「カッサンドルへのオード」
戀びとよ 見にゆかん
花さうび けさ紅 (あけ)に
陽に解きし その衣
くれなゐの 重なりも
きみに似し 頬のいろも
失せたりな こよひいま
「ロンサール詩集より」
フランスの詩人ロンサールは薔薇の美しさと散りゆく儚さを
恋人よ!、と呼びかけながら、朝こんなに美しく輝く薔薇で
さえ夕べにはその輝きを失ってしまう。恋もやがて色あせ
人生も瞬く間に過ぎていってしまう。
なんと時の移ろいはとは非情なんだろう・・・・
「摘めよ 摘めよ 君の若さを」老いが来ないうちに・・・。と
薔薇に寄せて人生の儚さを詠っています。
自然のすべてが美しく輝く5月、我が家のつるばら、ピエー
ル・ド・ロンサールもスカートの襞のように幾重にも重なった
花びらをゆっくりゆっくりと開いていきました。
この薔薇との出会いは一年に一度、春の声を聞くと私の胸
は高鳴り、「蕾はまだなの?」とか何とかいいながら小さな
庭をウロウロ行ったり来たりしてしまいます。
いくら大好きな薔薇でも別れはあっという間にやってきます。
6月の庭にピエール・ド・ロンサールの姿はありません。
あんなにも輝いていたのに・・・。
でも、永遠のさようならではないのです。「また来年・・・」
と言いながら、、、、。美しい花びらを散らしていきました。
花はいいですね。春ごとに生まれ変われて・・・。

