週中競馬記事(2024年5月21日)~リーディングサイアー展望・回顧~ | ブログ

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今週は3回京都・2回東京最終週の2場開催

G1日本ダービー、G2目黒記念、G3葵Sの3重賞実施週

 

●1位(1位)キズナ(19億3545万9000円)(75勝)

(18億2295万5000円)(73勝)

先週は2勝クラス特別など2勝。G1オークスで勝ち馬は出ませんでしたが3着ライトバック、4着クイーンズウォークの2頭入着。G3平安Sでもハピが2着して週間1億円超えの加算でリードを広げ首位キープ。2位ロードカナロアも好調で思ったより差は開かなかったというのが正直な感想ですが今週は更にチャンス到来で、年度末などに振り返って見れば本年のリーディングを決定付けるような週間となっても。

 

G1オークスの3番人気ライトバックは3着。気性に難しいところがあり後方一気しか手がないような現状なので最後も狭い所を割って出て良く伸びたということでしょう。それより前の位置で立ち回った2頭の方が上りも僅かに早く(1着チェルヴィニア34秒0、2着ステレンボッシュ34秒0、3着ライトバック34秒1)桜花賞に続きオークスも3着。世代牝馬上位グループの一角であることは間違いないでしょう。

5番人気クイーンズウォークは4着。8着に敗れた桜花賞と同様に1枠2番からの出走でどうかと思われましたが着順を上げ上位入着。距離延長が良かったというよりは直線バラける東京の方が向く印象。馬体重522キロの出走で記録が残る中では07年ザレマと並び最高馬体重の出走だったようですが適した馬体重であればこのように上位には来るのでしょう。本年は勝ち馬チェルヴィニアも482キロと近年の勝ち馬としては大きめの部類だったので。

6番人気タガノエルピーダは16着。このように大敗するのならミルコが大出遅れをカマしレース途中から無理に仕掛けて直線で脚をなくすケースと考えましたが、外枠から位置を取りに行き行くだけの馬に行かせ良いポジションには収まったものの直線伸びず。結果としては初の左回りや東京への輸送、スタンド前発走なども影響したのかも知れません。G1朝日杯フューチュリティステークス3着もありますが過去2勝は阪神内回りなので内回りの秋華賞ならば。収得賞金1600万なのでクラス再編成後は3勝クラスに落ちますが、賞金は足りるでしょから秋華賞に直行でも良いでしょうし自己条件やTRを1走しても。ダートでも面白いような血統なので選択肢も色々あると見ますが。

 

G3平安Sは3番人気ハピが2着。G1天皇賞(春)の競走中止明けで心配もありましたが早々にここへ目標を切り換えていたようで連対確保の好走。勝ち馬ミトノオーにクビ差で逃げ切られ競走中止明けでも勝負弱さの方も変わらなかったようですが芝よりはやはりダートなのでしょう。

2番人気ハギノアレグリアスは7着。人気も上位だったように産駒2頭ではこちらが前に来ると見ていましたが着外に。狭い所に入って伸び切れなかったようなコメントが出ているのでスムーズならばこれほど負ける馬でもないでしょう。7歳以上馬で唯一の出走でしたが休養期間も長く脚元さえ問題なければまだまだやれると見ますが。

 

日本ダービーにはG3共同通信杯、G1皐月賞でG1レース1勝・重賞2勝、前走G1皐月賞1着で優先出走権を獲得した3戦3勝ジャスティンミラノ。

前走G2青葉賞2着で優先出走権を獲得したショウナンラプンタ。

前走G2スプリングSで重賞1勝シックスペンス。

前走G2京都新聞杯で重賞1勝ジューンテイク。

OP(L)若駒S1着、前走G1皐月賞12着サンライズジパングの5頭が出走予定。

 

ジャスティンミラノは前走G1皐月賞を1分57秒1のレコードで勝利して3戦3勝。新馬やG3共同通信杯は東京で勝利しており東京替わりどうこうというレベルの馬でもなさそうですが東京が悪いということはないはすで道悪にもならないようのでニ冠達成の可能性は十分。厩舎は日本ダービー3勝の友道厩舎。想定は戸崎圭太の継続で日本ダービーは18年エポカドーロ、19年ダノンキングリーで2着2回。

