砂の城
一昨日のブログでこんなことを書きました
>今思うのは、どのIT企業も非常に
>「脆い」
>ということ。
>特に規模が大きくなればなるほど、脆さは増す。
>どこが危いのか。
>それはズバリ、一番下の現場・パートナー企業が形成する
>「土台」から崩れてゆくのだ。
このことについて本日は掘り下げてお話をしたいと思います。
きちんと発言した責任を取る意味でも。
一般的にはベンチャーは200名規模を越えたあたりから人材の「質」
の面で伸びにくくなると何度か聞いたことがあります。
ようは採用をする側の人間が自分より優秀な人間を採らなかったり、
採れなかったり…というのが主な原因なのですが、会社としての
「ブランド」がないベンチャーにとっては常に現状よりも優秀な人材を
採用してゆくのは非常に困難なことです。
創世記を支えた人間は実務から管理職へ。
あとから優秀な人員を補充できず、中途で入ってくる力のある人間が
「現場」にまわることはほとんどありません。実力者の中途は
ベンチャーの場合大概役職付き。なので現場の実務を社員と共に
アルバイターや派遣社員が担います。
当然、創世記当初と比べるとプロジェクトの進捗をはじめ、全ての
アウトプットの質は劣化し、組織も大きくなるのでスピードは落ちてゆきます。
そして管理職と現場の間にいる社員も十分な経験を積めていないため
「強力な組織のリーダー」か「強力な経営者のリード」がない限り、
その組織が大きく発展する可能性は低くなります。
どこか一点や、誰か一人が悪いわけではない。
けれども問題点は後を立たず、常に人が組織を去り、採用が思うように
追いつかず、それでも何とか実務をまわしている。
…大手と呼ばれているIT企業を支えている(パートナーとなっている)
相手先のベンチャー企業は大体上記のような問題点を抱えています。
そしてそれらの小さな組織の中でさえ、経営者に実情が伝わっていない
のがほとんど。
ましてや投資家の方には見えてもいないでしょう(当然のことですが)。
まぁ、大局を見るポジションに取ってみればそれは不要なことなの
でしょうが。とはいえそれではベンチャーの”よさ”が一つなくなって
しまいますよね。
現場で行われる会議の場でも、外部への電話の等情報発信においても、
「いかに具合の悪い部分をごまかすか」
でつないでいる部分が少なくないです。
時間とリソースの都合で「ソリューション」することができない。
だから「ごまかす」。
でもそうしなければ組織はまわらない。悲しい現実です。
そして厄介なのが、そこそこ大きなプロジェクトになるとある程度の額で
「アウトプット」が出てしまうこと。
「数字をなめるようなやり方」
ってやつです。
これは僕のゴッドからきいた話ですが、不動産業界において
いわゆる「PM(プロマネ)」を手がけている会社は多数あります。
「大手」と呼ばれる会社でも金融業界出身者で固め、前述の
「数字をなめるようなやり方」をしている会社は普通にあるそうです。
それに対し、ゴッドは「現場を知っている人間で固めれば勝算がある」と
話をしていました。
その話が今となっては尚のこと納得できます。
と…ちょっとゴッドの話で横道にそれましたが、話を戻します。
大手IT企業のパートナーとなる相手は前述したような企業たちです。
僕らはこんな言葉を使います。
「砂の城」
短期間で人の目を引く見栄えのいいものが作れる。
短期間で大きなものが作れる。
でもそれは「砂の城」、見かけによらず驚くほど脆い。
ビジネスの、組織の、プロジェクトのきっかけとして、砂の城を築くことは
間違っていないと思います。
スピードを重視するベンチャーは最初から強固な城を築けるほどの
リソースも資金力も時間もないのだから。
ただし、一度築いた城にいつまでも人員を補充し続けたところで、あるとき
を境に内部若しくは外部からいとも簡単に崩れる時期がいずれやってきます。
それまでに、まずは「地盤」を固めなければいけない。
