このブログで「おいしそうなお菓子の特許」等でたびたびお菓子系の特許を取り上げてきましたが、今回も、おいしそうな特許を見てみます。
今回は、お団子系です。
◆どんな特許か?
お団子といっても、正確には「団子+パン」系の特許です。
具体的には、発明の名称を『餡団子パン』とする特許(特許6864306、特許権者:有限会社ライズ)が取り上げる特許です。
請求項1を引用してみます。
『【請求項1】
少なくとも
(1)第1層の食材
(2)前記第1層の食材を被覆するアルファ化デンプンを含有する餅状の第2層
(3)前記餅状の第2層を被覆する第3層の餡
(4)前記第3層の餡を被覆する第4層としてのパン生地またはドーナッツ生地の加熱処理層
の4層構造を有する餡団子パンであって、
前記第1層の食材が甘酒からなる餡であり、
前記餅状の第2層が求肥であり、
前記第3層の餡が小豆あんであり、
前記第4層のパン生地が食パン生地又は菓子パン生地のいずれかであることを特徴とする餡団子パン。』
4層になっており、餡を求肥で包み、それを小豆あんで包んだ上、更にパン生地で包んだというものですね。特許公報の図1を引用します。
(上記特許の特許公報から図1を引用)
「2」が第1層の食材である餡、「3」が第2層である求肥、「4」が第3層である小豆あん、そして、「5」がパン生地です。
確かにこのようなお菓子、食べたことがありません。特許公報の段落【0018】には『餅状の生地が硬くなりにくく、しかも喫食時に餅状の生地が歯に粘着することがなく、しかも餅状の生地に被覆された餡のみずみずしさが保たれて、美味しさと新しい食感とを兼ね備えた餡団子パンが実現できる。』と記載されています。歯に求肥がくっつかず、餡のおいしさを保ち、かつ、新たな食感が楽しめるようですね。
◆雑感
様々な素材の組み合わせで新たな食感を有する新たなお菓子が生み出されることがあります。各素材はどういった原料を用い、どういった方法で作るのか等のノウハウがあったりする場合は特許にせずに秘匿化することで、第三者が簡単にはまねできないようにすることができます。
しかし、今回の特許のように、構造上の特徴が簡単に分かる場合、例えば、お菓子を買ってきて切断等することで分かってしまう場合は、特許を考えてみる必要があります。
構造は実物を分解等すれば簡単に把握できてしまうので、もし第三者に真似されたくない場合(ビジネス上、そのお菓子の構造の肝を握っておくことで、そのお菓子についてのコントロール権能を発揮したい場合など)、特許の取得を考えることが有効な場合があります。
それはともかく、今回の特許に係る「餅団子パン」、実際はどのような食感なのでしょうね??
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