『天使が見た夢』(仏) | 極私的映画と音楽のススメ

極私的映画と音楽のススメ

印象に残る映画には印象に残る音楽がある。
思い出の名場面に流れていた音楽、言葉などをご紹介




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この映画を見たのは暇だったから・・


何にもすることがなくて、じゃあ映画でも見ようか、水曜日だし・・・

(当時横浜では水曜日は映画の日で、1000円で見れたのだ。いまもそうかな?

わざわざ横浜まで出かけたりしたものだ)

とまあホントに軽い気持ちだったわけだ。




ところがどっこい、これが、一生思い出に残る映画になってしまった。

めぐり合わせというのは、不思議なもんです。




これはエリック・ゾンカ監督のたしかデビュー作。


二人の女性の物語。

気ままに生きる者(エロディ・ブーシェ)、生真面目に(やや翳りをもって)生きる者(ナターシャ・レニエ)。

その対比。




この映画に音楽らしい音楽はないし、サントラなんてつくれっこないくらいなんだけど、

この映画には音楽なんていらない。

ただ、二人の人物がいて、ごくフツーの日常がある。

それだけでいいんだ。



街をあるく足音、通り過ぎる人のしゃべり声、車の音、テレビの音、手紙にペンを走らす音・・

それらの音がとてつもないリアリティをもって迫ってくる。




でも、一番大切なのは、一生懸命生きている二人の姿。

その二人の言葉こそがこの映画で一番重要な音だと思う。




再掲載(初出:2005/7)