それは、「教育」であり「ビジョンの共有」でありいわゆる
「モチベーションコントロール」そのものであると思います。
噴出する問題・課題をさばきつつ、その上で更に「人」に対するアプローチを
怠ることなくしてゆくことが必要なことであると思います。
特に、会社全体が「勢いのある人間」で構成されている組織でない場合は
(いわゆるブランドを持たない組織)なおさらのことでしょう。
「大手」と呼ばれているIT企業と手を組みそのプロジェクトを推進している
パートナー企業の中には、前述した「砂の城」状態の企業が数多くあります。
実際に崩壊した砂の城の話も聞いたことがありますし、その逆の話もあります。
ただ一ついえるのは、多くのIT企業の「現場」が同じような問題を抱えている
のではないか?ということです。
そして、そんな中で社員を始め、各企業で働く人たちは、ときには不安を抱え、
ときには若くしての役職就任に喜びを感じ、ときには自身の失敗に涙し、
そしてある者は会社で吐血をしながら、それでもみんな働いています。
それが「現場」の現状です。
働くことは「耐えること」なのでしょうか。
リーダーの背中に「明るい未来」が映っていないとしたら、
それを皆で描けないのだとしたら、
その組織に属する人間は一体どこへ向かってゆけばよいのでしょうか。
向かう先も分らず、自身の本丸は砂の城。
そんな組織に未来はない。と断言できます。
組織は自分で動くことは出来ません。
しかしそこで働く「人」は、足があり、意志があります。
故に組織が「人」を見放すことはなくとも、
人が組織を見放すことはある。といえます。
そんな組織であってはならない。
その逆も然り。
「楽しい職場」を望む人間がいます。
「多様なアイデア」をもった人間がいます。
「お前になら●●●万だしてやる」といってくれた人間がいます。
「最強の人脈」をもつ人間がいます。
「君と一緒に働きたい」といってくれた人間がいます。
これらの人たちは未だお互いのことを知りません。
しかしこれらの人たちは一人の「人間」をきっかけに繋がっています。
これらをつなぐ「業務」があり、そこに「利益」が生まれるなら、
それはもう立派な「組織」になり得るのです。
人は城、人は石垣、人は堀。
たった今、自分の武器を一つ見つけました…でもそれは今すぐには
使えない。というよりまだ使うべきときでない。
さてさて、またな~んにもないところからスタートですわぁ![]()
「Dr.コトー」のように(笑)
僕は僕の道をゆきます。
たくさん教わり、語り、笑ったみんなといつかもう一度同じ場所で働くために。
秋ですね
もう九月も末、
「秋」…のはずが未だに半そで(笑)シャツ一枚で出勤。
仕事柄、スーツを着ることはほとんどないので(なぜか仕事外では着るのですが)
半そでシャツ一枚での出勤が約3ヵ月ほど続いている事になります。
秋は出会いと別れの季節。
職場の仲間が一人、二人と去ってゆき、また新たな仲間が…
来ない…(笑)
採用担当(いわゆる人事)をやっているのが前の職場が一緒だった
友人(ようは僕が誘った)なのですが、現状「通年採用」を
行なっている状態…
自分が誘った相手だけに、なかなか心境は複雑。
なかなか難しい条件の下で、ひたすらその条件に沿って採用活動を
進めてゆくしかない現状。
ただ、上から「何が何でも~までに二人採れ!」とかいったプレッシャー
があまりないので、そういった意味では未だ良いのかな…。
とはいえ横や下からのプレッシャーはそれなりにあるようだ。
リソース不足。
…でも原因はそれだけなんだろうか。
とも思う。
僕は評論家の人ほど沢山のIT企業を知っているわけではない。
でもそれなりに各会社に友人、知人はいる。
今思うのは、どのIT企業も非常に
「脆い」
ということ。
特に規模が大きくなればなるほど、脆さは増す。
どこが危いのか。
それはズバリ、一番下の現場・パートナー企業が形成する
「土台」から崩れてゆくのだ。
と今日はここまで。