入院二十三日目

今日は朝一病院へ行きました。

病室へ入ると今日は起きていました。けれど、具合が悪そうな魂の抜けたような顔をしてます。病室に入ると｢昨日吐いてしまったのでお洗濯お願いします｣と看護師さんに言われました。確か昨日は義姉も洗濯物を持ってきてくれたはず…何度か吐いたみたいです。パジャマは４着を交代で使っていたのですが、残りは今着ている１着のみになってしまったみたいです。吐くので上着だけ汚れてしまいます。

手も吐く時に口を押さえたせいか、胃液で黄色くなっていました。タオルを濡らして拭いてあげました。入院前より細くなった手を見て悲しくなりました。

お母さんは私が仕事の日はどこの道を通って行くのか必ず聞きます。道の話をしていると看護師さんが｢〇〇さんは家に帰りたいんだよねー｣と言いました。
｢お母さん帰りたいの？｣
と聞いたら、うん。とうなずきました。

｢早く元気になって帰ろうね そしてまたカラオケしようね｣

とか、言えばいいのかな？本当に上手く嘘がつけない自分が嫌になります。

こんな些細なやりとりで、お母さんは私から何かを感じているのかもしれないのに。

今日も手を降って病院を出ました。

入院二十二日目

今日は朝一病院へ行きました。
病室へ入るとお母さんは横を向いて布団を被っていました。

昨日に引続き、吐き気がして気分が悪いようです。
うまく話し掛ける事が出来ませんでした。ベッドの横に座っているしか出来なくて、朝の少しの面会時間が終わってしまいました。

お母さんのおでこを撫でながら
｢仕事行ってくるね 気持ち悪いなら寝ててね じゃあね 行ってきます｣
と言って、手を握って立ち上がり、振り替えって手を降って、病院を出ました。

仕事中に職場の上司からの電話をとり、｢お母さんはどうや？｣と聞かれましたが、周りに他の人も居たので｢ボチボチです｣と答えました。
｢いつかは誰でも訪れる事やから、出来る事をしてやりぃ。｣と言われました。
環境は違えど、確かに誰でもいつかは訪れる事です。出来る事…私に何が出来るのか？わかりません。
上司には｢大変やけど、付き合ってやりぃ。｣と言われました。
もちろん付き合うと言っても、ただ居るだけではないはず…何をしてあげられるのかな。

お母さんの居ない家はとても寂しいです。一戸建てに女が一人暮らし。初めての一人暮らしがこんなに寂しいなんて思ってもいなかったです。
そして不安で恐いです。

一人暮らしの高齢者の方はこんな気持ちなのかなぁ…

入院二十一日目

今日はお休みで久しぶりに洗濯物を外に干し、昼間は用事を済ませました。

買い物をしてケアマネさんに会いに行きました。
なかなかタイミングが合わないのと、入院でバタバタしていて、なかなか連絡出来ていませんでした。今日はお母さんはデイサービスはもう行けないかもしれない。と伝えました。

ケアマネさんはまた退院した時にその時に合ったサービスに変更しましょう。とおっしゃってくれました。
夕方になって病院へ行きました。兄も病院に来ました。お母さんは今日も食欲がなく、ベッドに横になっていました。気分が悪いようです。水を少し飲んだのですが、少しすると気持ち悪くなり吐いてしまいました。吐くといっても、食事をしていないので黄色い液体が出ました。胃液でしょうか？お母さんは水分すら摂れなくなってしまったのか…

今日のお母さんは気分が悪いせいか、なんだかぼーっとしていました。
まばたきをあまりせず、遠い目をしていました。

何を思ってるんだろう？
何か感じてるのかな？

それとも抗がん剤のせい？
考え事をしていると時間があっという間に過ぎますね。１日２４時間じゃ足りません。