トランプ氏、イスラエルのカタール空爆に「私の決断ではない」と不快感表明

トランプ米大統領
【ワシントン=大内清】
トランプ米大統領は9日、イスラム原理主義組織ハマス幹部を狙ったイスラエルのカタール空爆について、
「米国やイスラエルの目標を前進させるものではない」
と不快感を示した。
自身のSNSに投稿した。
トランプ政権はパレスチナ自治区ガザでの戦闘終結と人質解放を目指しており、
イスラエルの手綱を握れるかどうかが今後の交渉の焦点となる。
【写真】カタールの首都ドーハで9日、複数回の爆発音の後で煙が上がった
トランプ氏は投稿で、
「これは(イスラエルの)ネタニヤフ首相の決断であり、私の決断ではない」
と強調。
同国の行為は
「主権国家であり米国の密接な同盟国であるカタール国内への一方的な空爆」だと
指摘した。
また、「空爆が差し迫っていることをカタールに通知するようウィットコフ中東担当特使に即座に命じ、実際に彼(ウィットコフ氏)はそのようにしたが、残念ながら攻撃をとめるには遅すぎた」と説明し、
イスラエルからの通告が空爆直前のタイミングだったことをうかがわせた。
投稿によるとトランプ氏は空爆後、
ネタニヤフ氏やカタールのタミム首長らと電話会談。
カタール側には
「このようなことは二度と起きないと保証した」とした。
トランプ氏は5月、2期目で初の本格外遊としてカタールを含む湾岸アラブ3カ国を歴訪し、
巨額の対米投資に向けた合意を引き出した。
富裕な湾岸地域はトランプ氏が好む実利優先のディール(取引)外交で中心的な位置を占めるだけに、
カタールへの対応には細心の配慮がにじむ。
一方、トランプ氏はネタニヤフ氏とも近い関係にある。
ガザで飢餓の深刻化が指摘される中でもイスラエルに露骨な圧力をかけることは避けており、事態を制御できていないのが現実だ
トランプ氏、イスラエルのカタール空爆に「私の決断ではない」と不快感表明(産経新聞)