ショウナンラプンタは前走G2青葉賞2着で優先出走権を獲得して出走。青葉賞組不振のレースでG1日本ダービーと同距離・同コースのTRながら勝ち馬が出ず短期間に芝2400mを2走するのが因とも言われますが単に皐月賞で勝負になるような馬が日本ダービーを勝つため皐月賞をスキップしてスクーリングのような形で東京芝2400mを使うこともないので。かつてはそれ以上に強く歴史的名馬となるような前に敗れた青葉賞出走の日本ダービー2着馬もいましたが近10年では14年12番人気3着マイネルフロスト、23年3着ハーツコンチェルトの3着2回が青葉賞出走馬の3着内。データの隙を突くようなことをすれば非常にレベルの低い年度の日本ダービーとはいえ昨年3着ハーツコンチェルトは勝ち馬と同タイム、過去10年では該当外となる11年前の13年はエピファネイアが2着に入っていますので、当時の勝ち馬が本項のキズナですが。12年前12年も青葉賞勝ち馬フェノーメノがハナ差2着。13年前11年ウインバリアシオンも青葉賞勝利から道悪競馬で3冠馬オルフェーヴルに敗れ2着。青葉賞について長くなりましたがそれだけ上記ジャスティンミラノが勝利した皐月賞組優勢といえるでしょう。想定は鮫島駿の継続。

シックスペンスはG2スプリングS勝利から。スプリングS後に皐月賞はこの馬が勝つと見ていたのですが膝に不安があるとのことで回避し日本ダービー1本に絞ったとのこと。先週のステレンボッシュこそオークス2着でしたが牝馬三冠2頭の国枝厩舎所属馬で悲願の日本ダービー制覇へ向けて異例のローテですが万全を期してこちらに狙いを定めたと見れば、東京出走経験はありませんが前走の内容ならば。直行ではありませんがスプリングS勝ち馬の勝利となれば阪神実施の11年スプリングS勝ち馬オルフェーヴル以来、中山のスプリングS勝ち馬では06年メイショウサムソン以来でいずれも皐月賞・日本ダービーの勝ち馬。スプリングS勝ち馬で皐月賞不出走の日本ダービー馬となれば史上初と思われます。想定は川田将雅のテン乗り、乗り替わりやテン乗りで勝てないレースでしたが長く続いたそのデータも昨年破られましたので。日本ダービーは18年マカヒキでで勝利。

ジューンテイクはG2京都新聞杯1着から。非皐月賞出走馬では京都新聞杯出走馬となりますが近10年は15年6番人気2着サトノラーゼン、19年12番人気1着ロジャーバローズの2頭が連対。本年の京都新聞杯自体のレベルも高いとは思えませんが2歳7月に中京芝1400mの新馬戦を勝利し今回がキャリア10戦目、年明け4走目など上積みといった点も疑問ですが前走は京都で勝利したとはいえ手前の関係で左回りが向きそうなので東京は初出走ですが買い材料としてはそこでしょう。想定は左回り中京で騎乗し2勝の岩田望来に戻る形。

サンライズジパングは皐月賞9着から。G2弥生賞ディープインパクト記念を使えずにOP(L)若駒S1着以来3ヶ月ぶり、最内枠からの出走も苦しかった中では良く走っていますがここからの逆転は?未勝利勝ちはダートで交流重賞ではフォーエバーヤングの2着などもありダートの方が向くのかも知れませんが2歳G1ホープフルステークスでは大きな不利があって3着など能力さえ発揮できれば。レースぶりからは中山で一瞬の脚を生かす方が向くようにも思えますが。想定は菅原明良の継続。

G1日本ダービーは05年ディープインパクト、13年キズナが勝利しており父系3代制覇も懸かる一戦。

 

目黒記念にはジューンアヲニヨシが登録。

2勝クラス・3勝クラスの特別戦を連勝しての出走ですが東京初出走も不安ですが関東エリア初出走の関西馬。芝2400mの前走3勝クラス烏丸Sを2分22秒6のタイレコードで勝って来て時計は超高速だった京都ゆえで距離も100m延長ならこなすのでしょうが、スタート地点の関係からヌルイ坂とはいえ2度の坂超えとなる東京芝2500m戦でこれが合わない可能性も。想定は池添謙一の継続。

 

葵Sには産駒登録なし。

非G3格当時の20年には1着ビアンフェ・2着レジェーロで産駒ワン・ツー。

 

