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【凸凹の兵法】

前回「逃げ恥の諺」の意味は、「戦う場所を選べ」だと話した。また、よく 戦い「彼を知り己を知れば、百戦殆うからず」と云われる。・・

でも、アダルトチルドレンは、ナゼ苦しいのか?、ナニと戦ってるのか?、ドコへ逃げればいーのか?、自分が一体ナニモノなのか?・・皆目 分からない。・・だから黒星が続く。

そこで、今回は、前回挙げた凸凹の特徴の②「視野が狭く融通がきかない(=白黒思考)と③「自尊感情が低い(=自己受容できない)に注目し、なぜアダルトチルドレンになったのか?・・ブリキなりにその理由(わけ)を探ってゆく。

そして、そこに現われてくる、われわれ(=アダルトチルドレン)の「戦う場所」「戦う意味」について、白黒思考全開で考察する。

【白黒思考とは?】

まず、「白黒思考」とは、物事を二分法(=All or Nothing)で捉える偏狭な考え方のコト。

例えると、壁にぶつかったとき、定型の人(=お掃除ロボ)は、器用に避けて何事もなく動き回れるのに対し、白黒思考の人(=プラレール)は、電池が切れるまでその場で空回りするか、無茶苦茶に突き進むしかない。

(↑この傾向は、平匡さんや彼のお父さんにも見られる。「津崎さんこそお父さんに似てる・・」と。)

で、本題の「なぜ白黒思考になるのか?」の理由は、・・案外 単純で、以前説明した「アンサンブル学習が進んでないから。」となる。

(↑仮にアタマの中に「Yes/Noボックス」が1つしかなければ、二分法にしかなれないでしょ。)

では「なぜアンサンブル学習が進んでないのか?」を、ひとまず「なぜなの~、教えて~ おじ~さ~ん!」と叫びつつ(?) 探ってゆく。・・

【父の望むような息子には】

その理由(わけ)を探るため、また平匡さんのエピソードを拝借する。

両家の顔合わせの後、お父さんが平匡さんに話す。

男が家庭を持つっちゅ~コトは、全て背負って責任を持つっちゅ~コトじゃ。お前には出来んのんじゃないかと思いよった。

その帰りがけ、平匡さんはみくりさんに胸の内を明かす。

僕はむしろホッとしました。肩の荷が下りた。・・僕は父の望むような息子にはなれないので、たとえ真実じゃなかったとしても、喜んでもらえたならイイと。両親を安心させられたという点においても、今回のコトは有意義でした。

と、親に認めてもらえない 自分を恥じる。

【知恵の木の育ち方】

以前「アンサンブル学習」を「Yes/Noチャート」に例えた。それが成長し大きくなると、次の表紙絵のような「知恵の木(=ニューラル・ネットワーク)」になる。

ここで、知恵の木が育つ様子をも~少し探る。

アタマの中を「箱庭」に例える。そこにジョウロで水を注ぐ。すると水が低い方へと流れ、土が徐々に削れていく。その溝が深まるにつれて流量が増し、やがて「川」になる。

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この過程が、学習の仕組みに似ている。・・つまり、ニューラル・ネットワーク(=シナプス結合)は、信号(=神経伝達物質)が繰り返し流れれば流れるほど強化され、逆に流れなければ弱められる。

(↑とてもシンプルで合理的。また、だから学習には反復練習が必要となる。)

【適切か不適切か、それが問題だ】

ここで箱庭の片側を少し持ち上げて、傾けてみる。・・

水を注ぐ側を高くすれば、水の流れが勢いを増し、みるみるうちに川ができ、表紙絵のような豊かに枝葉を茂らせた知恵の木が育つ。

これを、アドラー心理学では「勇気づけ」と呼び、アルバート・エリスらの認知行動療法では「ラショナル(=合理的な・適切な)」と呼び、ブリキは「正の傾き」と呼ぶ。

例えば、「上手だね。大丈夫もう1度やってごらん。スゴい。助かるわ。うれしい。ありがとう。」等の声掛けとなる。(←基軸が子ども・相手側にある。)


一方、反対側を高くすると、どーなるか?・・当然水は溜まり、あらぬ方向に流れ、漏れ出してしまう。無論知恵の木も育たない。

これを、アドラーは「勇気くじき」と呼び、エリスらは「イラショナル(=非合理的な・不適切な)」と呼び、ブリキは「負の傾き」と呼ぶ。

例えば、「ちゃんとしなさい。ヤメて。ほら失敗した。だから言ったでしょ。余計なコトしないで。静かに/ジッとしてて。」等の声掛けとなる。(←基軸が親・自分側にある。)

このとき、箱庭は川を造れず劣ってると己を責め恥じる。・・(←日本では「子育て=叱る」と思われているので、若者たちは凸凹に限らず皆自尊感情が低い。)

さらに、この親が白黒思考だと、負の傾きが絶体(=All)になり、事態は深刻化・凶悪化し、子はアダルトチルドレンになる。

【正の連鎖の力】

ならば「オブジェクションしてる場合じゃありません。・・ちゃんと子どもたちを勇気づけましょう!」と思い直しても・・・うまく行かない。

なぜなら、親のアタマの中で、「負の傾き」が立派な川になっているから。流れてる川の流路を変えるのは簡単じゃない。(←これも脳の特性。「再学習」は「学習」より難しく、習慣は変え難い。)

では、どーすればイイのか?

