ジュネーブ半径500Mな毎日 -98ページ目

リビア人の思い。

(この記事は3月21日に書いています。公開設定は3月24日になっています。登場人物の考え方・感じ方はリビア人共通の者ではなく、あくまでも個人的なものです。またここで語られる人たちの国籍はリビアではありません。)







どんなにニュースで情報を入手しても
想像力を駆使してみても、
多分私には理解できないと、心の底から思いました。
カダフィ政権に対するリビア人に憎しみと怒り。





昨日、リビア人のハーフ(国籍はリビアではない)の友人の家に遊びに行きました。

閑静な一戸建てが広がる住宅地

彼女の家は四方を庭に囲まれていて、庭には、ブルーベリー、桜、杏、梅、が気の向くままに植えられています。

家は古く、小さめの家ですが、四方の窓からはいってくる日の光に癒されます。

「まだ、テラスに出るのは少し速いね」、といいながら、サロンでお茶をしました。



そして、彼女とリビアの事についていろいろ話しました。彼女のドイツ人の夫も一緒でした。

リビアの国民の95パーセントぐらいの人たちが、カダフィをものすごく憎んでいることが淡々と語られました。

・今のリビアには、本当に何もない、パンも満足にない
・カダフィは最初の5年間は良かった。あとは何も良い事がない
・彼は自分がアフリカの王様だと思っている
・カダフィは自分が嫌いな人を全員粛正して行く
・カダフィの悪口をいうと、翌日には警察が来て尋問される。互いに密告し合う社会で、誰もカダフィの悪口を言えなかった
・もしカダフィが核兵器を持っていたら迷わず今のリビアの反体制派に使うだろう。(彼らの推測)
・カダフィの自宅は、敷地6平方キロメートル。敷地内に国があるのかと思う程、何でも揃っている

というカダフィの専制君主ぶり



それから先日

・反体制派の一人が、飛行機でカダフィの自宅上空を旋回し、カダフィ一族の重要人物がいるところを突き止め、そのまま飛行機ごと建物に激突し炎上。結果、パイロットは死亡。また、建物内にいたカダフィの息子(7人いるうちの一人)が死亡。

という出来事があったそうです。
そのニュースには多くのリビア人が喜んだそうです。
彼女の夫が「カミカゼ(特攻隊)みたいだね」と言っていました。
「神風は、本当はそういうものじゃない」のに、
「神風が「「カミカゼ」」として一人歩きをしている」ことに不安を感じた一瞬でした。

その場の空気から感じた事は
その日、自爆して犠牲になったパイロットの命は「リビアの革命のためにしょうがない」という感じでした。
リビアの反体制派の意識は大分追いつめられていたようです。
圧力をかけられたマグマが噴き出したような怨念のようなものを感じます。


私は思い切って聞いてみました。

ーーーカダフィが、リビアを離れてアメリカに亡命したら、許せますか?

彼らの答えは

・リビア人は許さないと思う。
・カダフィがリビアを離れる訳がない
・もしカダフィが核兵器を持っていたら、反体制派制圧のために使うと思う
・カダフィがリビア最後の一人になったとしても、カダフィはリビアに残るとリビア人は思っている
・カダフィは、自分が2週間前に殺した市民を、アメリカの空爆後に並べて公開し、アメリカに攻撃されたと言っている。嘘つきだ。

というものでした。


また聞いてみました。

ーーーでは、カダフィをとらえる事が出来たら、リビア人は彼をどうするつもりですか?

彼らの答えは「処刑」でした。カダフィだけではなく、一族やその周りの人たちも「処刑」しなければいけないと思っているようです。これには、彼らに対する恐怖もあるようで、彼らを消し去らなければいずれ自分たちがまた消されるかもしれないという思いのようです。




一族・側近もろとも処刑しなければいけないような深く長い憎しみを、私たち日本に暮らす人達の95パーセントが同じ気持ちで持った事があるでしょうか。

私はこの時点で、感情的にリビア情勢を理解するのは無理かもしれないと思い始めました。


私はこう言いました。
「世界のニュースで、毎日失われた命が数えられて放送されるのは聞いていてつらいね」

彼女が言いました。
「日本も沢山の人が亡くなって、リビアもそう。私たちの国って似てるわね。」

彼女の夫が彼女に言いました
「全然状況が違うよ。災害と革命、似ても似つかないよ」

私は
「いまこれから、自分の国がどうなってしまうのか、という不安感は私たちは共有していると思う。
早く未来への希望だけを語れる日が来ると良いね。リビアも、日本も。」

そういって、彼女の家を後にしましたが、

自分の国がどうなるかという不安感は、きっとどの国も持っている。

パキスタンの大洪水
スマトラ中部沖地震
中国内陸地震
ハイチ地震
ニュージーランドの地震
アイスランドの噴火

自然災害だけを考えてみても、まだまだたくさん。

やはり、いつも、出来る事から始めなければいけないと思います。













ブルガリアとスイスからの暖かいメッセージ。



今日はブルガリア人とお話をしました。

日本を襲った大災害を聞いて非常にショックだったそうです。

彼女曰く、ブルガリアのニュースでは

「日本人がブルガリアに移住してくれるなら受け入れたい」

と言ってくれているのだそうです。

このニュースが日本に伝わっているかどうかは分かりませんが、

「移住してくる日本人を受け入れたい」

と思っている国は他にもあると思います。




それと時期を同じくして、スイスでも

 「なぜ災害はいつも日本を襲うのか分からないが、そうした災害を ( 運命として ) 受け止め、それから起き上がる強さを日本人は持っている。そうした日本人を助けたい。日本人は1人ではない。がんばってくれというメッセージを伝えたかった」
 と言う。また、もし海外に移住しなければならない状況がきたとしても世界中が快く受け入れてくれるだろうと付け加える。