G1日本ダービーは(カッコ内は昨年の付加賞)1着3億円(2734万9000円)2着1億2000万円(781万4000円)3着7500万円(390万7000円)なので日本ダービー3着以上馬を1頭出せば今週で獲得賞金20億円突破が確定、4・5着でも3着の本賞金と同じ7500万。それ以上に大きな獲得賞金も想定されますが

昨年は日本ダービー実施週時点で13億7334万9000円(54勝)の順位5位、日本ダービー出走の産駒もなく翌週のG1安田記念をソングラインが勝利したような年度。昨年はG3関屋記念など実施の8月13日時点で獲得賞金20億円突破とこのペースを上回るのは確実。昨年は8月1週目に700万ほどの加算しかなかったところから次週に大台突破で、3歳戦の成績なども含め昨年度と出来が全く違うというより今シーズンは種牡馬キズナの獲得賞金キャリアハイとなることも確定的。19年の産駒デビューから常に前年度の獲得賞金を上回っており昨年は32億円台の獲得。次週で獲得賞金20億円突破が想定されることからそのような見解で差し支えないでしょう。

 

●2位(2位)ロードカナロア(17億7697万6000円)(78勝)

(16億9271万6000円)(74勝)

先週はOP韋駄天Sなど4勝で獲得賞金17億円突破。前回16億9000万円台だったので17億円を超えてもロードカナロアなのでどうということもないのですが、重賞出走馬がない週間に8400万ほど加算してもキズナに離されてしまったということでまた苦しくなってしまったでしょう。G1オークスの産駒出走状況などを考えれば良く耐えたと思いますが「良く耐えたポイント」などが加算されるものではないので…。初芝で直線競馬のOP韋駄天Sを勝利したチェイスザドリームも陣営のレース選択を含め見事でしたが、それも「初芝で直線競馬のOP特別を勝利ポイント」などが入らないので、OP特別1着賞金なので小さくはないのですが。

 

日本ダービーには産駒登録なし。

昨年はベラジオオペラ4着で4500万の獲得。

 

目黒記念にはクロミナンスが出走予定。

本年のG2アメリカジョッキークラブC3着、G2日経賞2着なので有力ですが東京の時計勝負になるとやや不安でしょうか。本年は登録時点で14頭と目黒記念としては頭数も少なくスローの展開なども考えられますが、ハンデは57.5キロ。想定は騎乗時過去3勝のクリストフ・ルメール、目黒記念は06年から日本ダービーと同日の最終レースで実施されており(2011年目黒記念は日本ダービー前日の土曜実施)クリストフ・ルメールも17年に日本ダービー レイデオロ・目黒記念フェイムゲームで勝利し昨年はダミアン・レーンが日本ダービー タスティエーラ・目黒記念ヒートオンビートで同日重賞勝利もありますが有力騎手はこの点に注意も必要となるでしょうか。

 

葵Sにはアスクワンタイム、ナナオ、ロードフォアエースの3頭登録。

アスクワンタイムはG3小倉2歳S勝ち馬、その後の重賞では苦戦していましたが前走OP(L)橘Sで4着。これも相手関係によるものといえそうな10頭立て4着、フルゲートとなりそうな今回はそこもポイントでしょうか。デビューから3戦目までに走った芝1200mは重賞勝利も含め2勝2着1回なので距離短縮はプラス、差せるタイプの短距離馬なのでハイペースに巻き込まれ直線バッタリ止まって大惨敗するようなことはないと思われますが、とにかく夏の小倉に強い一族なので狙いはそこかも知れません。想定は重賞勝利時の岩田望来に戻る形。

ナナオはOP(L)マーガレットS勝利から。重馬場のG3函館2歳S2着馬で道悪適性と仕上がり度だけで重賞連対した牝馬のように見ていましたがその後もOPもみじS、前走OP(L)マーガレットSも勝利。先週のステレンボッシュとは出ているレースの質も違いますがこの馬も勝ち負けを繰り返す連勝のないタイプ。前走も重馬場で勝利しており、かなりの道悪巧者ですが今週は良馬場実施となりそうなので。前走は2月末の3歳牝馬ながら56キロを背負って勝利し今回は55キロになるのでプラス要素もありますが。想定は和田竜二の継続。

ロードフォアエースはOPバイオレットS2着から。収得賞金900万組で登録時は10/15で出走可能。前走はダートOPで2着しているようにダート馬でしょうけど2歳9月の新馬戦は阪神芝1600mでクビ差2着。未勝利勝ちはダート1800m、前走は芝スタートのダート1400mにも対応したので芝適性よりも初距離の1200mに対応できれば。想定は坂井瑠星。

