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殺人の衝動が抑えられなくなった男の狂気を描いた作品。
今や「バットマン」で有名なクリスチャン・ベイルがジョーカーのような狂気の男を熱演した衝撃作です。
パトリック・ベイトマンは27歳。ニューヨーク、ウォール街の証券会社で働くエリートマンでした。同僚たちとは、高級レストランでランチ&ディナー。その席で語らう見栄と皮肉。そして、嫉妬・・・。
この仲間には入りたくはないですね(^_^;
パトリックの部屋は高級マンションで部屋は白一色。白は清潔に見えますが、白ばかりだと冷たくも見えますね。パトリックの朝は・・・う~ん。あそこまでのこだわりがあると、さすがに気持ち悪い(^_^;
部屋と同様に自分の身体も綺麗に着飾るパトリック。まさに、その言葉の通りで着飾るのはパトリックの本性を隠すためでもありました。
殺人への衝動。
彼が本性を見せるはじめのシーン。高級レストラン「ドーシア」の予約が取れなかったパトリックは、簡単に予約が取れた同僚ポールに嫉妬します。さらに、仲間たちとの名刺の見せ合いにもポールに差をつけられてしまいます。
たったそれだけで?
この単純極まりない子供じみた動機で、パトリックはポールを酔わせて自宅に呼び、ピカピカの斧を持ち・・・。
ありえないです(T_T)
コールガールとのシーンも、自分が優位に立っていることに酔いしれているナルシストへと変貌。そして、やはり・・・。
全裸のジェイソンです(T_T)
その後はもう無差別に・・・。
でも、彼は苦悩していました。多重人格者であるかのようなパトリック。秘書ジーンとの会話では、さまざまな姿をみせていました。褒めて、貶して、脅して、そして愛して・・・。
ジーンを自宅に呼び寄せたのは、必ずしも殺すためではなかったかもと深読みしてみました。こんな自分を助けてくれる女性かもと・・・。
でも、ジーンはタイミングが悪い女性でしたね。何も行ってみたいレストランに「ドーシア」を挙げなくても・・・(^_^;
衝撃のサイコ・サスペンスですが、監督はメアリー・ハロン。なんと女性でしたか。男性に主眼を置いた作品を女性の監督が撮るというのも面白いですね。ちなみに、「アメリカン・サイコ2」では、逆に女性に主眼を置いた作品を男性の監督が撮っています。
キャストもやっぱりイケメン揃い。探偵役のウィレム・デフォーも存在感をアピールしています。あと、パトリックの婚約者イヴリン役はリース・ウィザースプーンでした。彼女にしては意外な作品選びですね。
そして、パトリック役のクリスチャン・ベイル。あの殺人シーンは衝撃的です。あそこまで演じられると「大丈夫?」と心配になってしまいます。
ラスト。何かおかしいなぁとは思っていました。あれだけの事件を起こして、警察がまったく動かない。誰も深くは追求しない。
すべては、あのスケジュール表に書かれていたパトリックの妄想の世界だったのでしょうか。
パトリックは本当にパトリックなのでしょうか。
パトリックは自分が何者なのかを確かめるために人を殺していたのでしょうか。
だとしたら、パトリックは妄想の世界で永遠に人を殺し続けるのでしょうね。そして、あの部屋の色の白さは、自分を含めて何もかも消してしまいたいという意味もあったのかもしれません・・・。
すべてが判らずじまいラスト・・・いかようにも考えられる作品です。
Title:
AMERICAN PSYCHO
Country:
USA/Canada (2000)
Cast:
(Patrick Bateman)CHRISTIAN BALE
(Timothy Bryce)JUSTIN THEROUX
(Craig McDermott)JOSH LUCAS
(David Van Patten)BILL SAGE
(Jean)CHLOË SEVIGNY
(Evelyn Williams)REESE WITHERSPOON
(Courtney Rawlinson)SAMANTHA MATHIS
(Luis Carruthers)MATT ROSS
(Paul Allen)JARED LETO
(Det. Donald Kimball)WILLEM DAFOE
(Christie)CARA SEYMOUR
(Elizabeth)GUINEVERE TURNER
(Harold Carnes)STEPHEN BOGAERT
Director:
MARY HARRON
