『セント・オブ・ウーマン』(米) | 極私的映画と音楽のススメ

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思い出の名場面に流れていた音楽、言葉などをご紹介

セント オブ ウーマン~夢の香り~
¥1,620
 


なんでこの映画のタイトルが
「Scent of Woman」なのか・・


少年と盲目の元軍人の交流。
少年がアルパチーノと行動を共にすることで
自然に男の生き方のようなものを学んでいく。


恐らくは、イメージで言うと学校で教科書開いたって
学べないし、アルパチーノから頭ごなしに
言われたとしてもきっとすんなりと学ぶことは
出来なかったと思う。


最初は、おそらく何の考えもなしに行動を
ともにしていただけの二人。


ともに歩んでいくその道すがらで、
おそらくアルパチーノは、少年が
少しずつ成長していることに気づいていったのかもしれません。




それが最高潮に高まるのは
ガブリエル・アンウォーとのダンスシーン。

あの瞬間、おそらくは畏怖に近い概念だった
アルパチーノへの想いが、尊敬・憧れに変わったのでは
なかろうか・・


その瞬間から、彼らの絆はきっと、フツーの兄弟や親子以上に
高まっていったんでしょうね。


そのきっかけとなった場面に恐らく漂って
いたであろう香り。

その香りは、少年が大人へと変わっていく過程で記憶される
香りだろうし、アルパチーノへの想いが変わっていく過程でも
また記憶された香りなのでしょうね。



この香りは、きっとこの道中の中でも
一番思い出深い記憶として、いつまでも少年の中に残るはず。



ラストシーンも感動的ですが
これすら、この流れの延長上に過ぎない。



「Scent of Woman」。
映画を見ている我々は一生懸命想像するしかないその香り。
それこそが、この映画の主題なんだと思いました。



でもこういう経験ってありません?
ちょっと年上の女性にあこがれてみたり。

なぜか匂いまで記憶に残っている思い出とか。


その匂いの近くには、憧れの女性がいたのではないでしょうか?

なんとなくちょっと昔の自分のことを思い出してしまいますね。
青春は心の若さとも申します。
この映画を見て、ちょっと昔をすんなり思い出せたとしたら・・
きっと、まだまだ心はさび付いていないということなのかもしれませんね。



再掲載(初出:2008/4/24)