『レインマン』(米) | 極私的映画と音楽のススメ

極私的映画と音楽のススメ

印象に残る映画には印象に残る音楽がある。
思い出の名場面に流れていた音楽、言葉などをご紹介

レインマン (アルティメット・エディション) [DVD]/ダスティン・ホフマン,トム・クルーズ,バレリア・ゴリノ
¥2,990
Amazon.co.jp


兄弟の絆


親子の絆


これらは目に見えないところで、ほとんどの場合、無意識下に存在しているのかもしれません。



毎日の生活で、疎ましく思ったり、そこにいるのが当然のように感じてしまい邪険にしてしまったり。

ごくごく普通の家族の風景だと思います。


でもきっと、見えない絆で結ばれているからこそ、

家族という単位は機能しているんだと思います。



でもこの絆は、見えないからこそ、普段は意識していないからこそ厄介なもの。

たとえば、家族間の誤解など、意識上で感じてしまったものにとらわれると

見えない絆よりも、見える現実に縛られてしまい、誤った行動をとってしまうこともありえます。



兄弟、姉妹であれば、なぜ私よりも妹を可愛がるのだ・・とか

良くあることなのかもしれません。



でも、きっと見えない絆は決して消えることが無いからこそ、

成長していくにつれ(親の年齢に近づいていくにつれ)、

きっとその時の親の気持ちを理解できる時期がくるんだと思います。

(個人によって、それが訪れる時間の差はあると思いますが。)



僕も今になって、子供のころ、向けられていた親の愛情をより深く

理解できるようになりました。



この映画の、弟トム・クルーズは、父親に対して

そんなわだかまりを抱えたまま、家を飛び出して、家族から離れて暮らすことを選択します。

彼の心に会ったのは、幼いころの、なぜ父さんは、兄貴ばかりかまうのかという感情。

自分の方も見て欲しいのに。


でも、父の死後、遺産目当てで地元に戻り、兄の姿を目にした瞬間、

きっとその瞬間が、トム・クルーズのわだかまりが氷解する時期だったんだと思います。


自閉症の兄との心の交流を通して、彼自身の凹みがしだいに

修復されていきます。



ここにいたって兄との交流を通して、理父親の本当の気持ちを理解することになります。



ダスティン・ホフマンの演技ももちろんすばらしいのですが、

人間をきちんと描けている作品だとおもいます。



最近の映画では見られない、人間を描くということ。

この作品を改めて見てそれを感じてしまいました。



ご覧になってみてくださいね。


レインマン アルティメット・エディション (初回限定生産) [DVD]/トム・クルーズ,ダスティン・ホフマン,バレリア・ゴリノ
¥4,179
Amazon.co.jp

再掲載です(初出:2005/11)