それは、ただ、子の知恵の木の『芽』が育つのを(みくりさんみたいにありありと)妄想しつつ子育てすればイイ。・・

既に適切な目的(←水が流れたい方向)が分かっているので、後はアタマやカラダが上手く箱庭を正の傾きにするハズ。(←脳の特性で、アドラーの目的論。)・・初めのうち多少失敗しても徐々にコツを掴み適切に水を流せるようになる。・・(←実際赤ちゃんのお世話は大変でクタクタになるが、そ~でなければ豊かな知恵の木は育たない。)

で、それが出来るようになると、今度は「あなた(=自分)自身の箱庭」も、正の傾きに出来るようになる。つまり、あなたのアダルトチルドレンの問題は解消してゆく。

なぜなら、「子の箱庭」を正の傾きにしたのが、「あなたの箱庭」の働きに他ならないから。そのスキルは自他の区別なく働く。(←これも脳の特性。子は親を映す鏡か?、子の『芽』のためにクタクタになればなるほど自分の学習も進む。ブリキはこれを「育つ力の作用と反作用」と呼ぶ。)

これは、あなたが負の連鎖を止め、新たに正の連鎖を生み出したコトを意味する。そう実感できれば、自己否定感も解消されるハズ。

って、思わず「浸透力、ハンパな~いっ!」と叫ぶくらいスゴくね?・・(↑「正の連鎖」の働き。)

【小賢しさフィールド全開!】

でも、これだけじゃ、まだ足りない。・・

交通ルールを自分1人が身に付けただけでは、交通事故を防げないように、・・皆がコレを学び実践しない限り、本当の意味での「負の連鎖」は止まらない。

試しに、この世界のすべての箱庭が「正の傾き」になった世界を想像してみる。・・もし、誰かが「負の傾き」に陥ったとしても、すかさず周囲の誰かが「勇気づけ」てくれる世界を。・・

その世界にアダルトチルドレンは居る?・・虐待は在る?、イジメは?、差別は?、貧困は?、戦争は?・・どれも在り得ないでしょ。

これらの問題が同時に解消するのは偶然じゃない。・・アドラーは、元々軍医を経験し戦争を止めたくて「人生の意味の心理学」を探求していた。その教えで、今日多くのアダルトチルドレンが救われているのには理由があるハズ。・・

それは、「正の傾き」が、すべての人に与えられ守られるべき権利、つまり「人権」を意味し、逆に「負の傾き(=人権侵害、ハラスメント)」が、この世界の諸悪の根源になっているからだと思う。・・

つまり、アダルトチルドレンは、「人権侵害(=負の傾き)」という、人類共通の問題と戦っている。と言える。

【アダルトチルドレンたちの意義】

たぶん、恥ずかしさを感じなければ、成長できない。また、その恥じの意味に気づかなければ、戦う場所を選べない。・・つまり、この諺にはちゃんと「恥を知れ」、そして「覚醒し成長しろ!」という意味(=エール)が込められているのだと思う。

ところが、まだ、人類は、この「①逃げる→②恥じる→③戦う/成長する」の「ステップ①」にいる。・・たぶん、人権がよく分かっておらず、逃げている自覚もなく、己の未熟さにも気づかず、恥じるコトさえできていない。(←まさに無明。無自覚で無責任な親の姿に似ている。ブリキはこれを「オリジナル・エラー」と呼ぶ。)

だから、環境も・経済も・紛争も・虐待も・イジメも、どの問題も他者(=弱者)の負の傾きへ勝手に水を注ぎ込み、それを持続できるハズもなく破綻しかけているように見える。(←どれも依存症的・破滅的な人の姿に似ている。まさに機能不全社会。)

だからこそ、アダルトチルドレンが生れたのでは?・・己の未熟さを(過度に)恥じ、習慣を疑い、その道を無茶苦茶に突き進もうとする凸凹の特性に、この問題を乗り越えるための優位性や必要性があると思える。・・

この問題と無縁な人は居ない。誰もが(=自分も・周囲の人も)、正の傾きになれるよう成長するコトに変わりはない。・・ただ、決戦場は「子育て」になるだろう。現代の子育て観を変えない限り、人類は成長できないし、もし成長できなければ破滅するしかない?!と思える。・・戦う(=成長する)か滅ぶか。白か黒か。・・

さて、ブリキの白黒思考全開の妄想は、あなたの役に少しは立てただろうか?・・子どもたちの未来を少しは照らせただろうか?・・みくりさんの妄想に平匡さんが付き合ってくれたように、・・あなたがこの白黒で凸凹な妄想に向き合ってくれるのなら、これほど嬉しいことはない。

あのお父さんも、今度は勇気づけてくれるだろうか?・・「ヒトが生きるちゅ~コトは / 大人が子育てするっちゅ~コトは、全て背負って責任を持つっちゅ~コトじゃ。お前たちなら、きっとそれが出来るじゃろ~と思いよった!」と。・・<おわり>

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