメラルディーナの22(オルフェーヴル)★★★★★
こちらは元出資馬アズールムーンの牝系。早々に重賞勝ち馬を輩出しましたし、同じファミリーからコンシリエーレが海外遠征するなど活力は十分と言えそうです。母11歳時の4番仔ということでちょうど良いぐらいでしょうか。
馬体はまだ幼く緩さを感じる面もありますが、サイズ的には十分でパワフルな雰囲気をまとっています。繋ぎのクッション性に優れて、可動域もしっかりした歩様で、中距離ぐらいに適性がありそうです。
オルフェーヴルを配したからにはやはりダートだろうと思いますが、そうするとちょっと値段のハードルは高いように感じますね。
49.イルーシヴグレイスの22(モーリス)★★★
母はキャロット6,000万円募集で1勝止まり。祖母のイルーシヴウェーヴは高額取引連発の一流繁殖牝馬ですが、大物は結局出てこなかったという感じでしょうか。モーリス×ディープインパクトは確かに活躍馬が出ていますが、事例が多すぎてそれほど相性が良いとは言いづらいかもしれません。
馬体はモーリス産駒なのに小さいというのが最大の懸念点。ディープ肌なのである程度仕方ないかもしれませんが、パワーを生かした競馬をしたいところなのでちょっと気になります。
ただし、動きはなかなか良くてスムーズな歩様で、勢いを感じます。澄んだ目をしていて従順で気持ちの面も良い方に行けば楽しみな存在になるかもしれません。
50.ピクシーホロウの22(モーリス)★★★
シルクのGⅠ馬ピクシーナイトの全妹。さらにフェーングロッテンまで重賞勝ち。弟のエピファネイア牡馬は3.3億円と破格で、この募集価格は相当お買い得ということになります。母馬もまだ若く12歳時の仔ですから、かなり安定して走ってくれそうですね。
馬体は牡馬牝馬の違いこそあれど、ピクシーナイトから60kgも軽く、やや成長はスローに見えますが、胸の深さやモーリス産駒らしい肉付きの良さは健在です。外弧歩様気味でちょっと硬めの歩様なのは気になりますが、スプリント路線を歩むとするならば多少の硬さは目をつむってもいいのかもしれません。