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夢見つつ深く植えよ(小さきものたちへのブログ)

私はこの自然界に存在する小さな物が好きです。

私の小さな庭に咲く花々や、そこにやってくる日頃見過ごしてしまうような虫たちにもスポットを当てながら、私も小さき者の仲間として、この自然界で共存していければと願っています。

   
      
 


 「カッサンドルへのオード」
  戀びとよ 見にゆかん
  
花さうび けさ紅 (あけ)

  
陽に解きし その衣
  
くれなゐの 重なりも
  
きみに似し 頬のいろも
  
失せたりな こよひいま
                 「ロンサール詩集より」


フランスの詩人ロンサールは薔薇の美しさと散りゆく儚さを

恋人よ!、と呼びかけながら、朝こんなに美しく輝く薔薇で

さえ夕べにはその輝きを失ってしまう。恋もやがて色あせ

人生も瞬く間に過ぎていってしまう。

なんと時の移ろいはとは非情なんだろう・・・・

「摘めよ 摘めよ 君の若さを」老いが来ないうちに・・・。と

薔薇に寄せて人生の儚さを詠っています。


      


自然のすべてが美しく輝く5月、我が家のつるばら、ピエー

ル・ド・ロンサールもスカートの襞のように幾重にも重なった

花びゆっくりゆっくりと開いていきました。

この薔薇との出会いは一年に一度、春の声を聞くと私の胸

高鳴り、「蕾はまだなの?」とか何とかいいながら小さ

ウロウロ行ったり来たりしてしまいます。


いくら大好きな薔薇でも別れはあっという間にやってきます。

6月の庭にピエール・ド・ロンサールの姿はありません。

あんなにも輝いていたのに・・・。

でも、永遠のさようならではないのです。「また来年・・・」

と言いながら、、、、。美しい花びらを散らしていきました。

花はいいですね。春ごとに生まれ変われて・・・。





    

   ドクダミの白十字は花ではなく苞なのだそうです。

   花は黄色で小さい。真中の細長いのが花穂。

   今年も刈り取ってお茶にします。



ドクダミの花はビロード質の白い十字花。

くっきりと鮮やかで、しかも爽やかな感じが凛として美しい。

家の北路地にあったドクダミがいつの間にか表の庭に顔を

出しました。薔薇の根元はドクダミに占領されています。
瞬く間に勢力を伸ばすドクダミを我が家では、親しみを込

て「十字軍の遠征」と呼んでいる。


ドクダミの葉は地面に芽吹いた時から黒く見えるほど

しっかりした濃い緑です。

一雨降るごとに、少しの乱れもなく真っすぐに伸びていき、

濃い緑に紅色で縁取られたハート型の葉は、きりりとして

整然。見ているだけで元気が出てきます。


夕方爽やかな風が吹きぬけてゆくこの季節は、夕やみが

ながく、あたりがうす紫の雰囲気に染まり、さらに色を深め

暗い闇に包まれる頃、ドクダミの白い色は美しく映える。

葉が濃い緑なのでいっそうその白が浮き立って目に痛い。


ドクダミの花言葉は「白い追憶」。

積み重ねてきた大切なものが音を立てて崩れていった胸の

裂け目に咲いた一本の白い十字花。

空白のさみしさは

「白い追憶(清らかな思い出)」で埋め尽くされます。




この本の作者の新宮 晋さんは自然のエネルギーで動く彫刻を作る芸術家

して国際的に知られています。彼の作る彫刻は役に立たない水車のように

たまった重み好き勝手に回ったり 飛べない飛行機のように風の中で

はばたり 航海にむかない舟のように水をたたいて音楽を演奏します。

雨や風や太陽などの自然の変化に いつも応じつづける物を作ろうとしてい

のです。これは彼が生まれてはじめて作った絵本です。

 (新宮 晋「いちご(Strawberries)より 5ヶ国語で書かれています。)



     


夕やみの中 すっかりいちごのなくなった畑から まだこんなに

甘い香りが流れてくる。

The strawberries have all gone away,but in the dusk their

sweet fragrance still drifts frorm the field.


つややかなみどりの葉に いちごのいのちがやどっている。

The life of the strawberries is held in the glossy green leaves.


赤いつるが大地にはずむたびに 子供が生まれる。

Each bounce of the red vines gives birth to a child.

子供たちは新しい畑にせいぞろいする。

The children up in the new field.


雪の中で眠る。静かに。静かに。

Tucked under the snow, they sleep peacefully

こごえる夜 数えきれないほどの星を見る。

On freezinng nights they see a multitude of stars.


風が光りをはこんでくる。

The wind brings light.

太陽が金の雨を降らせる。

A golden shower a gift from the sun.


花が咲くと みつばちたちがたずねてくる。

The been come calling when the flowers bloom.

花びらがちると 小さなみどりの星がのこる。

The petals fall, leaving their tiny green stars.


星はやがて 白いいちごに変身する。

The stars turn into white strawberries.

みごとな夕やけを見た。もえるような赤に心がときめいた。

They watch the glow of a brilliant sunset,

enchanted by the red blaze.


いちご畑には色がいっぱい。そして甘い香りもいっぱい。

The strawberry patch bursts with color and sweet fragrance.


