我が家は洋楽大好き家族で
邦画を一緒に見ることはなくても
洋楽を劇場に見に行くことは
結構ありました。
けど
今から50年以上前のことですから
映画を見る=テレビ放映で見る
のが大半でした。
ある日
父がたまたま出張で不在の夜
夜、というか深夜だったと思います。
母が「一緒に映画を見よう!」
と半分寝ていた私を
ソファの横に座らせて
おもむろにテレビを付けました。
いつも
「子供は早く寝なさい」
という母が珍しいなぁ、、、
と思いつつテレビを見ていたら
子供でも驚くほどの美男子が
ドアップになりました‼️
それこそが
世紀の二枚目、アランドロン様でした
その映画自体は
物凄く陰鬱で
心が折れそうになりましたが
なんとか最後まで鑑賞出来たのは
ひとえにアランドロン様の
麗しのお姿を見続けたかったからです。
ちなみにその映画は
「影を殺した男」です。
映画を見終わった母と私は
「暗い映画やったなぁ」
と言いつつも
「めちゃくちゃカッコよかったなぁ」
と目がハートでした。
思えばこれが
私の初恋であったように思います。
その後は
アランドロン様の映画を
機会あれば母と鑑賞しました。
映画館のリバイバルで見た
「太陽がいっぱい」は
大画面のアランドロン様のお顔に
小さな悲鳴を上げた記憶が、、、
こんな瞳で見つめられたら
一巻の終わりですよ、ホント‼️
が、しかし
いつ頃からか
あまりアランドロン様のお姿を
見かけなくなり
私の頭の中から消え去ろうとしていた時に
新聞広告にドーン!と出たのです。
なんとアランドロン様に会える
ヨーロッパ旅行✈️
今見たらお値段お手頃❗️
一瞬申し込もうかな、、、
と思ったものの
その頃の私はホテルジャンキーと化していて
「どうせロクなホテルじゃない」
「ディナーだってしれてる」
などと判断して
申し込まなかったのです、、、
今、ちぃと後悔してます。
それからまたまた月日が流れ
スマスマにアランドロン様が登場して
お年を召してもダンディだわぁ
とまたまた目がハートになりました。
その後
もう一度「太陽がいっぱい」を
友人Sちゃんと
午前十時の映画祭で見て
「性格とか職業とか収入とか何とか
そんなものどうだって良いよね、
ここまで美しいのなら」
と2人で語り合いました。
アランドロン様は
まるでアポロンのようだわ。
とどこか頭の中で神格化されて
永遠にこの世に止まる気がしていました。
そう、本当に
この前のニュースを見るまでは。
享年88歳。
そう、アランドロン様は
人間だったのです。
そんなことわかっていたのに
どこか胸にぽっかりと
穴が空いたような感覚です。
どうか安らかに。
天国でも光輝いてください。
私はまた
映画をポツポツと
見直そうと思います。