というメッセージが紹介されていました。

スイス インフォより抜粋

http://www.swissinfo.ch/jpn/detail/content.html?cid=29805520


日本人は運命論者ではないと私は思いますが、「運命として受け止めて、起き上がる強さがある」というのは、とても良く説明してくださっていると嬉しくなります。少なくとも、先日フランスの番組でやっていた「日本人が我慢強いのは諦めるのが早いから」よりも日本人をよく言い当てているような気がします。



海に囲まれた日本にいると、つい外国は遠い国の事ですが、

ここ、遠い国の人々にとっては、暮らす国を変えるというのも

割と早い時期に選択肢として上がってくるようです。

リビア人の友人は、カナダ移住を考えているそうですし。

もちろん、日本の皆様に安易に移住をお薦めしているわけではありません。

しかし、視点を変えてみると、出来る事は実はいつもたくさんある、という事があります。

対処法が一つしかない、と思い込んでしまう時は、たいてい気分まで深く落ち込んでいる時だと思います。

視点を高くして見てみると、少し気が楽になる事もあります。

私もいつも、思い悩んで、解決方法が一つしかないと思うまで追いつめられた時には、

自分を月に立たせて、地球を見て、北半球を見て、日本を見て、東京を見て、自分の家を探し、そして部屋にいる自分を見つけます。

自分の存在の小ささを認識したり、今まで「大きな足かせ」と思っていた周りの問題が実は取るに足らないものだと気づいたりします。

そしてこれからはそればかりではありません。

世界では手を差し伸べてくれる人が多いという事も事実があるのです。

日本人は割と自己完結タイプで人に迷惑をかけたくない方が多いようですが、

この未曾有の大災害

沢山の人の力を借りて、長くがんばろうと思います。








長井秀和さんの、スイス・チャリティー公演に行ってきました。



3月18日、

エコール・ミグロでお笑いタレント、長井秀和さんのチャリティー公演を見に出かけました。

長井さんは、別の講演予定でジュネーブ入りされていましたが、大災害に見舞われた日本の犠牲者のために喪に服すということで、予定されていた講演はキャンセルになりました。

しかし、何か出来る事はないかとお考えになり、急遽チャリティー公演が行われる事になりました。

Twitter や フェイスブックで、共演者を募り、ジュネーブの音楽家達も集まって、

長井さんのショーと音楽家の演奏がありました。




最初は皆で黙祷。

その後で、音楽を楽しみ、長井秀和さんのコントに笑いました。

長井秀和さんは、英語・フランス語・日本語で漫談とコントをされました。

フランス語、ものすごーく勉強されたと思います。

久しぶりに笑いましたし、

みんなで笑ったというのも久々の体験でした。

まあ、笑いのツボというのは、どこの人でもあまり変わらないんだなと

きっと長井秀和さんも思われた事だと思います(笑)





講演の最後の曲目は

「ふるさと」

これは、泣いてしまう人も多かったと思います。



でも最後には、「上を向いて歩こう」を歌って

講演は明るく終了しました。



その後募金をして、メッセージを書いて帰路につきました。



日本の現状に胸を痛めているだけではいけないので、
少しでも生活を日常に戻す。
募金とお祈りをする
そこから起こせる行動を起こすことが大切ですね。


で、今回、ある人たちの教えを思い出しました。

彼らは、世界が危機にさらされると、自分たちが製造した物を買うようにするのだそうです。どんなに物価が高騰しても、お金を使う時は、自分たちの同胞の店に向かうそうです。世界中に散らばった民族が世界中で互いのためお金を使うので、世界経済が低迷しても、その民族の中ではお金が循環して経済活動が衰えない、という発想です。

上記の発想に着想を得て、私も思いました。


外国にいてもできるだけ日本の製品を購入する
今まで以上に


今回の震災で、私は日本人としてのアイデンティティを、かなり「発展途上国の日本」に頼っていたことに気づきました。日本のハイテク技術への信頼がなくなってしまうのは、なんだかとてもつらいです。
前にも書きましたが、日本のハイテク技術は「思いやり」から出来ています。日本はこれからも「思いやり」で復興させなきゃとおもいます。


第二次世界大戦、台風、過去の地震から、何度も立ちあがる日本経済を、また世界中が注目しています。
なので、私もここでがんばろうと思います。
お金も稼いで使います。

という訳で、今日からまた少しでも働きます。





余談ですが、長井秀和さん、日本の友人からのメッセージを紹介してくださいました。
その中で、印象に残ったフレーズがありましたので、書いておきたいと思います。耳で聞いた文章を起こしているので、原文の通りではありません。



青木さやかさん

祖師谷大蔵で、地震に遭い、急いで保育園に子供を迎えに行きました。子供達は部屋の真ん中で震えていました。余震が続く今でも、眠る時には「抱っこ紐」を装着して、すぐに子供を抱っこして逃げられるように備えています。小さいお子さんを抱えた方、妊娠中の方の不安も計り知れないと思います。


太田光さん

私たちコメディアンはこれから、顔面蒼白で、皆さんを笑わせる仕事をして行く事になります。




自分のするべきことを知っている人は、ぶれないで日本のためにがんばってくださるのですね。

チャリティー公演で元気をいただきました。

ありがとうございました。