 

重賞登録馬も見られますが、ロードカナロア側からの視点ではとにかく耐えるというか今週もキズナ産駒のG1勝利がないことを待つしかないでしょう。言葉を選ばず端的にやってしまえば「クロミナンスが目黒記念勝って葵Sワン・ツー・スリー、日本ダービーでキズナ産駒が全頭着外!」ということですが逆の方が可能性は高いような気もします。

 

●3位(3位)エピファネイア(14億2266万円)(41勝)

(12億9215万2000円)(37勝)

先週は3勝クラスエアグルーヴCなど4勝とその時点でも好調といえる週間でしたがG1オークスで1番人気ステレンボッシュが2着。獲得賞金は前回の12億円台から14億円まで突破。

 

G1オークスのステレンボッシュは勝ち馬から半馬身差の2着と立派で、負けたというよりは勝ち馬が強かったとなりますが桜花賞馬ですしそこまで行ったのなら3歳牝馬ニ冠を取り切ってほしかった気も。G1阪神ジュベナイルフィリーズ2着時に騎乗のクリストフ・ルメールの確保に負け、レース序盤に落鉄していたようでそれらが敗因とも考えられますしノーザンファーム生産馬ですが社台グループオーナーズの所有馬で牝馬を日本ダービーとオークスに使い分けている厩舎のサンデーレーシング所有馬に譲ったとも?

 

日本ダービーには前走G3京成杯で重賞1勝ダノンデサイル。

G3きさらぎ賞で重賞1勝、前走G1皐月賞13着ビザンチンドリームの2頭が出走予定。

 

ダノンデサイルはG1皐月賞を馬場入場後の跛行によって競走除外となったのでG3京成杯以来4ヶ月ぶりの出走。出走してくるからには問題ないのでしょうが順調とは言い難い臨戦過程となって東京出走も2歳新馬戦4着のみ。同一オーナーにもう1頭の出走馬があるので勝たないブックならば引くというか、ありえないほど後方に下げて全く届かないか最後は歩いて30秒ほど負けるような大逃げを打つデタラメな騎乗をする危惧も。ということで想定は新馬戦から全て騎乗の横山典弘。日本ダービーは09年ロジユニヴァース、14年ワンアンドオンリーで2勝。

ビザンチンドリームはG1皐月賞13着から。G3きさらぎ賞を勝利して2戦2勝で挑んだ前走は直線で不利もあり大きく崩れましたが不利がなくとも勝ち負けにはならなかったでしょう。きさらぎ賞も大出遅れからゴール前の大接戦をなんとか差し切り。京都実施に戻ったとはいえ近年のきさらぎ賞同様に本年もレースレベルは低く不利を克服して勝ったというよりは、そのようなまともにレースをできない馬でも勝ち切れるレベルだったのでしょう。オークスは前走13着馬の勝利、本馬は皐月賞13着ですが2週続けて3歳牡続牝最高峰のレースで続けてけて出るようなものでもなく基本的にはここまで負けてしまっていては無理でしょう。過去10年勝ち馬の前走着順で最低なのは18年ワグネリアンの皐月賞7着、3着内でも20年3着ヴェルトライゼンデの皐月賞8着。これまで騎乗していたのは短期免許のムルザバエフ、ピーヒュレクなので乗り替わりとなって想定はテン乗りの西村淳也。日本ダービー初騎乗予定。

 

今週の重賞登録馬は日本ダービーの2頭のみ

産駒ワン・ツーならばトップに迫りますがさすがにそこまで望むのは酷でしょう。過去産駒出走は21年2着の皐月賞馬エフフォーリアのみなので連対率は100%とも言えますが。

 

●4位(4位)ドゥラメンテ(9億7786万1000円)(47勝)

(9億3145万9000円)(45勝)

先週は3勝クラス特別2勝でしたがその割に獲得賞金が伸びず週間で5000万の加算に満たず。G1オークス出走馬はサンセットビュー7着でこちらは頑張りましたが、ミアネーロ14着と重賞勝ち馬ながら大敗。過去2年はスターズオンアース、リバティアイランドで桜花賞から連勝も本年は賞金加算なし、昨年はドゥーラも3着しており同時期の獲得賞金は16億8888万4000円(46勝)