風  雨  太陽

Wind   Rain  Sun


いちごには北極がある。南極がある。

その間には金の鋲が打ってある。

Every strawberry has north and sourth pole,and

golden rivets tacked down in between.


赤い実の真ん中には 

太陽のとどかない白いつめたい世界がある。

The sun never touches the cold,white in the center

of the red fruit.


いちごにははてしない風景がある。

A strawberry is boundless landscape.


夕やみの中 すっかりいちごのなくなった畑から まだこんなに

甘い香りが流れてくる。

The strawberries have all gone away,but in the dusk their

sweet fragrance still drifts frorm the field.



     


いまから十数年、海辺の小さな「絵本屋さん」で見つけた絵本で

す。真っ赤な表紙には大きないちご一粒が描かれています。

小さないちごから見えてくる果てしない宇宙・・・・

あのころ、未来につながる小さな命の誕生など思いもしな

で、、とても大切に持っていました。

いちごを見ると「まんま まんま」と、うれしそうに全身で喜びを

する、きょう満一歳になった私の愛する小さな人今度会った

読んで(見せて)やりたいと思っています。




     




あぜ道に

人知れず繰りひろげられる命の営みは

みな、それぞれに個性的。


おなじ散歩道を歩いても

いつも何か小さな発見がある。

出合った瞬間

「あ、」と思うほどの新鮮なおどろき。


それが、たとえ小さな出合いでも

私には大きな喜びなのです。

何かがはじける予感に胸はときめく。








     



夕暮れの農道に何の草の綿毛か知らないけれど

穢れを知らない白とでもいいましょうか、濁りのない

真っ白な綿毛が自ずから種を落とそうとしていました。


「ねえー、どこいくの?」と声をかけると

「ちょっとそこまで、風まかせ」

足の向くまま、気の向くまま、

のん気な旅立ちです。

風があれば風に乗る

気ままだけど

素晴らしい命のあふれかた・・・。






   やさしい色・・


今我が家の庭はバラが花盛り、

赤や黄色の原色に

五月の光りが

燦々と降りそそぐ。

原色の中に長い間目をさらすと

視覚的にも精神的にも

どっと疲れてしまうことがある。


久しぶりに

夕方の散歩に出ると

いつもの農道は

初夏の佇まい。

見慣れた空、見慣れた田や畑、

見慣れた農家のおじさんやおばさん。

挨拶は会釈だけでも笑顔がこぼれる。

ここは私の世界、心が落ち着く。


土手に上ると

竹薮がさやさやと風にゆれ、

姿を見せない鶯が呼んでいる。

ふと足元に目をやると

丈の低い草の実が

やさしい色で

語りかけてくる。


わが心に叶う色。

尖った心に

そよ風が吹きぬけていった。








    



 つややかな絹のような花びらに


 摩訶不思議な模様のシャガの花


 造化の妙とは言いがたく


 きっと誰かの悪戯書き。



北山杉の林立する斜面に群落をなして咲くシャガは

遠から見るより近くで見るほうが断然美しい。

とさかのように突き出た雄しべのぎざぎざはまるで

切り絵細工のようです。




別名「胡蝶花」と呼ばれるシャガはあやめ科の花。

学名は、Iris japonika Thund(日本のアイリス)

Iris(虹の意)とは、ギリシャ神話「虹の精」に由来

しているということです。










    


しっとり分厚い椿の花びらが

はらりと散ってゆく。

花びらがばらばらにほどけて、

一枚また一枚と地上に落ちる。

微風に散る椿の花。

その繊細さに驚かされる。


山深く来ていつも感じるのは、高い木立からわずかに射す光の

変化の見事さです。

限られた空間から垂直に光りがさしはじめると、樹齢300百年

の椿の木が、ぱっと輝いて明るい表情に変わる。


木々の梢からさし入る光は刻々と変化して、さまざまな光とかげ

が交差するそのスピードのなんと早いこと。

今輝いていた椿の木が、あっという間に複雑な陰影に沈んでし

う。


聖霊の空気のなかにひっそりと佇む椿の木。

がっくりと首を落とす椿とはまた違った魅力の「散り椿」。
その優雅な風情に耳を澄ますと、花びらの散る音さえ聞こえて

くるような気がして・・・・。

静けさは眠っている感性を目覚めさせてくれます。





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 思わず

 立ち止まり

 のぞき込むと

 瑠璃色の小宇宙。


 小暗い杉木立のなかに

 ひっそりと山ルリ草。






ヤマルリソウの不透明な青に心とらわれながら、
空を仰ぐと、ないはずの空色が見えてくる。
淡い青、深い青、ふと、もの思いに耽ってしまう。
そんな日に聴きたい一曲です。
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    もみじ若葉



しなやかな紅葉の枝に

芽吹いたばかりの若葉は

赤ちゃんの手のように

やわらかい。


花よりも清くうるわしい

早緑の葉に

ゆるやかな五月の風が

吹き抜けて


♪~薫る 薫る 若葉が薫る~♪。


重なり合い

もつれあった

はむらは

音楽の魔術師。

爽やかな音を奏でてゆく。








風薫る爽やかな季節になると

限られた色彩で語られる室内楽を聴きたくなります。

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