国連安保理がカタール空爆に「深い遺憾」 米国も異例の同調

米ニューヨークにある国連本部=2024年10月1日、八田浩輔撮影
国連安全保障理事会は11日、イスラム組織ハマス幹部を標的にしたカタールでの空爆を非難する報道声明を発表した。全会一致の声明は、空爆を実施したイスラエルの名指しを避けたが、常任理事国の米国が実質的なイスラエル批判に同調するのは異例で、トランプ政権の強い不満を反映している。
声明は英国とフランスが起草した。パレスチナ自治区ガザ地区での停戦に向けたカタールの「重要な仲介役」としての役割を強調し、民間人の命が失われたことに「深い遺憾」を表明。国連憲章に基づくカタールの主権と領土保全への支持を確認した。その上で、ハマスに殺害された人たちを含む人質の解放と、「ガザにおける戦争と苦難の終結」が最優先の課題と位置づけた。 安保理でこの日に開かれた緊急会合には、カタールのムハンマド首相兼外相が出席し、「イスラエルは和平へのあらゆる期待を台無しにしようとしている。パレスチナの人びとの苦しみを永続させようとしている」と非難する一方、仲介努力は継続する意思を示した。
【ニューヨーク八田浩輔
国連安保理がカタール空爆に「深い遺憾」 米国も異例の同調(毎日新聞