世代数増の関係で勝利回数は本年の方が多いのですがこれではさすがにリーディング獲得とは。

前記のオークス馬2頭も休養中で復帰戦が中央重賞となっても怪しく、リーディング連覇どころかトップ5内の維持すら怪しいような状況。

 

日本ダービーには前走G2青葉賞で重賞1勝、G2青葉賞1着で優先出走権を獲得したシュガークンが出走予定。

もう1頭登録のOP(L)若葉S1着、前走G1皐月賞10着ミスタージーティーは登録時1/2抽選で出走可能(※抽選なしで出走可能の見込み)。最大2頭出走予定。

 

シュガークンはG2青葉賞1着から。キタサンブラックの半弟で厩舎や主戦も同一ということで話題先行の感もありましたが前走で重賞制覇。しかしこれが上記でもやったように日本ダービー鬼門とでもすべき青葉賞の勝ち馬で皐月賞との比較からも厳しいでしょう。半兄キタサンブラックもスプリングSを勝利し皐月賞でも3着していましたが日本ダービーは14着。良くなったのはG2セントライト記念勝利の3歳秋以降で菊花賞も勝利し古馬になってより強くなったような競走成績。父は変わっていますが3歳2月のデビューということからシュガークンも本格化はまだ先ではないかと。3連勝中ですが年明け5走目かつ青葉賞出走馬でどこまで戦えるか。想定はデビュー戦から騎乗の武豊。日本ダービーは過去6勝、直近では22年ドウデュースで勝利。

ミスタージーティーはG1皐月賞10着から。登録時は1/2抽選の対象でしたがサトノエピックが東京ダービーに回るようで抽選なしの出走予定。羽田盃勝ち馬アマンテビアンコが故障で東京ダービー回避、サトノエピックが繰り上がりで本線のそちらに回ったことで日本ダービーの枠が空いたというような動きかと。OP(L)若葉Sの勝ち馬ですが2歳G1ホープフルステークス0秒5差5着、G3共同通信杯0秒9差7着などそれぞれ敗因もありますが上位グループには届かないといった現状。想定は藤岡佑介の想定で前走は週中に藤岡康太騎手の訃報もあったので条件も厳しく、仕切り直しといった意味では大一番であらためて。

 

今週の重賞登録馬は日本ダービーの2頭のみ。

04年キングカメハメハ、15年ドゥラメンテが勝利しており産駒勝利で父系3代制覇。

 

●5位(10位)ハービンジャー(9億3179万8000円)(33勝)

(6億8439万6000円)(27勝)

先週はG1オークスをチェルヴィニアが勝利。それだけでも大きな獲得賞金でしたが他にOPメイS勝利など週間6勝で獲得賞金は6億8000万円台から9億円まで突破。前回までは10位争いに終始しなんとかトップ10内で耐えていたような状況から一気にトップ5入り。障害未勝利戦の勝利だったのでリーディングに関しては大きな影響はありませんが騎手経験がなく調教助手から転身した坂口智康騎手の初勝利は産駒スピアヘッドによるもの。

 

G1オークスでは2番人気チェルヴィニアが勝利。前走G1桜花賞は13着と大敗していたので良い評価をしなかったのですがG3アルテミスS勝利以来5ヶ月ぶり大外18番枠からの発走。これが桜花賞以外で出走の左回り、重賞勝利のある東京に戻って騎手も復調したクリストフ・ルメールに戻って巻き返したということでしょう。ボンドガール自身はG1NHKマイルカップで不利もあって勝負になりませんでしたがそのボンドガールが勝利した活躍馬が輩出の新馬戦2着馬チェルヴィニアが紆余曲折を経てオークス勝利し実力を発揮すればこの馬だったということでしょう。レースレベルとしては近年の傾向からは高くなければ低くもなくその中で連対2頭が現段階では抜けていたと見ます。

 

今週の重賞に産駒登録なし。

G1オークス勝利翌週のG1日本ダービーに本年は産駒登録なしですが、祖母ランズエッジで母が全きょうだいのいとこ関係となる母エッジースタイルのアーバンシック、母ロカのレガレイラ2頭の母の父として産駒を送り出すことに。

 

●6位(5位)ルーラーシップ(9億427万5000円)(37勝)

(8億8857万5000円)(35勝)

G1オークスではG2フローラS2着で優先出走権を獲得して出走のホーエリートが10着。本年は桜花賞出走馬が上位を占め4月末に3歳未勝利を脱したばかりのランスオブクイーンがその一角を崩しそうな5着に食い込んだという程度で桜花賞以外の路線から出走した組は振るわず。

2000万円の加算にも満たない週間ながら2勝を加算し獲得賞金9億円は突破と、或る意味ルーラーシップらしい週間だったと。

 

今週の重賞に産駒登録なし。

 

●7位(6位)ドレフォン(8億4781万4000円)(35勝)

(7億9008万円)(32勝)

先週は2勝クラス特別など3勝で獲得賞金8億円突破。ハービンジャーが一気に伸ばして前回5位~9位は順位を下げたのでドレフォンもそれに該当しますが未勝利週の翌週は相変わらずの強さでバウンスバックしてくる傾向に。

 

今週の重賞に産駒登録なし。

土曜東京メインOP欅Sに1頭産駒登録。

 

・ダートランキング

1位ドレフォン 6億1284万8000円

2位ヘニーヒューズ 5億3484万4000円

 

ヘニーヒューズ未勝利週で200万円程度しか加算がなかったこともあってドレフォンが大きくリード。上記OP欅Sにはヘニーヒューズ産駒3頭登録で今週に再接近するケースも。

 

●8位(7位)リオンディーズ(7億7407万6000円)(20勝)

(7億6942万5000円)(20勝)

年間順位でトップ10内に残るとは考えませんでしたがこのところ不振でG1天皇賞(春)勝利後はG1NHKマイルカップでロジリオンの3着はありましたが、勝利は2勝クラス特別で1勝のみ。本年の月間勝利回数も1月5勝・2月4勝・3月3勝・4月7勝とコンスタントに勝ち馬を出していたところに5月は1週を残し1勝という状況。G1天皇賞(春)テーオーロイヤルの勝利を含む4月に多く勝っているので今月はその反動といったものとも言えるでしょうか。

 

今週の重賞に産駒登録なし。

 

●9位(8位)ハーツクライ(7億7331万5000円)(28勝)

(7億2513万円)(26勝)

先週は1勝クラス特別など2勝。

G1オークスのサフィラは13着。G3アルテミスSではチェルヴィニアの2着、G1阪神ジュベナイルフィリーズでは上位馬には離されながらも3着。これが年明けのG3クイーンCで輸送に失敗し9着。桜花賞は見送って金曜輸送で馬体重は戻しメンコも着けて対策などを講じたようですが外枠で前を壁にできず本来の決め手を活かす競馬をできず2桁着順に。2歳重賞で好走もありましたが新馬戦から失敗して1戦多く要してしまったりと乗り難しいようで能力は相当のようですが、現状はそれを発揮できないといったところでしょう。ハーツクライ最終世代のオークス出走でもう少し走ってほしくもあったのですが。

 

日本ダービーには産駒登録なし。

近年も22年にドウデュースが勝利し昨年23年はハーツコンチェルト3着と2年連続で産駒は馬券対象となっていましたが最終世代から出走なし。

 

今週の重賞にも産駒登録なし。

葵Sは重賞昇格後の第1回以降産駒未出走で勝利なし。

 

●10位(9位)モーリス(7億4451万円)(33勝)

(7億1787万5000円)(32勝)

先週は未勝利1勝。G3平安Sでは最低人気馬の入着などもあり順位10位でトップ10内に。また10位まで下げましたが年間順位11位以下というのは考え難くリオンディーズが落ちるはずなのでその辺りは心配ないのですが、このような位置で推移するのではなく上位での奮闘も期待したいところ。

 

日本ダービーには前走OP(L)プリンシパルSで優先出走権を獲得したダノンエアズロックが出走予定。

 

4ヶ月ぶりのG2弥生賞ディープインパクト記念に18キロ増で出走し7着。これは馬体重などもあったのでしょうが右回り自体も良くなかったかと。プリンシパルSの勝ち馬などは過去傾向からそれだけで軽視しても良いと考えますがスローにピタリと折り合って楽に差し切ったレースぶりからはここで勝負になっても。そういって勝負にならないのがプリンシパルS組ですがOP(L)アイビーSでは6頭立てながらレガレイラにも勝利。東京では3戦3勝と距離さえ持てば。騎手想定は未定ですが同じく堀厩舎のゴンバデカーブースかダノンエアズロックににジョアン・モレイラでしょうし、白老F生産でG1レーシング所属のゴンバデカーブースならばノーザンファーム生産でセレクト4億9500万取引のダノンエアズロックの方でしょう。先週は中央騎乗ではなくブラジルで騎乗し、そちらでなんらかのトラブルもあったようですが今週は乗れるでしょうしノーザン陣営が乗せるようならば。そうでなければタイグ・オシェアが空いており京都で騎乗しなければ松山弘平も空いているので。2場開催の週間なので佐々木大輔でも面白いとは思いますが。

 

目黒記念には産駒登録なし。

 

葵Sにはガロンヌが登録。

6戦目の3歳未勝利を勝ち上がり前走のOP(L)橘Sを格上挑戦で連勝。初勝利に手こずりましたが新馬は芝1800m、2戦目以降は芝1600mに使われていたもので芝1400m戦に距離短縮され連勝中。更に1ハロン距離短縮ですが昨年も格上挑戦のOP(L)橘Sを勝利したルガルが葵S2着で重なるような面も。ルガルは連闘の橘S勝利でローテはそこまでキツくなく葵Sはモズメイメイがフライング気味のスタートで逃げ切った結果なので。本年はG2フィリーズレビュー勝ち馬でG1桜花賞5着のエトヴプレが登録され牝馬の55キロ出走なので強敵でしょう、実績からはそちらが上位で挑戦する立場となりますが。想定は池添謙一の継続。

葵Sは重賞昇格後の第1回から複数回勝利しているのもエトヴプレ想定の藤岡佑介のみで、勝利時は全て藤岡佑介の騎乗でしたが桜花賞は藤岡康太から鮫島克駿に急遽乗り替わったのでそのようなことで過剰人気しても。実績自体が登録メンバーではトップなので1番人気に推さられるとも予想します。

 

・11位以下

日本ダービー有力馬ということで

24位(24位)スワーヴリチャード

前走G1皐月賞4着で優先出走権を獲得したアーバンシック。

G1ホープフルステークスでG1レースおよび重賞1勝、前走G1皐月賞6着レガレイラの2頭が出走予定。

レガレイラ勝利の場合は37年ヒサトモ、43年クリフジ、07年ウオッカ以来4頭目の牝馬制覇。

 

リーディング観点ではワン・ツーすればトップ10内に入るというか、本年ここまで伸びないとは思わなかったので年間トップ10入りには日本ダービー勝利が必須となるでしょう。そのようなことばかり書いていますが桜花賞・オークスのTR重賞で勝ち馬は出したもののクラシック本番はここまで桜花賞4着スウィープフィート、皐月賞4着アーバンシックの3着内もないので。そこで牝馬レガレイラとなりますがクリストフ・ルメールに戻るパターンでオークス同様に勝利となれば。クリストフ・ルメールは17年レイデオロで勝利。アーバンシックは横山武史の想定。

 

もう1頭は16位ゴールドシップのメイショウタバル。勝利すれば次回でトップ10入りですが皐月賞は17頭出走となって最下位の17着。重馬場のG3毎日杯を6馬身差で勝利して4番人気まで推されましたがハイペースで飛ばし最後は失速。競走成績も勝つか4着以下の成績で逃げ馬の宿命とも言えますがテンから行ったのは毎日杯からで前走はダノンデサイルの件もあり、ゲート裏で待たされたことでイレてしまったような面もあったようなので順調に出走できれば。皐月賞は直前の調教もやりすぎており、スタンド前発走も不安で輸送も含め東京が向くようにはどうしても思えないので強く推したくもなく父の競走成績から日本ダービーよりは皐月賞が向いたのではないかと。想定は浜中俊の継続。藤岡康太の事ばかりを論じてなんですが同期の浜中俊も皐月賞は冷静に乗れなかったとも考えられますしここであらためて。19年には12番人気ロジャーバローズで勝利。

オークスに出走の産駒12着コガネノソラにも触れておくとローテではなく距離とのコメントも出ていますが、結果的には出走可能だったにも関わらずスイートピーSを使ってしまったことでしょう。1勝クラス勝利から直行しても着順を上げた保証はありませんが、週中記事で何度か書いたように戦前からそれを危惧するコメントもあったので。もう賞金は足りているので秋華賞戦線での巻き返しに期待ということで。例年よりも使われる京都で荒れ馬場になればゴールドシップ産駒なので内回り競馬も合うでしょう。

 

トップ10内には入らないでしょうが他では皐月賞2着コスモキュランダ。前走の結果からここでも有力で東京でも同様の走りが出来れば、同じく登録のゴンバデカーブースが勝利した新馬戦4秒6差の最下位12着からここまでよくぞ出世したものだとも思います。ジョアン・モレイラからの乗り替わりで想定はG2弥生賞ディープインパクト記念勝利時のミルコ・デムーロ、03年ネオユニヴァース、15年ドゥラメンテの二冠馬で過去2勝。

 

もう1頭はシユーニ産駒のG1皐月賞5着シンエンペラー。それほど強いとは見ていませんがG3京都2歳S勝ち馬でG1ホープフルステークス2着、G2弥生賞ディープインパクト記念2着。前走も0秒4差5着で優先出走権を獲得しての出走。想定は坂井瑠星の継続。昨年はドゥラエレーデでスタート直後に落馬競走中止。94年ナリタブライアンで勝利の南井克巳は前年のマルチマックスで落馬競走中止していた例もあるので。仏G1凱旋門賞19年3着・20年1着Sotsassの全弟で本年の凱旋門賞に登録されたようで、今回の結果次第ということになるでしょう。

 

・3歳戦

上記のオークスの連対2頭に人気薄から入着を果たしたランスオブクイーンとなりますが、オークス以外から注目馬を挙げると東京ダート1600mの3歳1勝クラスを勝利したアッシュバニパル。これまで東京ダート1600mを3走して2歳11月の新馬1着、2戦目はそれ以来5ヶ月ぶりの出走でハナ差2着。長期休養明けを使われた効果もあったか先週のレースは3キロ減騎手起用の2着馬に先行策から7馬身差の圧勝。1つ上の全兄に22年アメリカンファラオSなど米G1レース2勝、22年米G1BCジュヴェナイル2着Cave Rock。全兄は既に亡くなっているようですが血統面でも期待のアロゲート産駒。世代ダートカテゴリーにはフォーエバーヤングという超大物がいますので対戦するようなところまで勝ち上がって行ければ。

 

・母の父部門

(前回)

1位ディープインパクト 17億8521万万9000円

2位キングカメハメハ  14億1811万6000円

3位マンハッタンカフェ 11億1871万1000円

4位クロフネ      7億8918万円

5位シンボリクリスエス 7億4377万3000円

 

(今回)

1位ディープインパクト 18億9095万6000円

2位キングカメハメハ  16億9812万円

3位マンハッタンカフェ 11億6996万1000円

4位クロフネ      8億1422万円

5位シンボリクリスエス 7億6337万8000円

 

首位ディープインパクトはOPメイSプレサージュリフトなど6勝。前回から1億400万ほど加算し獲得賞金18億円突破。

2位キングカメハメハはG1オークス チェルヴィニアなど7勝。G3平安S2着ハピなどで前回から2億8000万ほど加算し獲得賞金14億円台から17億円に迫る形で16億円突破。内容も優秀ですが前回8勝、先週7勝の近2週で15勝、5月開催1週を残し月間19勝の固め打ち。

3位マンハッタンカフェは障害OPなど3勝。G1オークスでは14番人気ランスオブクイーンが上位人気3頭のあわや一角崩し5着と見せ場十分の大健闘。

4位クロフネは未勝利。2着4回と入着回数は多く獲得賞金8億円突破。

5位シンボリクリスエスは未勝利。こちらは週間6頭と出走頭数も少なく3着2頭の入着のみ。

 

・オークス

父ハービンジャーのチェルヴィニアが勝利、母の父キングカメハメハは2位。

母の父キングカメハメハはG3アンタレスSミッキーヌチバナ以来の本年重賞2勝、通算56勝。

オークスは20年デアリングタクト以来2勝目。

本年G1初制覇で17年から8年連続G1制覇、G1通算15勝。

G1制覇は23年スプリンターズSママコチャ以来。

キングカメハメハ産駒チェルヴィニアの母チェッキーノは16年オークス2着。

産駒は10年アパパネで勝利しており同一重賞父・母の父として制覇。

 

・平安S

父ロゴタイプのミトノオーが勝利、母の父サンダーガルチは55位。

母の父サンダーガルチは本年重賞初制覇、通算7勝。

重賞制覇は20年G3武蔵野Sサンライズノヴァ以来。

平安Sは初制覇。

中央重賞勝ち馬はエーシンヴァーゴウ(2勝)、サンライズノヴァ(4勝)、ミトノオー(1勝)の3頭。